<君がほしい・後>


 温かい唇をついばみながら躰を引き寄せると緊張からか、微かに震えているのに気付いた。いとおしい躰を更に抱き込めばぴくりと跳ねて腕の力を強めてくる。
 胸に押し当てられる柔らかな感触に暴走しそうになった。誤魔化すように僅かに開いた唇から舌を差し入れ震える舌を撫で上げる。

「ん…っふ…」

 俺に翻弄されまいと懸命に縋るルルーシュに笑みを漏らし、ベビードールの裾を引き寄せた。薄い布越しに感じる肌の感触は滑らかで、ずっと撫で回したい衝動に駆られるが、もっと先のことまでしたい。出来るなら最後まで。そんな欲望に囚われて白い太ももからじわじわと這い上がっていく。
 怖がらせないようにじっくり…

「っあ!」

 両手がたぷんという感触に行き当たった。それに指を絡めればルルーシュの躰がびくっと跳ねる。

「マシュマロみたいだね、ルルーシュのおっぱい」
「へ、変なこと言うな!馬鹿!」

 いやいやするように頭を振り、身悶える躰をベッドに沈めて覆いかぶさる。顔を近付ければ紅潮した頬と潤んだ瞳が可愛い。口付けに浮かされた表情で睨んでも逆効果になってるなんて分かってないんだろうな…

「んっ…はぅ…」

 薄紫の布の間から顔を覗かせるルルーシュの胸は雪のように白く、頂では色付いた果実がぷくりと立っている。それを食み舌で転がしては吸い上げると刺激が強いのか、逃げるように躰をくねらせ始めた。
逃がさないよ、ルルーシュ。

「ひゃうッ…んぅッや…あぁッ」

 胸の刺激に気を反らせて片方の手を撫で下ろしていく。ふくらはぎまで下りて裏側を撫で上げると躰が震えてきているのが分かった。足の付け根にたどり着くと指に紐が絡まる。綺麗に蝶々結びされた紐をさり気なく引くとハラリと落ちた。

「あ…すざ…く…」
「…大丈夫…任せて」

 不安に揺れる瞳に微笑み掛け、するり…と指を潜らせるととろりとした蜜に触れる。ぴくんっと震えるルルーシュの頬にキスをして、ぴたりと閉じた秘華をなぞった。
 誰も知らない…きっとルルーシュですら知らない場所…
 背筋がゾクッとあわ立つ。理性で繋ぎ止めないと今にもめちゃくちゃに犯してしまいそうだ。

「くっ…ん!」

 つぷ…と指を潜らせると躰をびくっと縮ませた。少し痛いのかもしれない。目尻に涙が浮かんでる。安心させる為に頬や額、鼻先、瞼…と軽く触れるだけのキスを繰り返す。
 …キツイな…処女だから、とか考えると頭が沸騰しそうだ。
 秘華への意識を反らすべく内太ももにも唇を這わせ、吸い付いては舌でなぞる。
 意図した通りしなやかな肢体がくねりだした。次いで、潜らせている指を伝って蜜が溢れてくる。

「んっ…ッく…」

 ぬぷぬぷと小さく出し入れするだけでもきゅうきゅう絡み付く襞がとても熱い。少しずつ、少しずつ慣れる頃合いを見計らって深くまで探り入れ、指の本数を増やしていく。決して無理をさせてはいけない。だってルルーシュは自分の弱い部分を見せるのが嫌いだから辛くても耐えようとしてしまう。

「…ッあ…んぁ…う…」

 中を暴かれる感覚が思考を焼いているのか、うっすらと開く瞳はひどく虚ろだ。
 上気した頬や躰がうっすら紅に染まり艶めかしく俺を誘う。3本にまで増やした指は柔らかい襞に包まれ、さっきまで締め上げていた内壁が今では奥へ誘うように蠢いている。秘華から溢れる蜜も足の付け根を伝い嬌声も甘く熱い響きに変わるけど、僅かに残った理性が戸惑いと羞恥を訴えていた。

