新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ


第3話

 アタシとシンジは、記念すべき初対面を行ったけど、シンジは、急な展開についていけ ずに、固まってしまったの。あら、ちょっとまずかったかしら。まあ、いいわ。押しある のみね。アタシは、ここぞとばかりに押しまくることにしたわ。 「シンジ君、ネルフに来たのは初めて?」 アタシが問いかけると、シンジは首を縦に振った。 「じゃあ、アタシが案内してあげるわ。でも、その前に、着替えないと、ねっ。」 アタシはウインクすると、シンジの手をつかんで、更衣室へと引っ張った。シンジは、何 が何だか分からないまま、アタシに連れられて行ったわ。 ***  アタシは、シンジと一緒に男子更衣室に入ると、LCLの吐き方、プラグスーツの脱ぎ 方、シャワーの使い方、LCLを上手に洗い落とす方法などをシンジに優しく説明してい った。 「はいっ、こうやってやるのよ。」 アタシは、喉に指を突っ込んで、LCLを吐いた。シンジもそれに倣う。これをやらない と、LCLが体の中に残ったような感覚がして、気持ち悪いのだ。 「次は、プラグスーツの脱ぎ方よ。」 アタシは、腕のスイッチを押すと、プラグスーツを脱ぎだした。だが、これには、シンジ が慌ててしまった。 「そ、惣流さん、な、何てことするの。」 シンジの顔は、見る間に真っ赤になったわ。でも、アタシは、落ち着いて言ったの。だっ て、ここで、自分が恥ずかしがったりすると、全部ぶち壊しになるもの。アタシって、演 技がうまいから、きっとうまくいくわ。 「シンジ君。アタシ達は、正体不明の敵と戦っているのよ。戦っている時に、男も女も無 いでしょう。だから、これ位で、慌てないで。お願い。」 シンジは、訳が分からないようだったけど、アタシの真剣な口調と勢いとに押されて、何 故か納得したようで、大人しくなったわ。こんなことで騙されるなんて、やっぱり、シン ジはとろいのかしら。 「見たくなかったら、反対方向を向けばいいわ。」 シンジは、それを聞くと、反射的にアタシと反対方向を向いたの。 「あらっ。アタシって、見られたくないほど、変なスタイルなのかしら。あ〜あ、大ショ ックだわ。」 アタシは、わざと落ち込んだ声を出すと、シンジは叫んだわ。 「そ、そんなことないよ。惣流さんは、とっても綺麗だよ。だから、眩しくて、見ること が出来ないんだ。」 あら、シンジったら、本当のことを言って。やけに素直じゃない。それとも、アタシに一 目惚れしたのかしら。おっと、これからは、真面目に言わなくちゃ。 「そんなの嘘よ。もし本当だったら、一度でいいから、アタシのことをちゃんと見て。」 「ほ、本当に良いの。」 シンジの声は、少し震えている。 「アタシのこと、嫌いなのね。だったら、そっちを向いたままでいいわ。」 「き、嫌いじゃないよっ。そんなこと、ある訳ないじゃないか。」 シンジが振り向くと、そこには、全裸のアタシがいた。シンジは、目をそらそうとしたが、 悲しい男の性か、シンジの目は、アタシの裸に吸いついたように離れなかった。あらあら。 本当に、シンジがこっちを見るなんて思わなかったわ。アタシの柔肌をしっかりシンジに 見られちゃったわね。でも、これで、シンジは落ちたも同然だわ。 「良かった。アタシ、嫌われちゃったかと思っちゃった。」 アタシは、そう言うと、自分の裸が見られないようにと思って、ちょっと屈んでシンジの プラグスーツをさっさと脱がしだした。だが、これにはシンジが慌てだしたの。 「や、やめてよっ、惣流さん。」 シンジはもがいたため、足を滑らしてしまった。 「あっ。いやあっ。」 「ああっ。」 シンジは、覆いかぶさる格好で、アタシを押し倒したの。まあ、シンジったら、とんでも ないエッチだったのね。この、ムッツリスケベ。 「ご、ごめん。」 シンジは急いで立ち上がろうとして、手に力を入れたわ。だが、これが裏目に出たの。 「痛いっ。」 アタシが急に叫んだら、シンジは、自分の手を見たわ。シンジの右手がアタシの胸をつか んでいたの。それなのに急いで力を入れたので、アタシは胸に痛みを覚えて思わず叫んだ のよ。 「ご、ごめんよっ。」 シンジは謝ったけれど、慌てて右手を引っ込めたため、アタシの上に密着してしまったの。 もう、シンジったら、わざとなのかしら。ちょっとからかってみようかしら。 「シンジ君、アタシ、初めてなの。だから、乱暴にしないでね。」 「ご、ごめんよっ。そんなつもりじゃないんだ。」 「裸の女の子を押し倒して、他にすることがあるの?何か言い訳があるの。」 「ほ、本当に、違うんだ。」 シンジの声が震えてきたわ。あまりからかっちゃ、可哀相かしら。 「じゃあ、アタシの言う通りにして。アタシが言った以外の行動はとらないで。」 「う、うん、わかったよ。」 「ゆっくりと、立ち上がって。それから…。」 シンジは、観念したのか、それからは、アタシの言うことを良く聞いたわ。アタシ達は、 お互いの髪の毛をよ〜く洗いあって、それから反対向きになって、シャワーを浴びたの。 その間、結構話し合う時間があったの。 アタシは、その時、とうとう超能力とも言うべき、特殊能力を使うことを決意したわ。 そう、神の力を借りた、特殊能力を。 つづく(第4話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  次回は、アスカの超能力が炸裂します。 2002.1.15  written by red-x



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