その光景を視界に捕らえながらイワンは手と舌による愛撫を再開する。乱れていく呼吸に忙しなく上下する胸に唇を寄せ、しっとりとした肌を舌で味わう。いつもは虎徹に煽られるばかりで肌に触れるのは指先で精一杯だったのだが…今日は思う存分に味わえる…その感激から乱れた前合わせの間から覗く胸板に手を押し付けた。よくキースが『虎徹の肌はどこもかしこも甘い』といっていた言葉を思い出しながらコリコリと音がしそうなほどに固くなった実を舌の上で転がしていた。

「ぅんっ…っぁふ…んっ…むぅ…っ…」

 …ぢゅうっ…と派手な音を立ててイワンが実を啜りあげると、捕らえた顎がひくりと跳ね、重ねた唇の隙間から甘い声が零れ落ちる。
 耳と指で敏感に反応を示す躯を楽しみながらキースは口の中で蠢く舌にうっとりとしていた。いつもは自分から一方的にすら感じるほどの愛撫を与え、虎徹がぐったりしてしまうほどに攻め立てている…だから知らなかったのだが…彼はこちらの情欲を煽るのが上手い。甘えるように絡められるかと思えばするりと逃げて上あごを擽ったり、あふれ出る蜜を啜りあげたりとしてくる…よくイワンから『虎徹は淫媚すぎてこちらがすぐにもたなくなる』という話を聞いていたが…なるほど。と今納得出来た。こんな調子で迫られては確かにこちらの腰が砕けてしまいそうだ。

「…んぁ…っふぅ…んっ…」

 たまに唇を解放されれば零れる声…イワンとの時より…キースとの時よりもずっと高く甘く聞こえるのは気のせいではない。
 腰の奥に重く溜まり続ける熱がずっしりと凭れかかっているように感じられる。しかもまだまだ降り積もらせられるようで、すでに呼気が乱れているというのに新たな快感は与えられなかった。

「………」
「…ぁっふ…んっ…むっ…うぅ…」
「………」

 啜り泣くような声が零れる中、イワンとキースはアイコンタクトをしていた。触れる躯が熱を帯び、少しの刺激で震えている様を見て…次へ移ろう…と目配せしていたのだ。

「んぅッ!」

 イワンが唾液に濡れた実に歯を立てると大きく跳ね上がる。それを機にキースの指が胸元へと降りて行った。

「っは…ぁ…?」
「…少し姿勢を変えようか…」

 上体を少し抱えられているような状態から下ろされてしまい、不安に瞳を上げると仰向けに転がされてしまう。次は何をする気なのだろう?…と瞬いていると上半身をねじるように両手を掴まれてキースの体の中心へと導かれた。

「…あ…」
「舐めてくれるかい?」

 すでに脈打ち形を変え始めているその楔に虎徹は目を見張った。まじまじ見るのは実は今日が初めてでもある。今まで一度も触ったことも咥えた事もなかった分…かなり緊張してしまう…導かれるままに握り締めるように指を這わせると興奮を伝えるように…どくっ…と脈打つ感覚が伝わってきた。

「キースさん…覚悟しておいた方がいいですよ?」
「了解した。そして了承した。男として耐え抜いてみせよう」

 二人の会話をぼんやり聞きながら虎徹は口を開いた。やりやすいようにと膝枕をしてもらい目の前に迫り来る楔に舌を伸ばす。つるりとした先端を舐めると頭の下の腿がぴくりと震えた。調子に乗ってパクリと咥えるとわざとらしく顔を見上げる。

「…っふ…本当に…覚悟がいるね…」

 小さく笑いを漏らすが、熱に浮かされた音が混じり興奮しているのが伝わってきた。キースにはいつもされるがまま…一方的に弄られていたのだから、今日はチャンスかもしれない…と意気揚々に口の中で舌を蠢かせると呻き声が聞こえてくる。

「…ぅ…く…」

 時折ちらりと視線を上げてみれば白い頬を上気させて眉を寄せる貌が見えた。その表情が虎徹をますます上機嫌にしていく。

「…美味しそうですね?虎徹殿…」
「んっ…ふぅ…」

 髪を撫でる手に瞳を眇めれば耳に唇が寄せられた。くすぐったさに身を竦めればそれはすぐに離れていってしまう。自由の利かない視界では捉えられない場所へと行ってしまい、少し寂しくなった。

