……あぁ……体が重い……

こういうの……なんて言うんだっけ……


 トレミー2に設えた自室のベッドに刹那は力なく横たわる。仲間の元に戻ってきたというのに心が休まらない。未だ欠けたままのアレルヤが心配であるのもそうだが、自室に戻るまで気の休まる場所がないようだ。
 就寝以外では常に平らに保たれた胸に手の平を押し当てる。そこには4年前に買ってもらったコルセットが巻かれているのだが、それを成長した今も尚使い続けているのだ。僅かに呼吸が苦しいが、息切れを起こすほどでもない。緩めてもいいが、まだ就寝時間まで時間があるのでそのままでいるしかない。

「……そうか……前は……ニールがいたからか……」

 ぼんやりと天井を見上げて何が以前と違うのか考えると答えはすぐに思い浮かんだ。
 以前であればたとえ真昼間にコルセットを外していても、誰かにばれそうになったらニールがスキンシップと称して抱き込み包み隠してくれていた。それは無意識に刹那の心を安らげる空間になっていたようだ。だが、その腕がなくなった今はもう自分一人で隠し続けねばならない。それがまさかこれほど精神的に疲れることだったとは……思わずため息が漏れてしまう。

「……泣き言を言っている場合じゃないんだがな……」

 また一つ深いため息を吐き出して目を腕で伏せてしまった。
 どれくらいその状態でいただろう?ふと髪がふわふわと揺れ動く感触に気が付く。億劫に腕をずらすと誰かが傍に座っていた。

「………お、わりぃ。起こしちまったか?」

 ぼやりと霞む視界の中でその人物が微笑みかけてくる。何度か瞬きをしているとぐっと顔が近づいて覗き込んできた。

「……ろっくお……?」
「うん。どうした?寝ぼけてるのか?」

 くすくすと小さく笑う声にそっと両腕を伸ばして首へと巻きつける。緩やかに引き寄せるとコツリと額が合わさった。間近に見える彼の顔が驚きに染められて目がぱちくりと見開かれている。その表情にくすりと笑って更に引き寄せると首元へ顔を埋めた。すん……と小さく鼻を鳴らすと僅かに香る匂い……

「……タバコの匂い……」
「ん?……あぁ……さっき一本だけ吸ったんだ。」
「……そうか……」

 そう言って気まずそうな声で答えた彼に…そういえば考え事してる時に吸ったり吸わなかったりしたな、と思い出された。両腕で支えてはいるが、僅かに乗り上がった体から伝わる温かさにふわりと浮かぶような心地よさが広がる。

「……ロックオン……」

 うっとりと閉じた瞳を再び開いて腕の力を緩めると呼吸が合わさる位置で見詰め合う。白い両頬を包みちゅっと軽くキスを贈ると相当驚いたのかびくりと肩が跳ねた。その反応が可笑しくて笑みを浮かべていると顎を掬い上げられて触れるだけの口付けを仕掛けられる。離れていく唇を無意識に追えば首の後ろを持ち上げられて深く合わせられた。

「……んぅ……」

 ぬるりと進入してきた舌に甘えるように沿わせれば擽るように裏をなぞられて吸い上げられる。ぞくぞくっと震える背筋に腕を伸ばして背中を抱き締めた。するとまるで応えるようにぎゅっと抱き締めてくれる。

「……んふ……っぅ……」

 次第に上がる呼気に意識が朦朧とし始める。それでも止めて欲しくなくて、もっと甘えてみたくて懸命に舌を動かして応えようとした。しかし、伸ばした舌を甘噛みされて強く吸われるともう耐えられなかった。

「んっ……くぅ……」

 びくりと跳ねてしまう体は強く抱きしめる腕に捕らえられたまま、抱きついた背中に爪を立ててしまう。それでも唇を開放されず余韻を愉しむようにゆるゆると舐められた。ぎゅっと瞳を閉じて成すがままに感じていたが、ようやく体の痙攣も治まってきた時ふと開放される。無意識に留めていた吐息が漏れ出すがすぐにまたふさがれてしまった。自然と涙の滲む視界で彼の顔を捉えると底光りのような妖しい光を称えた瞳がじっと見据えている。

「……ぁ……」

 ざわりと粟立つ肌と捕食者に捕らえられた悦びが体の芯を震えさせる。再び深く合わされる唇に逆らわず大人しく受け入れ貪られるがままに己を差し出した。

「ん……ん……」

 途切れ途切れに溢れてしまう声に頬を染めながらも涙で滲む視界に端整な顔を捉えてそっと瞳を閉ざしていった。

「……ぁ……ふ……」
「なんだよ……随分飢えた顔しちゃって……」

 漸く開放された時には息も絶え絶えに上手く言葉が告げないほどに舌先まで痺れていた。くたりと横たわる体に覆いかぶさるような体勢で覗き込んできている顔を見上げて刹那は小さく笑う。

「……そっちこそ……」

 獲物を前にして今にも喰らいつかんとする獣のような表情だと指摘するとにやりと不敵な笑みを返された。ゆっくりと外されいくボタンにより服の合わせ目が弛み、その隙間に顔を埋められて無防備な首に噛み付かれる。

