きゅうっと頑なに閉じた菊華の皺を伸ばすように指が這い回る。時折冷たい塊が落ちてくるからローションを継ぎ足されているのだろう。冷たいと思った次の瞬間にはじわじわと熱を発していった。

「はっ…あっ…あ…ッ…」

 苦しいほどに乱れた呼吸をどうにかしたくて…疼く熱をどうにかしたくて身を捩るが一向に治まらない。それどころかますます熱くなる。菊華がほぐれ出したのだろう…表面ばかりを撫でていた指が開く口に軽く埋まってすぐに出て行った。そのもどかしさに腰が揺れる。

「どうして欲しいですか?」
「なっ…にっ…?」
「ココ…どうして欲しいか言ってください」
「ッ!」

 トントン…とノックするように指先が菊華を叩く。たったそれだけだというのにぞくぞくっと駆け上がる悦楽が脳天まで突き抜けた。大きく背を仰け反らせるが、嬲る指は離れない。開いたままの口の端から飲み込めなかった唾液があふれ出す。甘く痺れる躯中が開放を求めて中心に集まるも、塞き止められた欲は毒のように腰の奥で渦巻いていた。

「…ぁ…ぁ…ぁ…」
「ほら、言ってください、おじさん?」
「ぁう!…んっ…く、ぁあ!」

 尚もしつこく叩き続けるその振動が腰の奥に溜まり続ける熱を揺さぶる。それどころか助長するようにさらに熱が膨れ上がっていく。躯中を蝕む熱に苦しさと、その何倍もの快感が頭を可笑しくしていった。

「っば…にぃっ…!」
「バーナビーですって言ってるでしょう?」
「ッあぁ!!!」

 霞む意識の中で呼べば訂正とお仕置のつもりなのか、指が何の躊躇もなく突き立てられた。けれど決して奥までは侵入せずに指先だけで入り口を広げるようにぐにぐにと回している。

「ッはぁ!あっ!あぁあ!!」

 きっと戒めがなければ何度も達しているだろう、眩暈のする快感が四肢を痺れさせていく。背を限界まで反らし顎を上げ腰を跳ね上げる…先走りばかりがあふれ出る楔が己の下腹を叩き濡らしていった。

「ば、な…び、ぃい…っ!」
「言えるじゃないですか」
「あぁうっ…」

 くすりと小さく笑う声とともに入り口を嬲っていた指先が、ちゅぷっと音を立てて出て行ってしまった。咥え込んだものを失くした菊華がひくりと震えるのが自分でも分かる。それどころか咥えたいと嘆くようにぱくぱくと開閉してさえいるだろう。

「さぁ、どうされたいですか?」
「…なっ…な、かぁ…」
「ナカを?」
「…なぶ…ってぇ…」
「良く出来ました。」
「ッあぁぁぁ!!!」

 朦朧としながらも促されるままに言葉を紡げばさらりと髪を撫で付けられ、菊華に指が押し付けられる。すると爛れているかのような内壁を擦り上げて指が付け根まで押し入ってきた。意識が飛びそうな悦楽の波に焦点が合わない。ひくっ…ひくっ…と震える喉から言葉の切れ端が零れ落ちる。仰け反ったままの躯は痙攣を起こし、待ち望んだ圧迫に菊華が歓喜のままに震え悦んでいた。

「っ…ぁ…ぁ…」
「確かにキツイですね…でも…美味しそうに食んでいますよ?」
「ッく…ふぅっ…う…」

 漸く衝撃に慣れだした躯から僅かに力が抜け落ちる。浮いた背をシーツに鎮めて疼く躯を捩った。突き立てられた指がくらくらとするほどの心地良さを生み出すのだが、物足りない。
 もっと奥…もっと大きい…もっとアツイ…
 嘆く躯を鎮める為に欲するモノは知っている。けれど言葉にするのは憚られた。『白い』彼をこれ以上堕ちさせたくない。けれど己の躯は浅ましく彼のモノを求めている。

「ひくついていますね?厭らしいですよ…おじさん?」
「…ぅ…っん…」
「ナカだって…食いちぎられそうなほど喰らいついているくせに誘い込むように蠢いて…厭らしい…」
「…っふ…んん…」