「失礼します」
「ッ!?」
「こちらの方…味あわせてくださいね?」

 がばり…と容赦なく開かされた足に下半身が露にされて、途端に触れる外気で肌が粟立つ。それ以上に晒された場所へイワンの視線が這わされているのだと思うだけで腰の奥が疼いた。思わず腰を逃がしてしまいそうになるも、しっかりと捕まれてしまい内腿を這う熱い呼気に躯を震えさせる。

「んぅ…ッ!」

 まだ着物の裾でかろうじて隠れていた欲望を、息を吹きかけて晒されてしまう。ぞくぞくっとした震えに喉を鳴らすと歯が軽く当たったのか、キースが息を詰めるのを聞いた。

「…えっちだな…虎徹君…」
「んっ…うぅ…」
「そうですね…キースさんのを咥えるだけでこんなに濡らして…」
「…んっ…むぅっ…」
「だめですよ?虎徹殿…ちゃんとご奉仕しないと」
「まだまだ離すつもりはないよ」

 二人に鑑賞される羞恥から自分の手で隠そうとしたが、キースの手によって咥え込んだ楔から離されず…また、足を閉じようにもイワンの体が邪魔をして不可能だ。空気の動きにすら敏感に感じてしまう欲望をふるりと震えさせて口の中に迎え入れた楔を舐める事に没頭していく。コレがあとで自分の中に突っ込まれるんだ…と考えると余計に興奮してしまった。

「んむっ!!」

 途端に湿っぽい空間へと放り込まれて背筋を跳ね上げる。…まさか…と考える暇もないほどに派手な音を立てて啜り上げる音が耳を犯してきた。ざわりっと駆けあがる快感をやり過ごそうと咥えた楔に夢中でしゃぶりつく。

 けれど、蜜を滴り落とし始めた欲望を容赦なく舐め上げられ、腰が揺れ動いてしまった。更に、滴る蜜を掬いあげて菊華に塗りこめられ始める。

「あふっ…むっうぅ…んっ…くぅ…!」
「いつもしてあげるばかりなんだって?たまにはされるのもいいだろう?私の時のように…」
「…むぐ…ふっ…んぁ…」
「ココ…少し触るだけでひくひく動いて…可愛いですね…」
「そうだろう?舌でも愛でてあげるといい。とても悦んでくれる」
「えぇ、さっそく…虎徹殿…歯を立てないように気をつけてくださいね?」
「ん…んぐぅ!!」

 穏やかな会話に…ぞくり…と背筋を震わせた直後、大きく躯を跳ね上げさせた。きゅうっと閉じた菊華の表面を…ぬるり…と生ぬるい塊が這わされたのだ。思わず口に咥えた楔で喉の奥を突きそうになって吐きそうになる。なんとか咽るだけで終わったけれど…
 竿を擦り上げられ、陰嚢にまで指を這わされると…悦楽を与えられる事に慣れた躯がふるり…と震える。

「ふ…ぁ…んっむ、ぅう…」
「イきそうかい?」
「…んっ…んんっ…」
「そう…私もイきそうなんだが…」
「…いいですよ?僕は後でも構いませんから」
「…だそうだよ…虎徹君…」
「っふ…ッふぅ…」
「奥までたっぷり舐めて差し上げます」

 キースの指がさらり…と前髪を梳くと入り口を舐めるだけだったイワンの舌がひくつき厭らしく開閉を繰り返す菊華にねじ込まれてしまった。

「んッ…ふぁぁぁんっ!!!」

 途端に脳天まで駆け上がった刺に激吐き出される嬌声に咥えていた楔を吐き出してしまった。さらに腰の奥で蟠っていた熱がびゅくっと勢い良く溢れ出す。頬を叩く楔からも白濁の欲望が吐き出されて顔を汚していった。ぼやける頭で視界に写る力をなくした楔に唇を寄せる。

「ぁ…ふ…ん、ん…」
「…んっ…いい子だね…虎徹君…」

 口に広がる独特の味に夢中になりながらも、ひくひくと蠢く菊華を擽る舌先に腰を跳ねあげる。再び煽られる舌の動きに啼き上げていると、綺麗にしようと舐めていたキースの楔を口に咥えていられなくなってしまった。

