新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第35話

「他に質問はありますか。何でも質問してくださいね。」 あまりに教室内がシーンとしちゃったし、シンジも固まっちゃったから、仕方無しにアタ シはみんなに聞いてみたわ。でもね、500円玉をねじ切ったのが効いたらしく、みんな 呆然として一言も口に出さないのよ。 「先生。質問はもう無いようですから、アタシとシンジは座りますね。」 アタシは、これ以上ここに居ても無駄だと思ったの。そして、アタシは教室内を見渡して、 空席を探したわ。そうしたら、隣合せの空席が無かったのよ。だけど、洞木さんの隣の席 が空いているのを見て、直ぐに閃いたわ。 「すみません、洞木さんでしたっけ。申し訳ないけど、席を変わってくれないかしら。」 「は、はいっ!」 アタシが丁寧に頼んだのに、彼女は体に電流が走ったようにすっくと立ち上がったわ。 「じゃあ、そっちの席に移ってくださいね。」 アタシは、黒いジャージを着た男の横の空席を指したの。そうしたら、彼女ったら、頬に 少し赤みが差したのよ。確か、アタシの予知夢では、この洞木さんて子は、ジャージの男 の子が好きだったのよね。だから、ちょっと後押ししてあげたの。 「え、ええ、良いわよ。」 彼女は素早く荷物を纏めると、そそくさと動いてくれたの。 「洞木さん、ありがとう。優しいのね。」 アタシはニッコリと微笑むと、シンジの−首根っこを掴んでと思ったけど、思いなおして −手を引っ張って席に着いたわ。こうして、アタシとシンジの波乱に満ちた学校生活が始 まったのよ。ふふふっ、ワクワクするわね。 *** 「ねえ、洞木さん。お願いがあるの。」 アタシは、休み時間になると、洞木さんの席に向かったわ。 「な、何かしら。」 洞木さんは、ちょっとだけ顔が引きつっていたわ。 「実は、この学校内を案内してほしいのよ。次の休み時間と、お昼休みにね。」 「ええ、良いわよ。私で良かったら。」 彼女はホッとした様子だったわ。う〜ん、でも、やっぱりやり過ぎちゃったかしら。彼女 ですら怯えるなんて。でも、過ぎた事をくよくよしてもしょうがないから、何か考えなく っちゃね。 「ありがとう。で、シンジも一緒に案内して欲しいんだけど。」 「ええ、二人一緒ね。もちろん、良いわよ。」 「それで、相談なんだけど、一緒に案内してくれる男の子はいないかしら。やっぱり、男 の子の案内は、男の子が一緒にいた方が良いと思うのよ。誰か、頼りになりそうな男の子 はいないかしら。」 そう言うと、彼女はチラリとジャージ男の方を見たの。アタシはそれを見逃さなかったわ。 「ねえ、そこの黒いジャージを着た、きみ。名前を教えてくれないかしら。」 「ワ、ワイのことか。ワイは、鈴原トウジや。」 「そう、鈴原君って言うのね。ちょっとお願いがあるの。洞木さんと一緒に、学校内を案 内してくれないかしら。」 「ワ、ワイがか。」 「ええ。何か、頼りになりそうだって、洞木さんの目が言っているし。」 「な、何を言うのよ。そ、そんなこと、言ってないわよ。」 あら、洞木さんが慌て出したわ。 「あら、洞木さんは、鈴原君のことが嫌いなのかしら。」 「ち、違うわよ!」 「じゃあ、良いでしょ。」 「えっ。ええ、まあ、そういうことなら。」 「じゃあ、お願いね。洞木さんに、鈴原君。」 二人とも、あっけにとられて頷いたわ。しめしめ、大成功ね。 *** 「洞木さん、鈴原君。それではお願いね。」 次の休み時間に、アタシとシンジは二人に校舎内を案内してもらったの。アタシと洞木さ んが先頭で、その後にシンジと鈴原ね。休み時間は、20分しかないから、とりあえずは 自分のクラスのある階が中心ね。当然ながら、最初はトイレよ。ここだけは外せないわ。 アタシは、洞木さんに一緒にトイレに入ってもらって、色々と教わったの。えっ、何をで すって?良いのよ、男の子には関係の無いことだから、気にしないでね。 アタシ達がトイレを出た頃、シンジと鈴原は用を足したらしく、手を洗っていたわ。後は 音楽室や、理科室、家庭科室なんかをざっと案内してもらって、それで休み時間は終わっ ちゃったのよ。 でも、その間中、アタシと洞木さんは喋り続けたの。で、結構気が合っちゃったの。 「アタシのことは、アスカって呼んでね。」 「私もヒカリで良いわ。」 こうして、お互いに名前で呼び合うことにしたのよ。その方がお互い気楽だしね。 「ワイのことは、トウジでええわ。」 「じゃあ、僕のこともシンジって呼んでよ。」 あら、シンジ達もいつの間にか仲良くなったみたい。でもね、きっと鈴原は、ヒカリのこ とが好きなのよ。だから、ヒカリに良い所を見せようとしているのね。ちょっと、バレバ レだけど、シンジにとっては良い事だし、大歓迎だわ。でね、ついでにお昼の話も出した のよ。 「ねえ、お昼はこのメンバーで一緒に食べましょうよ。良いでしょ、ヒカリに鈴原君。」 ヒカリは少し赤くなったけど、もちろん賛成よ。 「えっ、ええ、良いわ。」 「ワイもOKや。でも、いつも一緒に食べてるケンスケって奴がおってな。こいつも一緒 でええかな。」 「ええ、良いわよ。じゃあ、決まりね。今日は晴れているから、外の芝生で食べましょう よ。4時間目が終わったら、直ぐに行きましょう。」 でも、鈴原が頭を掻いてこう言ったの。 「ワイとケンスケは、いつもパンなんや。だから、ちょっと遅れるさかい。」 「ああ、そんなことなら良いのよ。今日は多めに作ってきたから、2人位増えても、大丈 夫よ。だから、終わったら即ダッシュしましょうよ。」 その言葉に、鈴原は嬉しそうに頷いたわ。 こうして、アタシ達とヒカリ、鈴原、相田の5人は、一緒にお昼を食べることになったの よ。最初はどうなることやらと心配したけれど、これなら大丈夫そうね。これなら、アタ シが一緒じゃなくても、シンジが一人で淋しく食べるなんてことはなさそうね。 つづく(第36話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  やっぱり、アスカと仲良くなるのはヒカリです。シンジも、トウジとは良い雰囲気で、 仲の良い友達になれそうですね。ですが、ヒカリとトウジの仲も、何やら近付いたみたい ですね。 2002.8.27  written by red-x



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