イラク問題で、ドイツ支部とアメリカ支部が強く対立するようになっていき、その争い
の火種は、研修生だけでなく、大人達にも広がっていく気配を見せていた。
そんな中、ある事件が起こった。
＊＊＊
「はん、ドイツ支部の連中は臆病者だな。そんなにフセインが怖いのかよ。」
「ふん、怖くないさ。攻めて来たらやっつければいい。臆病者は、先に攻めたがるのさ。」
「何をっ！よくも言ったなっ！」
「うるせえっ！」
最初は、アメリカ支部のポールと、ドイツ支部のハンスのケンカだった。だがそこに、運
悪くレッドアタッカーズに所属しているポールの兄が通り掛かった。
「おい、止めないかっ、二人ともっ！」
ポールの兄は、一応ケンカを止めようとした。だが…。
「うるせえっ！」
ハンスに殴られて逆上してしまった。
「やったなっ！」
怒ってハンスに殴りかかった。そこに、これまたワイルドウルフのメンバーが通り掛かり、
二人を引き離そうとしたのだが、同様に殴られて逆上し、ケンカに加わってしまった。こ
うして、ケンカは次第にメンバーを増やしていき、大乱闘に発展してしまったのである。
しかも、ワイルドウルフ対レッドアタッカーズのケンカに発展してしまっていた。
一応、この乱闘はまもなく収まったが、ドイツ支部対アメリカ支部の対立に加えて、ワイ
ルドウルフ対レッドアタッカーズの対立という、新たな火種を抱え込むことになってしま
った。
（第７３話へ）
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○ 今までの対立の構図
ド イ ツ派：ドイツ２支部、エジプト支部、インドネシア支部、中国支部
反ドイツ派：イギリス支部、フランス支部、ロシア支部、アメリカ２支部、インド支部
中 立 派：ブラジル支部、オーストラリア支部
○ イラク問題での対立の構図
先制攻撃派：イギリス支部、アメリカ２支部、オーストラリア支部、ブラジル支部
レッドアタッカーズ
反 対 派：ドイツ２支部、フランス支部、ロシア支部、インド支部
ワイルドウルフ、ヴァンテアン
中 立 派：エジプト支部、インドネシア支部、中国支部
2003.4.30 written by red-x