「んっ……!」
「お前さんのえっろい顔のせいだろ?」
「……ぁう……」

 くすくすと小さく漏れる笑い声にさえ肌が粟立ち、敏感になっていった。つぅっと滑る舌に思わず詰めた息が吐き出される。

「っ……は……ぅ……」
「ん?もしかしてコルセットがキツクなってんじゃねぇか?」
「ぅ……ん?」

 捲り上げられたタンクトップの下から現れたコルセットの止め具に指をかけられる。ごそごそと金具の位置を付け替えられると顔を合わせられた。

「ほら……どうだ?刹那。息苦しさはなくなったか?」
「……ん……」

 聞かれて緩やかに呼吸を繰り返すと先程よりも数段に息を吸い込みやすくなった。素直にこくん…と頷くと手が伸びて頭をくしゃくしゃと撫でられる。

「まだ調整部があるんだから我慢しないで緩めろよ?」

 またこくりと頷いて返事をすれば今度は頬に唇を寄せられる。くすぐったいような口付けに瞳を細めて身を捩るとせっかく留めた金具を外されてしまった。外気に触れた胸に肌寒さを感じてふるりと肩を震わせると温かな手が包み込んでくる。

「いい傾向だよな……」
「んぅ……?」
「コルセットが閉まらないくらい育てたいからさ。いい前兆だなぁ、なんて。」
「……変態……」

 言外に大きくしてやるといった意味が含まれていて思わず顔を赤くしてしまう。胸に這わされた手がまだまだ余る大きさではあるが、彼が望むのならば本当にそのサイズになるだろうな、とぼんやりと眺めた。そしてそれを当然のことと受け取っている自分も対外なものだと苦笑も浮かべてしまう。

「変態はないだろ?」
「本当のことだ。」
「……ほんとうて……」
「ただ……俺もだろうけどな……」

 ぽつりと囁いた言葉はしっかり届いているようでぱちくりと瞬きながら瞳が問い質してきている。その瞳から顔を反らしたが、いたたまれずちらりと視線だけ戻した。

「…あ…んたにならどうされてもいいと思ってる俺も変態だから……」
「………」
「……?……ロックオン?」
「〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
「!!?」

 ぽそぽそと思いついたままに言ってしまえばしばし固まった後に思い切り抱きつかれてしまった。息苦しさにぱたぱたと背中を叩いてみるが一向に聞き入れては貰えずに尚も抱き潰される。一頻り抱き締めて満足したのかぱっと離されると今度は噛みつかんばかりに口付けられた。

「っん……ぅうん!」

 深い口付けから開放されて呼吸を乱すとさらりと優しく髪を撫でる手にゆるゆると瞳を開く。すると蕩けそうな笑みを浮かべる彼の顔がすぐ近くにあった。

「嬉しい事言ってもらった御礼にうんと気持ちよくしてやっからな?」
「……ほどほどにしてくれ……」

 視線を反らしてぽつりと呟いた言葉に笑みを深くしてバードキスを施された。ふわふわと体が宙に浮くような温かさを与える腕にそっと手を添えて態度で「もっと……」と示す。正確に伝わったようで背中に腕を回して抱き込まれると応えるように首へと腕を回した。

「今日は随分甘えん坊じゃない?」
「……気のせいだ……」
「ふぅん……」
「……なに……?」
「そいう事にしといてやるよ。」

 くすくすと小さく笑う彼の後ろ髪をぐいっと引っ張ってやると「痛い痛い!」と慌てる様が面白かったのであっさりと開放してやった。よほど痛かったのか涙目になってしまった彼の顔を見上げてしばらく見つめるだけだったが、お詫びとしてそっと口付けを贈る。

「っ……あ!」
「キスだけでこんなに濡れてるんだ?」
「んっ……んっ……」

 いつの間に手を回したのか、背中を支えていた手が下りて桃尻を割り開き奥に潜む花弁へ指を沿わせて来る。ぬるりと滑る指先に耳元で囁く言葉が更に羞恥を煽ってきていた。赤くなる顔を隠すように首元へと縋りつくと米神に口付けられる。

「んぁ……あっ……」
「そう……うんといい声で啼けよ?」

 上体を抱えられたまま座らされて向かい合わせにされた。浮かされたままの腰を無意識にゆるりと揺らしてしまうほど、じわじわと高めてくる指に呼吸が更に乱れていく。くちゅくちゅと濡れた音が耳に届き、恥ずかしさと気持ちよさで訳が分からなくなってきた。

「ぁう……んぁ、あ……!」
「ん、いい声。」

 指が動く度にぞくぞくと背筋が震え躯の奥からじわりと濡れる感触に強くしがみ付いて乱れる呼吸を吐き出し続ける。内腿をつぅっと伝い落ちる蜜の感触に小さく啼き声を上げた。ふるふると震える躯を持て余し始めた頃、漸く動きに変化があった。
 つぷりと指が蜜壷の中へと侵入してきた瞬間に背が反り返る。己の躯が小さく痙攣を繰り返しているのを意識の片隅で感じながら必死に縋りついた。


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