ふと瞳を開くと寝起きだからか、視界がぼやけている。とりあえず、遠くに緑色をした塊とこげ茶色の棒が見えるので森の中にいるらしい。けれど体がふわふわするし肌は涼しいのに躯の芯が熱を燻ったままだ。吐く息が自然と熱のこもったものになっていて頬も火照ったように熱い。風邪を引いた時のようだ…と思いつつも呼吸を繰り返していると、突然背筋をびりっと電流が走ったような感覚に襲われた。
「っふあっ!?」
「お?起きた?」
「なっ!?あぁッ??!」
躯を跳ねあげると無意識の内にしがみついた体の存在を理解した。腕に包むには長さの足りていない体はよく知る男のものだ。
「にぃっ…るぅ!」
「こら、暴れないの。」
ぞくぞくと躯に襲いかかる感覚から逃げたいのに、背中に回された逞しい腕に動きをすべて封じ込まれてしまいされるがままだ。時折息の詰まるような感じとうねる腰、自然と荒くなる呼気に何をされているのか理解する。
「なっなにっ、やっ、てぇ!?」
「んー?なにって…ちゃんと出さないと腹、痛くなるだろ?」
「ゃっやっ、じぶっ、じぶんっでぇっ!」
「自分でするって?もうちょっとだからこのまま我慢しろよ。」
「あっぁあんっ!」
腰に回っていた腕は巻き付けているわけではなく、手を桃尻の隙間へと差し込んでいる。両方の手が股上に添えられ、まだ熱を持って疼く花弁と菊華の中に長い指を差し込んでいた。腰を逃がそうにも前には腹筋の割れた腹があり、後ろに逃げようにも尻を突きだすようになるので逆効果だ。むしろ胎内で動く指の動きに自然と腰を突きだしてしまう格好が酷く恥ずかしい。ちらりと周りを見てみれば、森の中にある泉のような場所の中に浸っているようだ。腰から下を水に覆われて羞恥の度合いが軽く済んでいる。
「あっあぁ、ぅ〜…」
事後の後処理をしてくれていることは分かったが…胎内に埋め込まれた指が前と後ろでぐりぐりと内壁を掻き回し欲情させようとしているように感じてしまう。それでなくとも嬲られた後の躯は酷く敏感なのだ。その肌を水の流れに撫でられるだけでもぞくぞくとしてしまう。
「そんなにやらしい声出しなさんなって。」
「だっ…てぇ…っ…」
「底なしの欲望に火ぃ点いちまうだろ?」
「っはぁ…うぅ…」
そんなつもりはないのだと示すように首筋へ額をぐりぐりと擦りつける。くすくすと笑う声に頬がもっと熱くなるが、胎内に燻る熱の方が気になり構っていられない。肩に腕を回して縋りつくともっと体を密着するように引き寄せられる。それとともにナカを犯す指がもっと深く入り込み、一緒に入ってくる水が気持ち悪い。
「んんぅ…〜ッ…」
「気持ち悪い?」
「んっ…んんっ…」
聞かれた事にこくこくと頷くと宥めようとしてくれているのか、頬を擦り寄せられる。
「ちょっと我慢な?水が入んないと…ナカの汁を掻き出しにくいからさ。」
「っふ…んぅ…」
宥める彼の言う通り、胎内に吐き出された生ぬるい二人の欲望が冷たい水に溶けて流れ出ていくのを感じる。けれどやはり気持ちのいいものではないし、何より内壁を犯す指の動きが事後処理の為とは言え、感じてしまうのを止められなかった。
「ぅん…っあ…」
「…はは…わり。刹那の声で勃っちまった。」
びくびくと震えながら耐えていると、僅かに開かされていた足の間にひたりとぶつかる物にびくりと驚いてしまった。魚か何かかと思ってどきどきしていたら、ニールのバツが悪そうな声が聞こえてくる。その声にソレが何なのか分かってしまった。尚も動き続ける指に操られるよう、甘い嬌声を漏らしていると内腿に当たっていた楔が徐々に上りつめていく。ゆるりゆるり…と水に揺られながら恥丘まで登り詰めた楔に自然と躯がふるりと戦慄いた。
「…刹那…」
「んっ…ぅ?」
「イれていい?」
「ッ!!」
直球な申し出に背中が仰け反ってしまう。更に胎内を掻き回し続けていた指も単調な動きから劣情を煽るような動きへと変わっていった。
「っで…もっ…」
「ん。ヤり続けで疲れてるよな?」
「…ん…ぅ…」
「だから…前じゃなくて後ろに入れたい。」
「ッ…ぁ…ぅ…」
言葉の本気度合いを示すように菊華を犯す指の圧迫が増した。指の本数を増やされたらしい、開かれる菊門の感じがあって酷く恥ずかしい。困ったような面持ちでそっと見上げると、飢えた貌をした獣がいる。