「ルルーシュ…気持ちいい?」
「っや…わか…ん…ないッ…」
「じゃあ、おかしくなりそう?」
「んっ…ヘンに…なるぅ…」

 呂律も怪しくなり始めてるし、そろそろかな。
 抜き差しだけの単純な動作から指をバラバラに動かして内で暴れ回す。嬌声とも悲鳴ともつかない声を上げてルルーシュは躰を仰け反らせた。

―…多分…この辺り…
「ぁ…ひあぁあ?!」
―当たり。
「ぃ…ぃや!…すざッ…そこっ…だめぇ!」

 大きく跳ねる腰、頭を打ち震い、両膝を立て強い刺激をどうにか反らそうとしている。足を閉じさせるわけにはいかないから、片足を抱えて体を割り込ませた。するとびくびくと痙攣を起こし始める足が体に絡み付く。その動作にびっくりして顔を見上げると固く瞳を閉じ、両手は指先が白くなるほどにシーツを握りしめていた。

―あぁ…無意識か…

 当のルルーシュは絶え間なく嬌声を上げ、躰を駆け巡る快感と戦っている。ホントに可愛い事をするんだから…つい、いつもこうなら、って思っちゃうけど恥ずかしがりのルルーシュも可愛いからこのままでいいか。

「ぃやッ…何かックる…やぁッ!スザク!…スザクぅ!」
「大丈夫だよ…そのまま委ねて」

 もう限界だろう。躰の変化に追い付けず怖がり涙を溢れさせる。そんなルルーシュの髪をそっと梳き、シーツに縋る手を俺の背に回させた。

「怖かったらしがみ付いていいよ。俺はここにいるからね」
「…スザっ…クっ」
「大丈夫だから、イってごらん?」
「ひぁッ…あぁあぁぁぁ!」

 痙攣を繰り返す内壁を押し上げ、ぷくりと芽を覗かせるクリトリスを引っ掻くと透明な汁が吹き出した。俺の背に爪を立てルルーシュが大きく仰け反る。しばらくそのままで硬直し、ふっと糸の切れた人形のようにしがみ付いていた腕が滑り落ちた。指を引き抜くと余韻を持て余しているのか、躰が時折小さく跳ねる。
 あ、残念。ルルーシュがイく時の表情が見れなかったや。

「ルルーシュ…大丈夫?」

 くたりと瞳を閉じたまま動かない。顔を近付け頬に口付けるとうっすら瞳が開いた。熱に浮かされ潤んだアメジストの瞳が俺の顔を捕らえる。すると腕が首に回され、キスをねだられた。軽く触れ合わせると顔を引き寄せられる。

「ん…もっと…」
「…キス…好きなの?」

 好きなように、されるがままにしていると何度も重ね合わせてくる。正直言うとまさかルルーシュから求めてくるとは思わなくてびっくりした。

「ぅん…すき…ん…」

 キスの合間に尋ねると呂律の怪しい声が素直に答えてくれる。嬉しくてついばむように触れるキスをぐっと深めて貪るように舌を絡めた。ちゅくっと音をさせてしばらく味わった後、ようやく解放してあげる。

「このキスは?」
「ぁ…す…き」
「そう、良かった。じゃあ、僕のことは?」
「…」

 潤んだアメジストが途端に見開れ知性を帯びた輝きが宿る。あ、正気に戻っちゃったか。

「そこで黙っちゃわないでよ」
「…いきなりヘンなこと聞くからだろ」
「ヘンなことじゃないよ。僕がすっごく聞きたいこと。」
「だから…ッ!」

 戯れながら会話をしている間に俺は張り詰めた自身を秘華に押し当てた。ぴくりと躰を震わせ戸惑いがちに見上げてくる。朱が差す頬を指で撫でて微笑みかけた。触れ合う秘華がまるで物欲しそうにひくひくと蠢いて俺を誘った。