 掛けられる言葉が躯中を甘く疼かせる。ぴりぴりと肌が敏感に言葉の愛撫に反応を示しぞくぞくとした悦楽を拾い上げていた。
 ゆっくりと瞳を開けば涙に滲む視界に笑みを刻むバーナビーの白い貌が見える。ほっとした反面、見てしまった事を後悔した。

「…ねぇ…」

 緩く弧を描く唇がゆるりと動く…

「…ココは…」

 ルームライトで照らされた深い陰影を描く輪郭…

「…ナニを求めているんです?」

 細められた瞳には飢えた獣の底光りした色が宿っていた。
 ぶるり…と震える肌に咥えた指の存在が再確認されてしまう。長い…節くれだった指…先ほどからゆるゆると突き上げてくる摩擦で下半身が痺れたように動かない。

 もっと…もっと…もっと…モット…

 近づいてきた貌が唇を軽く重ねてくる。

「ナニが欲しいですか?」

 僅かに重なった唇が話す度に擦れて曖昧な感覚を与えてくる。ぞくっと震える背筋に何かが崩れ落ちた。

「いれ…て…」
「ナニを?」
「ばぁな…びぃ、の…」
「僕の?」
「ふとくて…おっきぃの…ぶちこんで…」

 呂律の怪しい声で静かに紡ぎ上げた言葉に彼は淡く笑ったように見えた。

「んっ…むぅ…」

 微かに触れたままだった唇を深く重ねあわされると熱い舌が潜り込んで来る。こんなに熱かったっけ…とぼんやり考えていると菊華の中からずるりと指が抜けていってしまった。ひくりと喉を鳴らせばすぐに別のモノを宛がわれる。
 『ソレ』が『ナニ』か瞬時に理解した瞬間の…冷たい後悔と鋭い苦しみ…相反した熱い期待と暗い悦びが全身に広がっていく。瞳の端から涙が伝い落ちて静かに瞳を閉じれば内臓をぶちまけそうなほどの重い圧迫感に襲われた。

「ッ〜〜〜〜〜!!!!!」

 けくっ…と仰け反る喉から音にならない叫びが木霊する。裂かれるような痛みが心と躯を蝕んでいく…ぎりっと音を立てる腕に意識をぎりぎりで繋ぎ止められた。
 反り返った喉に柔らかな感触を沿わされる。宥めるように這い上がる舌が喉の奥で詰めた息を吐き出させた。…ちゅ…ちゅ…と愛らしい音がすぐ近くで聞こえる…ぼんやりと宙を彷徨っていた瞳がゆるりと動く。淡い金髪を見出した瞬間目尻から水が流れ落ちた。
そろりと頬を撫でる指が雫を掬い取り口元へと運んでいく。その紅い唇が緩やかに開いて吐息に混じった言葉をぽつりと溢した。

「…うごきますよ…」
「っ〜〜〜…ッひあぁぁ!」

 ぐっとさらに押し込まれて喉を詰まらせるとすぐにずるりと抜けていってしまう。ごりごりと内壁を擦る楔に目の前が明滅するほどの悦楽が破裂を繰り返された。入り口付近まで抜き出されて、ふと動きが止まる。全身を逆撫でするような衝撃に喉が震えてまともに息を吸えなかった。けれど波が治まるよりも先にぐっと息が詰まるほど奥まで押し込まれる。

「っは…きつ…」
「あっ…っぐ、ぅ…」

 逃げ打つ躯を上体を密着することで押さえつけられ、閉じようとしてしまう足を抱えられるとさらに大きく開いて圧し掛かられた。自然と奥まで侵入する楔に呻き声を上げる。…苦しい…と思うのにそれすらも心地良く、繋がった場所から感じる相手の体温が解けてしまいそうなほどに熱くて気持ちいい。
 揺さぶられるままに口を割って吐き出される声を遠くに聞いて全身を甘く溶かす悦楽に溺れていった。