「ココも俺のモノって…マーキングさせて?」
「ぁ…ん…」
ずるりと蜜壺から抜けていった指が強請るように菊門の周りをすりすりと撫でてくる。集中的に攻められる感覚に躯の芯が疼いてきた。
「…ね…刹那…」
ダメだしのように掠れた甘い声が耳を犯す。ふるっと小さく震えるとさらに耳をねっとりと舐められてしまった。
「にっ…るぅ…」
「…ぅん…?」
「ゃ…やさっ…しくぅ…」
「あぁ…うんと気持ちよく溶かしてやるよ。」
「ぁっ…ぁ…」
誓いを現すように菊華に埋められた指がゆるりと奥へ埋められ、そろりと抜きだされる。ゆっくりと擦れれば擦れるほどに内壁を摩擦する感覚が強く感じられ、うっとりとため息を吐き出した。
合意したのだが、傷つけないと言うようにすぐには突きたててこなかった。指を動かしゆるゆると快楽を煽られて菊華が解れていくのをじっくりと待たれる。煽られているのは刹那の方なのに、早くナカに埋め込んでほしいと強請ってしまいそうになっていった。
「っふ…うぅんっ…っん…く、ぁ…」
「…いたく…ない?」
「あっ…ぅ、んっ…」
「…きもちい?」
「ぅんっ…ん、ぅんんっ…!」
先ほどから的確に感じる部分ばかりを攻め立て、羞恥を重ねるように指を咥えて広がった口をすりすりと撫でられる。優しく耳元で囁く声にこくこくと頷くと嬉しそうに微笑みを浮かべる口元がぼんやりと見えた。
「にぃっ…るっ…」
「ん?」
「…き、す…」
「え?」
「く、ち…っさみ…しぃっ…」
しがみつくだけで精一杯の躯をどうにか支えて首を伸ばすと辛うじて届く口の端を舐める。すると何を言わんとしているのかすぐに分かってくれたニールは小さく笑いを零した。
「ちゅうしてほしい?」
「んっ…ほし、ぃ…」
「いいよ…ちょっとだけ浮かすからな?」
「んっ…あぁ!」
唇同士が触れるようにと躯ごと持ち上げる為に、両手で浮かせると刹那の背が反りかえった。びくびくと跳ねる躯と共に指を咥えた菊華がきゅっきゅっと締めつけてくる。更に無意識なのか、足が体に巻きついてきた。
「あ…ぁ…」
「ほら…刹那…」
「はっ…ぅ…」
「ちゅって…していいよ?」
「んんっ…っふ…」
自然と深く突き上げられる形になった指に躯を身悶えさせていると優しい声が鼓膜を震えさせる。ふわりと瞳を開くとすぐ前に柔らかくほほ笑むニールの貌が見えた。整わない呼吸をそのままに緩やかな弧を描く唇へと指を伸ばす。
「っあ…ぁ…」
柔らかな唇に触れ、形をなぞるとその指を舐められる。逃げかけた指は遠のく前に口の中へと招き入れられてぬるぬると舌を絡められてしまった。肌を這う温かな舌の感触にうっとりとしていると、伏せがちだった瞳がふと見上げてくる。かちりと視線が合った瞬間ぞくりと背が震えた。
「…ぁ…ん…」
咥えられた指を自分でも舐めるように口づけると嬲っていた舌がちろりと隙間から這いだし、唇を擽られる。微かに触れ合う唇の間の指を舌で嬲りながら、誘うように唇を舐められてそろりと自らの舌を伸ばす。指の隙間から差し出された舌に触れに行くと指ごと吸い上げられてしまった。
「んっ…んんっ…」
「…っふ…」
ぴちゃりと揺れた音の中に二人の荒い息使いが混ざり合う。合わされた視線を反らす事も出来ず、じっと熱い視線に見つめられて頭がくらくらとしてきた。不意を突くように、菊華の中の指が開かれ内に流れ込む冷たい水に声もなく仰け反る。すると唇も咥えられた指も離れてしまったが、追いかけるようにニールの唇が頬から耳へと滑って来た。そのままねっとりと耳を嬲られる。
「はっ…ぁあっ…あ…!」
縋りつくように首に腕を回して耳の中まで嬲りに来た舌に震え続ける。自然と仰け反り逃げてしまう貌を追いかけるように上体を倒してくるニールへどうにかしがみついた。まるで水の上に寝かされているような状態になるとようやく耳を嬲っていた唇が遠のく。
「っふ…んっ…ぅ…」
「…刹那…」
甘く呼びかける声で次に何をされるのか分かってしまう。菊華からゆるりと抜かれる指がその予想を肯定していた。咥えるモノを失くした菊華がひくりと戦慄き…そこへすぐに押し当てられた楔の熱さに躯が震えてしまった。
「…ひくひくしてんな?」
「あ…ぅぅ…」