「ルルーシュ…ちょっとだけ…我慢ね?」
「〜〜〜ッ」
「俺の背中にしがみ付いて」

 遠慮がちに背中へ回される腕を確認して俺は慎重に腰を進めた。ルルーシュが耐えるようにぎゅっと瞳を閉じる。
 そう、ルルーシュが怖がるから焦っちゃダメだ。
 理性を必死にかき集めて殊更ゆっくりと動く。先端が秘華に潜り始めると背中で指がぐっと握りしめられた。

「…ッう…く…」
「ルルーシュ…息、止めないで」
「…んふ…は…」
「そう…その調子…」
「ッひ!」

 ぐっと押して先端を秘華の中へ埋め込んだ。あまり長くなると余計にルルーシュが辛いだろうと思ったからだ。指とは比べものにならない質量が埋められ、苦しさからか呼吸が浅い。指に力が籠もりじっと耐えている。ルルーシュなら罵声の一つでも飛ばしてくるかと構えてたけど、どうやらそれどころじゃないらしい。
 当たり前か。初めてだもんね?

「…大丈夫?ルルーシュ」
「ん…ぅう…」

 ルルーシュの両脇に腕をついて顔を覗き込む。目尻には涙が溜まり、瞳は固く閉ざされている。けれど、決して苦しみとか痛みばかりではないらしく、ちょうど快感との狭間で揺れ動いているみたいだ。
 とはいえ、俺もちょっと辛いかも…忍耐力はある方だと思うけど…正直このお預けはキツイ。さっきから呼吸の度にきゅん、と締め付けられる。ほら、また…

「っく…ふ…」

 思わず乱れた吐息が漏れる。名器過ぎるのか、相手がルルーシュだからか…今にもイかされそうだ。

「すざく…」
「ッ…ぅん?どうした…の?」

 必死に耐えているとルルーシュから声が聞こえてくる。なんとか微笑みを浮かべてみたものの、ちゃんと笑えてるかは怪しい。

「…がまん…する…な」
「え?」
「めちゃくちゃにして…ッぃい…からっ…」

 そんな言葉…言わないでよ…ホントにめちゃくちゃにしてしまいそうになるじゃない。でも無理…君の辛そうな顔見たら出来なくなる。

「めちゃくちゃになんて出来ないよ…君はすぐ無理するんだから…」
「すざくだって…辛そうな顔してる…」

 今にも泣きそうな表情で手を伸ばされた。震える指で頬を撫でていく。俺…そんなに辛そうな顔してた?

「すざ…ッおし…えろ」
「え?」
「どうしたらッ…きもちぃい?」

 あぁ…そんな殺し文句を…しかも意図せずってのが質悪いよね…
 でも…ルルーシュが協力してくれるならこの状況はマシになるかも…いや、マシにしてみせる。

「…すざく…」
「じゃあ、ルルーシュ。ゆっくり呼吸して…そうしたら…躰の余分な力、抜けるから…」
「…ん…」

 素直で一生懸命なルルーシュが震える喉でなんとかゆっくり出来るようにと頑張っている。他へ刺激を与えて紛らわせてもいいけど、一方的に詰め込まれる快感は時に酷く苦しめてしまう。まして初めてのルルーシュ相手だ。それなりに慣れれば考えて、と言ったところ。
 現に今ルルーシュの内壁がゆるゆると解れ出している。