「ねぇ?…虎徹君…」
「ふッ…ぅ…ん?」

 ずるっ…と抜けて行った舌に肌をぶるりと震わせていると甘く掠れた声が耳を擽る。…つっと指で撫でられたのは今イワンに舐められていた菊華だ。彼よりも少し太いキースの指が入口を確かめるように押しては撫でまわしてくる。その動きに焦れた腰がひとりでに揺らぎだす。

「ココを折紙君に弄ってもらう時はどうしてるんだい?」
「…ど…どうって…」

 キースの投げかけた問いかけに頬が熱くなる。2人それぞれに受け方を変えているので、当然ソコを弄ってもらう時の行動だって違ってきていた。イワンにしか言っていない言葉と同じ事をキースに言わなくてはならない…と思うだけで恥ずかし過ぎて憤死してしまいそうだ。
 真っ赤になっているだろう頬をイワンが撫でてくる。場所を交代したのだろう…頭がイワンの膝の上に乗せられて優しく髪を撫でられた。

「虎徹殿…キースさんに…いつもみたいなオネダリしてください」
「なっ…!」
「オネダリ?どんなオネダリをしていたんだい?」

 膝の上から見上げるイワンの貌はとても優しい笑みを象っているのに、零れ落ちた言葉はとんでもない内容だった。言い回しもどちらかといえば、情欲をそそるような言葉を選んでいる辺り、キースからのアドバイスだろう。思わず素っ頓狂な声を上げてしまえば菊華を撫でる指が思わせぶりに食い込んでくる。

「…虎徹殿…?」
「っ…ん…!」
「ね…虎徹君?」
「…ッあ!」

 甘えるような掠れた声が耳元と上から降り注ぎ、躯の芯をじわじわと熱していく。ダメ押しとばかりに耳を齧られ、入口をぐりぐりと押し上げられるともう抗えなかった。
 のそのそと四つん這いになって腰を上げると自ら菊華が見えるように割り開く。

「…ココ…弄ってぇ…」
「……とても…素晴らしい誘い方だね…」
「…んっ…」
「キースさん」
「ん、ありがとう、そしてありがとう。」

 震える指のすぐ横に口付けられて躯を跳ねさせると、背中の上で何か遣り取りがなされる。もちろん死角にはいっている場所なのでまったく見えないのだが…確認しようにもイワンが顔を両手で包み込んで口付けを施してきたので見る事は叶わない。

「ん、ふ…っぅわ!?ちょっ!まて!キース!!」
「ん?どうしたんだい?」

 いつになく積極的に絡められる舌に…とろん…とした心地良さに浸っていると下半身からぞわっと駆けあがる寒気に暴れてしまう。

「なっ…何!?」
「え?何って…ローション…」
「…えと…虎徹殿がいつも使ってたものと同じですけど…」
「…〜あのなぁ…」

 確かにいつもローションは使っている…使っているには使っているが…直接垂らしたりなんかしていない。イワンに弄らせる時は自分の手で温めてから塗りたくり、その後に馴らしてもらっている。今日の場合はキースがいつもするように唾液でたっぷり濡らされたから使わないと思っていたのだが…
 徹底的に相手方がしていた方法をしたいらしい。

「あ…の…間違いましたか?」
「ん〜…ちょっとねぇ…いつもは俺が自分で塗ってたもんなぁ…使い方…知らなくても仕方ないか…」

 へなり…と途端に不安な顔になってしまったイワンの頭を慰めるように撫でて、しがみつくように腰へと腕を絡める。

「キース…そのローションは単なるモイストタイプだから…」
「…もいすと?」
「潤い重視ってやつ。で、直接垂らされると冷たいの。OK?」
「…ふむ…」
「だから…使う時は自分の手に垂らして体温に馴染ませてから使ってほしいわけ。」
「…なるほど。」
「……へぇ…」

 抱きついた腹から聞こえる声に、イワンも納得したようだ。これで次からはローションを自分で塗る事はなくなるかもしれないな…と、嬉しいんだか、恥ずかしいんだか分からない気持ちに小さく息を吐きだすと菊華に…ぬるり…と滑る指があてがわれる。


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