新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ
第17.5話 迷い
「う~ん、どうしよう。」 ケンスケは、迷っていた。先程、アスカから電話があり、決断を迫られていたからだ。 新型兵器のテストパイロットになる代わりに、公私共にアスカの言うことを何でも聞くこ とがアスカの出してきた条件だった。 「でも、あの惣流の言うことを何でも聞くなんて、危険だよな~。」 正直言って、ケンスケは新型兵器のテストパイロットに、エヴァのパイロットと同じ位、 魅力を感じていた。だが、その条件が曲者だった。アスカの言うことを公私ともに聞くと いうのがどういう結果になるのか、見当がつかなかったからだ。 「でも、惣流は、少し丸くなってたよな~。」 ケンスケは、アスカとシンジが恋人同士になったことに、強い衝撃を受けていた。ケンス ケも少なからず、アスカに好意を抱いていたからだ。だが、それ以上に、アスカの表情の 変化に驚いた。以前良くシンジに対して見せていた、ドス黒い怒りの表情などが微塵も感 じられなかったからだ。 「トウジに対しても、突っかからなくなってたよな~。」 そう、トウジに対しても、以前のように刺の有る口調で罵るようなことは無かった。 「やっぱり、OKしようかな。」 ケンスケが考えているうちに、アスカから催促の電話がかかってきた。 「どう、相田!決心ついた?」 「う~ん、今考えていたんだけど…。」 「んも~、はっきりしないわねえ~。いいわっ、もう一つ良い条件を追加してあげるっ。 ユキとリツコの水着姿の写真を撮らせてあげるわっ。」 「えっ、それは本当かよ。」 ケンスケは、驚いた。ユキは、アスカほどではないが、かなりの美人だったからだ。その ユキの水着写真を撮れるとは、到底信じられなかったからだ。 「本当よっ。もし嘘だったら、アタシの言うことを何も聞かなくてもいいわよっ。一応、 本人の承諾ももらっているのよ。」 ユキとリツコの水着姿が撮れる。ケンスケは思わずニッコリしていた。もう、答えは決ま っていた。 「分かったよ。惣流の言うことは何でも聞くよ。」 この時点で、ケンスケはアスカの下僕となった。 なお、その後、ケンスケはユキに確認したところ、ユキはアスカが同席するならという条 件付きであることと、最初はヌードを頼まれたことが判明した。『知らない人の前でヌー ドになるなんて、惣流さんの頼みでも嫌だったんです。だから、水着とか下着姿でなら良 いですよって言ったんです。』とユキが言うのを聞いて、ケンスケは期待に胸が膨らむの であった。
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(目次へ) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき シンジという下僕がいなくなったアスカの新しい下僕がケンスケになります。新型兵器 というのは、あまり話に影響しませんが、ケンスケがアスカの下僕になることは、今後の 話に大きな影響を与えます。こうしてアスカは、何でも言うことを聞く恋人のシンジに加 えて、親友のヒカリ、その恋人のトウジ、アスカに憧れるユキ、下僕のケンスケという、 アスカにとって、強力な布陣が出来上がるからです。 2001.12.31 written by red-x
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