新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ


第4話

 アタシとシンジは、お互いの髪の毛をよ〜く洗いあって、それから反対向きになって、 シャワーを浴びたの。その間、結構話し合う時間があったわ。 「ごめんね。変なことになっちゃって。LCLは、良く洗わないと、体にへばりついて、 結構気持ち悪くなるのよ。だから、最初はちゃんとした洗い方を教えたかったの。シンジ 君が男だってことを、すっかり忘れちゃってた、アタシが悪いのよね、ごめんなさい。」 ああ、アタシったら、口から出任せが、何てすらすらと出るのかしら。 「ううん。やっぱり、僕が悪いよ。慌てたからって、惣流さんを押し倒したんだもの。ご めんなさい。」 「お互いに謝ったから、これでおしまいにしましょう。それでいいかしら。」 「うん、いいよ。」 「じゃあ、早速質問ね。シンジ君って、彼女いるの。」 アタシは、いきなり核心を突いた。シンジは、驚いたわ。 「ど、どうして、そんなこと聞くの。」 「だって、こんなことになっちゃって、彼女がいたら、悪いじゃない。」 アタシは、わざと話を本題から遠ざけた。こうすると、相手も安心するのよ。安心した隙 をついて、一気に攻め込むの。 「ああ、そうか。か、彼女なんかいないから、気にしないで。」 「えっ、ホント?良かった〜っ。」 「えっ。」 シンジは、少し驚いたような顔をしたわ。 「だったら、もう一つ質問があるんだけど、アタシって、シンジ君の好み?それとも、こ んな顔は嫌かしら。」 「い、嫌じゃないよ。どちらかと言うと、こ、好みかなあ、なんて…。」 あら、シンジったら、赤くなっちゃって。 「うわあ、嘘でも嬉しいわ。シンジ君って優しいのね。アタシ、シンジ君みたいな優しい 男の子って好きよ。」 「う、嘘じゃないんだけどな。」 「嘘に決まっているでしょ。シンジ君みたいな、優しくて、アタシ好みの男の子に、彼女 がいないわけないわ。そんなこと言って、アタシをぬか喜びさせないでね。」 アタシはそう言いながら、少し顔を俯かせた。『アタシ好み』って言って、さりげなく、 自分が好意を持っていることを伝えたの。シンジったら、慌てるわよ。 「う、嘘じゃないよ。本当だよ。どうして信じてくれないの。」 シンジは、少し興奮してきた。アタシは、シンジが動揺する、この時を待っていた。 「彼女がいなくて、アタシのことが好みだったら、今すぐアタシにキスして。」 アタシは、そう言いながら、シンジの方を向いて、目をつむったわ。シンジは、きっと、 呆然とするわね。でも、アタシには、おそらく大丈夫だという確信があったわ。シンジは 少し間が開いたけれど、アタシの頭をつかんで、軽くキスしてきたの。そして、お互いの 顔が離れると、アタシは笑って言ったわ。 「嬉しいな。本当に彼女がいないのね。じゃあ、これはお礼よ。」 アタシは、もう一度目をつむると、シンジにぎゅっと抱きついて、キスをしたの。ふふっ。 シンジったら、震えているわ。そうよねえ。こんな可愛い女の子と裸で抱き合っているん だもの。当然よねえ。 「惣流さん…。」 「駄目っ。アスカって呼んで。呼ぶまでこうするわよ。」 アタシは、再びぎゅっと抱きついて、シンジにキスをしたわ。 「ア、アスカ…。」 「シンジ…。アタシのこと好き?好きだったら、キスして。」 当然、シンジはキスしてきたわ。 「シンジ、本当にアタシのこと好き?好きだったら、キスして。」 もちろん、シンジはキスしてきたわ。 「シンジは、アタシの恋人になりたい?なりたかったら、キスして。」 ふふっ、やっぱり、シンジはキスしてきたわ。次は駄目押しね。 「シンジは、本当にアタシの恋人になりたい?なりたかったら、キスして。」 ふふっ、シンジはキスしてきたわ。もう決まりね。 「シンジ。アタシ達は、恋人になったの?そう思うのなら、キスして。」 今度は、シンジはぎゅっとアタシを抱きしめてキスしたわ。 「嬉しいな。シンジ、大好き。」 キスが終わると、アタシはシンジに小声で言った。シンジは、みるみるうちに、真っ赤に なったわ。 (今よっ!) アタシは、神の力を借りた特殊能力を発動させたわ。その名も『エンジェル・フェイス』 神の力を借りて、我が身に天使を降臨させるの。そして、その天使の力を極限まで引き出 して、アタシの顔に笑みを浮かべるの。天使の力だけあって、その笑みは、どんな男の心 も奪うことが出来るのよっ!凄いでしょっ! えっ、誰よっ!ただ、笑っただけだなんて、言う人はっ!アタシに逆らう気なのっ!見て みなさいよ。シンジったら、目にハートを浮かべて、アタシを見ているわよっ!アタシの 超能力の威力は抜群なのよっ! アタシは、腰に腕をあてて、胸を張りたい気分だったけど、猫を被って、手を後ろに組ん だままにしたわ。そして、首を傾げて、こう言ったの。 「シンジもアタシのこと好き?アタシが綺麗だと思う?」 シンジは、力強く何度も首を縦に振ったわ。 こうして、ちょっと強引だったけど、アタシ達は、会って間もなく、恋人同士になったの。 だ〜れ、物凄く強引だなんて言う人は。ちょっとよ、ほんのちょっとだけよ。アタシが言 うんだから、間違いないわよ。これで、シンジの救済は終わったようなものね。 つづく(第5話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  ようやく、アスカの特殊能力?が発動しました。アスカの特殊能力は、物凄い威力です。 多分…。 2002.1.23  written by red-x



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