「あっ、ぁんっ、ふっぅ、あッ!」
「きもち…いいんですか…?そんな…啼き声もらして…」
「んっ…い、いぃ…ッ!」

 震える躯と縺れる舌で素直に叫び上げれば小さく笑う声を聞いた気がした。

「きも、ちっ…イ、ぃッ…い、いぃっ!」
「素直な…貴方も…いいですね…」
「あっ、ぁうっ、っん、んっ、っひぅ!」

 うわ言のように『イイ』と繰り返していると伸びてきた手に前髪を掻き上げられる。晒された額にくすぐったい口付けを落とされるとナカを押し上げる質量がぐっと増した。

「う、くっ…またっ…デカ、くぅ…ッ!」
「貴方のせいですよ…」
「くあぁッ!!」

 増した圧迫に身を捩るとバーナビーが突き上げてきた。一瞬にして真っ白に染め上げられる新たに流れた涙も気にとめられないほどに押し寄せる熱が思考を奪う。

「うぁっ!んっくぁああぁっ!」

 さきほどまでの緩やかな追い上げは一転して力のままに打ち付けて来る。一度…二度…と肉を叩く音が鳴る度に過ぎた悦楽が躯を蝕んでいた。縋りつきたいと嘆く腕は背の下に封じられ、揺さぶられるままにベルトが擦れる。

「っな…び、っいぃ…!」
「…なん、ですか…?」
「く、るっ…し…くる、しっいぃ!」
「…あ、ぁ…戒めた…ままでした、ね…」

 暴れる腰を押さえつけるとそれでもなお逃げようと捩る躯に原因の一種であろう箇所を見下ろして呟く。血管の浮き出た雄は今にもはちきれそうなほど肥大して蜜を滴らせていた。突き上げる度にひくりと震え、開放の時を求めている。

「ひっいぁあ!」
「イきたいですか?」
「あ、うっ、んんっ…!」

 かたかたと小さく震え溢れ続ける涙もそのままに…必死に頷き返す虎徹の貌を間近で見つめていたバーナビーは淡く笑みを浮かべる。いつだって自由奔放でちっとも思い通りに動いてくれない男が促されるままに答えた…その優越感と充足感に胸の奥が熱くなる。
 するりと頬を撫でた指先で濡れた唇をなぞる…光を纏い赤く熟れた唇を見下ろし、隙間から見える舌に喉を鳴らした。

「…だったら…『オネダリ』して魅せてください」
「っ…ぁ…ぁ…」
「簡単でしょう?僕に『イかせてください』って言えばいいだけですから」

 ぽろぽろと涙を溢れさせる瞳を覗き込みながら言葉を重ねれば、まだ僅かに残っているのだろう…羞恥に瞳が揺れ動く。貌を反らさないように顎を掴み上げて瞳を細めるとふるりと躯を震わせた。

「ぅ…ン…く…っ…」
「…どうしますか?」

 催促するように腰を揺すれば大げさなほどに跳ねて菊華が引き締まる。けれどそれも一瞬ですぐにゆるりと解け揉み上げるように絡んできた。それとともに解けるように開かれた唇が儚い声を紡ぎ出す。

「イか…せ……」
「聞こえませんね?」
「んぅッ!!…っふ…」
「ちゃんと…言ってください?」
「っ…っ…ぃ…イかせて、くれ…」

 ぞくりと背筋を駆け上がる悦楽にバーナビーは一つ呼気を溢して赤く染まる目尻に唇を押し付けた。

「…かわいいですよ…虎徹…」
「ッ…あぁッ!!」

 耳元に寄せられた唇が紡いだ己の名に胸の奥がきゅっと締め付けられ、同時に大きく揺す振られた。ぴんと伸びた足の先が天井を向くと上から圧し掛かるようにして腰をスライドさせられる。何もかもが分からなくなるほどの衝撃に成す術もなく飲まれていく。ただ縋れるものは躯を内側から蹂躙してくるバーナビーの熱だけだった。

「…っ…うねりだし…ました、ね…」
「あっあぅっん、くっ、あぁッ!」

 乗り上げたベッドがぎしぎしと悲鳴を上げるほどの突き上げに叫んでいるかも分からなくなっていく。するりと欲望に絡んできた指に何も吐き出せないままイかされてしまうが、バーナビーの腰の動きは止まらなかった。

「ひっ、うっ!ッあぁ!あぅっ!あぁうぅッ!!」
「いぃ声…それに…きもちいいですよ?虎徹?」
「やぁ!や、めっ!やめ、ろ!」
「どうして、です?…呼ぶ、と…ナカが…絞め、付けてき、て…気持ち、いいです、よ?」
「あぁ!やぁっ!あぁああぁぁぁ!!」

