新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第30話

 食事の時間に何を話したのか、説明の続きよ。だから、ちょっと時間を遡っているわ。 *** 「うわあ、このお肉、大きいなあ。そう思いませんか、ミサトさん。」 魚料理の次に運ばれてきた肉料理を見て、シンジが驚いた顔をしたわ。 「ええ、そうね。ねえ、アスカ。ここのお肉って、この大きさが普通なのかしら。」 ミサトも不思議に思ったみたい。 「ううん、これは特別に頼んで、普通の倍の量にしてもらったのよ。」 「あら、どうしてかしら、アスカ。あなたは肉料理が特に好きっていう訳でも無かったわ よね。」 ミサトどころか、加持さんまで不思議そうな顔をしたわ。アタシはここぞとばかりに少し 顔を赤らめて、ちょっと俯き加減で言ったわ。あと少しでアタシがシンジのことを好きだ って信じてもらえると思ったからよ。 「だって、多い方がシンジが喜ぶと思ったから…。」 アタシの消え入りそうな言葉を聞いて、ミサトと加持さんは驚いたみたい。それもそのは ず。ドイツでのアタシは、こういう事には一切気を使わなかったのよ。それに、こんなに 恥ずかしそうな仕草を見せたこともね。 「こりゃあ、一本取られたな。アスカはやっぱり本気だったのか。」 加持さんは目を丸くしたわ。 「良いわねえ、シンちゃんは。こんな美少女に気を使ってもらえるなんて。ラブラブで、 良いわねえ〜。」 ミサトはもう完全に復活して、オヤジモードになっちゃったわ。あら、シンジったら真っ 赤になってる。こりゃあ、もう一押しした方が良いわね。 「ねえ、シンジ。アタシにはちょっと多いから、半分食べて欲しいんだけど、いいかな。」 「う、うん。良いよ。」 シンジの返事を聞くと、アタシはお肉を半分シンジにあげたわ。実は、シンジにあげるこ とを見越して、アタシのお肉は既に半分にカットしてもらっていたのよ。 「ア、アスカ、ありがとう。」 「ううん、良いのよ。でも、ちょっと多かったかな?」 アタシは少し不安そうな顔をしたわ。 「そ、そんなことないよ。一杯食べられて、とても嬉しいよ。」 「良かった。シンジに喜んでもらえると嬉しいわ。」 アタシは、ここぞとばかりに超能力を使ったわ。もちろん、この場に相応しい超能力は、 『エンジェル・フェイス』ね。アタシは天使の笑みを顔を浮かべたわ。これで、ますます シンジの心はアタシのものね。 「シンジ君、よ、涎が。」 あら、超能力が効き過ぎて、シンジの顔がにへら〜ってなっちゃったわ。困ったものね。 「あ、す、すいません。」 シンジは縮こまっちゃったわ。 「シンジ、細かいことは気にしないで、どんどん食べて。」 アタシはにっこり笑ったわ。 *** 「えっ、なによ。このロブスターは。」 お肉料理の次に運ばれてきたものを見て、ミサトが驚いたわ。ミサトはデザートが運ばれ て来ると思っていたみたいね。 「へへっ。これもシンジが喜ぶかなあ、なんて思ったから追加したの。」 それを聞いた時のシンジの顔は、とっても嬉しそうな顔をしていたわ。でも、ミサトは少 し渋い顔をしたの。 「う〜ん、これを食べると太るかしら。」 そんな迷いを吹き飛ばすかのように、シンジが言ったわ。 「ミサトさん、これ、エビみたいな味で、凄く美味しいですよ。絶対食べた方が良いです よ。」 「うん、そうだな。中々良い味だぞ。」 加持さんも同じ意見ね。 「しゃ〜ない。そこまで言うなら食べましょうか。」 ミサトはそう言うと、一口食べたの。そうしたら…。 「んま〜い。なにこれ、すっごく美味しいじゃない。」 いきなりニコニコしちゃったのよ。終いには、 「お代わり出来ないかしら。」 なんて言うのよ。あまりの変わり身の速さに、シンジも加持さんも苦笑していたわ。 「良いわよ。そう言うと思って、頼んでおいたから。シンジと加持さんもどう?」 もちろん、2人とも頷いたわ。こうして、アタシを除く3人ともロブスターを2匹食べた の。ええっ、アタシが何で食べなかったのかって。もちろん、デザートが狙いだからよ。 *** 「うわあっ、大きいわね。」 デザートのパフェを見て、またもやミサトは驚いたわ。 「そうだな、これは大きいなあ。」 「そうですねえ。かなり大きいですね。」 加持さんとシンジもちょっとびっくりっていう感じね。普通のパフェの3倍はあるから、 無理もないかしら。 「まあ、いいから食べましょうよ。」 アタシは先頭を切って食べ始めたわ。そして、本題を切り出したの。 「ねえ、アタシ達の婚約、ミサト以外の人も祝福してくれるわよね?」 少しだけ不安の混じった声でアタシは聞いたわ。ここでミサトがどう言うかで、この後の 展開が大きく違って来る訳よ。だから、アタシはお金をかけた上に、加持さんまで引き込 んだのよ。 「もちろんよ、アスカ。あなたは妹みたいなものだもの。祝福しないなんて言う人がいた ら、この私が許さないわ。それに、二人の応援をさせてもらうわよ。ねえ、加持もそうで しょ。」 「ああ、もちろんさ。俺達二人が婚約出来たのも、アスカが俺をここに呼んでくれたから だしな。感謝しているよ。」 二人はこう言ってくれたのよ。これで心強くなったわ。アタシはシンジに笑顔を向けたら、 シンジも笑顔でを返してくれたわ。よしよし、これで作戦成功ね。この日の出費は、結局 300万近くしたけど、それだけの価値はあったわね。 つづく(第31話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2002.7.23  written by red-x



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