「そう…いいよ…ルルーシュ」
「はぁ…っふ…」
「そのまま…繰り返して…」
「ふあッ…は…ッんん…」
「もう…少し…」

 繰り返される呼吸で内壁が弛む一瞬を狙って奥へと突き進める。ず…と押し上げる度にルルーシュの背が弓なりにしなり乳房が大きく波打つ。あと少し…

「ぅくッ…ん」
「これで…」
「あっ…あ…」
「全部…入ったよ」

 大きく息を吐き出してルルーシュの上に覆い被さった。二人の間でぬるりとした感触があって、きっと血が溢れてきたかな?と頭のどこかで冷静に考えてしまう。

「あ…あつぃ…」
「ぅん…ルルーシュの中も熱いよ…」
「…きもちぃい?…」
「ぅん…すごく…溶けちゃいそうだ…」

 心配そうに見上げてくる瞳がふわりと笑った。どうやらルルーシュが抱えていた不安は、自分の中は気持ちいいのかどうか、という無駄な心配だったらしい。一度重なり合って気持ち良くなかったらそれまでなんて考えたんだろう。
 ホント…君の中って考えるだけで果てそうなのに…

「動くよ?」
「…ん…」

 軽く唇を触れ合わせて白い両腿を抱え、ゆるゆると腰を揺らし始める。中が少し擦れるだけできゅう、と内壁が絡んできた。

「んッ…ふ…ぁう…く」
「ルルーシュ…声、聞かせて」

 ぺろりと唇を嘗め上げるとくすぐったさからか吐息と共に解けた。それを見計らって腰を大きく打ち付ける。

「ッひぁっん!」
「ッん…」

 高く甘く弾けた声ときゅっときつく締まる内壁に思考が焼かれる。呼吸に合わせてゆるゆると小さく突き上げ、不意討ちで強く打ち付けると快感を持て余したルルーシュの躰が無意識に逃げをうつ。
 腰を掴み快感にひくつき始めた内壁をぐるりとかき回すと、太ももがじりっと押し当てられる。弾む乳房に噛み付いて先端を舌で転がせば頭を抱え込まれた。

「ルルーシュ…ごめ…もう限界…」
「すざッくぅ…!」

 快感に流され朦朧としながらも必死に名前を呼び縋ってくる躰を抱き上げ、対面座位に持ち込むとルルーシュが首にしがみ付いてきた。重力に従ってより深くなる結合は圧迫が強いらしく腰を浮かせようとしている。その細腰を引き寄せ本能のままに穿つ。

「あぅッ…ひぅッ…ぅんッ」
「は…ぁ…」

 上下に揺さ振られる乳房、ヒラヒラと舞い上がるベビードールの裾、吹き出した汗が艶めく光る。快感に歪む表情は自分が作り上げたものなんだと思うと自然と笑みが零れた。ベッドのスプリングの音に混じって肉体がぶつかる音と粘着質な音が聞こえる。穿つ速さを上げれば引き締まる内壁と痙攣を起こす内腿がルルーシュの限界を教えてくれた。

「っん…イく…ッ…」
「ぅあッ…あぁあぁぁぁん!」

 最奥を強く打ち付け自分の欲望を吐き出した。びくりと痙攣を繰り返す躯を抱きしめしばらく余韻に浸る。落ち着いてきたところでずるりと己を抜き取ればルルーシュの躯が震えた。

「…すざくぅ…」
「ルルーシュ…」



「ねぇルルーシュ。女子制服は着ないの?」
「着る必要はないだろう?俺は『男』なんだから」
「でもさぁ…彼女の可愛い姿を見たいってのは男の願望だと思うんだよね」
「ッ!耳元で囁くな!」
「ねぇ、着ようよ、ルルーシュ。」
「い・や・だ」
「んー…まぁいいけどね…男子制服もそそられるから」
「なッ!何言って!?」
「ん?だから、ルルーシュならどんな服装でも可愛いってこと」
「だ…黙れー!!!」



 今日も彼女は黒の男子制服に身を包む。
 けど…気付いていないのだろう…
 ヤってしまった以上彼女のフェロモンが今まで以上強力になってしまっていることに。
 でも…まぁ、心配ないよね?
 なんたって『彼氏』の俺がいつも傍にいるんだし。
 うん。大丈夫。手加減しなければいいのだから…ね?


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