 啼き狂う虎徹にバーナビーの心の中が暗い悦びで満たされていく。ぞくっぞくっと震える腰の奥が己の限界も知らせていた。

「っさぁ…おもいき、り…はててっ…くださいっ…!」
「ぅあっ、ぅあぁぁっぁあぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 …ずん…と鈍く…重く、深く突き上げられて背が大きく仰け反る。そのタイミングにあわせて欲望の戒めがが解かれた。背筋をぞわぞわと這い上がる絶頂の波が四肢に行き渡りガクガクと痙攣を繰り返す。ぶるりと大きく震え上がると当に限界へ達していた楔が爆ぜて白濁を撒き散らした。その瞬間に躯の奥に灼熱の塊を打ち付けられる。

「っは…ぁ…ぅ…」

 舌の根が痺れるような感覚に自然と唇から舌が差し出される。一向に整わない呼気を荒々しく吐き出しているとバーナビーのソレが重ねられた。

「ん…っふ…ぅ…」

 離し難そうに離れていく唇を見送ると、いまだ余韻に手足が痺れている。ぐたりと躯を投げ出し横たわっていると、目尻を伝う涙を唇で拭われていった。その優しい触れ合いにも大きく肩を揺らしてしまい、奥に燻る熱を再び育てられていく。

「次に…同じことをしたら…」
「…ぁ…ぅ…」
「お似合いの首輪を付けて鎖で繋いであげますよ…」

 …ちゅ…という愛らしい音に反して首元に落とされたのは痛みを伴うほどのキスマークだった。きっと深く…濃く色付いたのだろう…見下ろすバーナビーの表情が酷く満足気だった。

「…虎徹…」

 * * * * *



「…って妄想が止まらないんですよ、おじさん。」
「ですよ、じゃねぇよバニー。頭湧いてんじゃねぇの?」

 オフィスに着くなり「聞いてください」と珍しく深刻な表情で椅子を近づけてくるから何事か…と聞き始めたのが数十分前。
 はっきり言って聞かなければよかった…というのが今の心境だ。全身に鳥肌を立てながら虎徹は半目になり青筋を入れつつ一先ず突っ込みを入れる。何か悪いものでも食べたのだろう…相方である青年は至極真剣な顔つきのままだった。

「おかげさまで僕のにんじんがバキバキのまま治らないんです」
「知らねぇっつの。」

 いや…真剣だったのは顔だけだった…
 さらりと流れるようにとんでもない事を吐いてのけるあたり…やはり正気ではないように思う。

「おじさんのせいです、責任とってください」
「それこそ知らねぇっつか、寄るな、触るな、ボタンを外すな。」
「大丈夫ですよ、縛ったりしませんから」
「そこは問題じゃない。大体俺がんな事するわけねぇだろに。」

 おもむろに立ち上がったバーナビーが一瞬の差で逃げ遅れた虎徹を椅子ごとデスクに貼り付けにしてしまう。しかもそれだけでは飽き足らず、長く細い指で器用にネクタイを外し、あろう事かシャツのボタンまで外しにきていた。

「えぇ、分かってますよ。実直馬鹿な古き良き時代のヒーローですから」
「それ褒めてる?貶してる?」
「少し我慢して頂けば結構です」
「少しどころじゃないだろが。」
「あとはうんと気持ちよくなりますから」
「人の話聞いてる?」

 するり…と潜り込んで来た手を何とか取り出そうと両手で捕まえ引っ張ってみるもびくともしない。まさか能力を使っているのかと思ったが、特有の青いオーラは皆無。代わりに手の甲へ血管が浮き出ているあたり、素の力らしい。

「イってイってイきまくってナニも出なくなるほど感じさせてあげますからね」
「ちょっと?ちょっとバニーちゃん、目据わってるんですけど?」
「さぁ、天国へ連れて行って差し上げましょう」
「いや、まだ天国になんか行きたくな…」

 虎徹の悲壮な声はずいっと顔を寄せてきたバーナビーの口の中へと封じ込められてしまったのだった。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

某コミュニティサイトに投稿した初タイバニ。
心の伴わないアレコレは正直言うと苦手ではありますが…
この二人だとどうしても事後承諾ルートにしか浮かばないっていう…
モブキャラとか初めて書いた気がしますwww
こんな小悪魔的虎さんも好みですが…
本命は争奪戦の商品なのに本人にその自覚がないトボケたおじさんです☆←
おじさんにいいように振り回されるヒーローLOVEッ!(爆)


←BACK


T&B Menu

TOP

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!