「恥ずかしい?」
「…んっ…」
「…可愛い…」
「ッ〜〜〜!」
貌を隠したいのに、腕はニールの首へしがみつくので精一杯だった。その結果間近に顔同士固定する事になり、表情を逐一観察されてしまう。更に募る羞恥に耐えていると一番恥ずかしい一言を呟かれてしまった。きゅっと瞳を閉じると目尻に口づけを落とされる。
「ッひあぁ!!」
「…っは…」
ぐぷんっ…と入り込んできた楔の熱さと大きさに喉が仰け反る。ばしゃんっと音を立ててすぐ横で跳ねた水滴の粒がきらきらと光って見えた。後頭部が水に浸かる感覚と楔が奥まで貫く感覚が重なり声も出せずに身悶える。
「っんな、に…しめたら…すぐ…イっちまうぜ?」
「〜〜〜〜〜っ…ぁ…ぁあ…ぁ…」
背が仰け反ったままかたかたと震える躯をしっかりと支えながらニールの声をぼんやりと聞いていた。言われている言葉は理解できるのだが、躯が言うことを聞かない。もっとと貧欲を雄を求め、啼き狂う。
「あッ!ぃやぁ!うご、く、なぁ!」
「っむちゃ…言い、なさんなっ…」
「っあ!ぁう!」
「こんなにっ…絡み、ついてくる、のにっ…」
「ひぁあッ!」
「じっと…するっとか…む、り!」
痙攣を繰り返す躯に深く浅く楔が撃ち込まれては内壁を擦られて引き抜かれる。ぐりぐりと擦れる度に鳥肌が立つほどの悦楽が襲い、意味ある言葉の一つも紡げなかった。
「あっあぁあッ!あっ!あぁぁ!」
「んっく…デ、るっ…!」
「っぅあぁぁぁ!!」
耳元で切羽詰った声を聞いた瞬間、突如として胎内が焼け付くような熱に襲われる。
「あっ…あっ…あっ…!」
急激に上り詰めた為に頭の中がくらくらと揺れる。未だ強張ったままの躯をニールが優しく抱きしめてくれた。きゅっと首にしがみつけば同じようにぎゅっと抱きしめてくれる。その腕の温かさと、じん…と広がる胎内の熱に慣れてきてふと力が抜け落ちた。
「っは…っふ…」
「…せつな…」
必死に酸素を取り込もうとしていると頬を柔らかく撫でられた。ゆるりと瞳を開くといつ緩めたのか首に回していたはずの片手の指先に口付けている彼の顔が見える。しばしぼんやりと眺めていると背に当たる草の感触に気づいた。
「大丈夫か?」
「……ん…」
運ばれたことにすら気づかないほど感じ入ってしまっていたようだ…泉の渕に下ろされた事をようやく理解できた。随分ぼんやりとしてしまったいたのか、ニールがじっと見下ろしてきている。
「…そっか。よかった。」
「ん…ぅ?」
ふっと微笑む彼の貌にふと違和感を感じ取った。それとともに躯の芯に未だ燻ぶったままの熱が一向に引かない。むしろ更に熱くすらなり始めている。吐く息すら熱を帯びてきた事に気づき、はっと躯を強張らせるとぞくっと背筋を悪寒にも似た波が駆け上がった。
「んっ…!」
「お?ヤる気満々だな?」
「っな?!まだヤるつもりか!」
「うん。大丈夫っつっただろ?刹那。」
「………え?」
「さっき聞いたら頷いてくれたじゃん。」
「〜〜〜ッ!!!」
朦朧としかけた意識の中で確かに頷いたことを思い出してしまった。あれは躯を気遣ってではなく、続きの了承を聞いていたらしい。しかしいまさら気づいても後の祭り…ゆるゆると動く剛直なままの雄にじくじくと躯が炙られる。
「っん!…ぁん!」
「っはぁ…刹那は…どこもかしこも…気持ちいいな…」
「あっ…ぁ…!」
「刹那も…気持ちいいだろ?」
「んっ…うっ…!」
掠れた声を耳に吹き込まれ囁かれた言葉にふるふるっと首を振るが、くすりと笑う声が返ってきた。
「嘘ばっか…イっただろ?さっき。」
「なっ…あぁ…!」
「ほら…水の中じゃ分からなかったけど…ぐちょぐちょ。」
「ひっあぁぁん!」
浅瀬に寝かされた状態の躯は所々水から上げられてしまっている。草の上に寝かされた上体は元より、腰も前半分は水上だ。ひやりとした空気の中に出された肉芽も何も咥えさせてもらえずにひくつく花弁も晒されている。そのあられもない姿を意識してしまった途端、眼下に晒されていた芽を押しつぶされ熱を孕む花弁に躊躇なく指を咥えさせられた。
「コレ…水だけじゃねぇな…ぬかるんでるもんな?」
「やっ!やぁあ!」
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