振り絞った言葉にようやく攻めの手を止めてくれた。口から安堵の溜息にも止められてしまったという不服の溜息にも取れるだろう吐息が漏れ出る。強張った躯が弛緩するが、芯が快楽を求めて震え続けていた。埋められたものを失くして切なく疼く蜜壷に困惑しながら閉じた足をそっと開く。するとズボンの中をもぞもぞと動き回ってきた手がするりと落としていった。両足からも抜き取ってしまうと覆うものが無くなりニーハイだけ取り残された下半身が酷く心もとない。観賞されているのか、なかなか触れてこない手に焦れて膝がもじもじと擦り寄せられる。
「…背徳的だなぁ…」
「……ぇ?」
「んー?ほら、玄関で下半身裸って超背徳的。」
「ッ…だれのッ…せい!」
「分かってるって。俺の我が侭だよ。」
あまりのいたたまれなさに腕で顔を隠しているというのに…ロックオンはとても楽しそうな声で答えてくる。いきなり何を言い出すのかと激昂すれば謝罪の代わりにするりとヒップを撫で下ろされた。
「…刹那…」
「〜ッ!」
背中に覆いかぶさる熱と重み、耳に吹きかけられる掠れた声に彼が何を求めているのかを正確に受け取った。自然と赤くなる顔を必死に隠していると花弁を熱い塊が撫でてくる。
「あっ!」
「刹那…」
「っは…ぁあ…っあ…!」
いつの間にか取り出した楔が入り口ばかりでぬるぬると行き来する度に興奮から呼吸が荒くなっていく。思わせぶりにほんの少し潜り込んだかと思えばずるりと滑っていってしまう。火傷しそうな熱さと花弁に押し付けられた太さに貫かれることを考えただけで躯ひくりと震えた。いっそのこと、突き破るほどの勢いで貫かれたっていいと思うのに楔はずっと蜜を擦り付ける様に行き来するだけだ。あまりのもどかしさに自分から差し出すよう腰を更に浮かせ、待ち侘び過ぎてかぽろぽろと涙が溢れてくる。
「…やぁ、んっ…」
「…ね…」
「ぁふ…んん…」
「入れていい?」
泣き声交じりになった声を上げる頃そっと頭を撫でていた手が耳に被る髪をかき分けてきた。露わにされた耳にちゅっと軽く口付けられ熱い吐息とともに言霊を吹き込まれてしまう。すると全身が痺れたように戦慄いた。
「それとも…このままがいい?」
「ぁ…やぁ…」
「うん?」
「ぃ…ぃやぁ…」
「このままは嫌なの?」
「んっ…んぅっ…」
今まで擦りつけていた楔がふと動きを止めてゆるりと離れて行ってしまう。遠のいてしまう熱に行かないでという言葉を表すように腰を振った。何を言いたいのか汲み取ってくれたロックオンが再び腰を密着させてくれるから、花弁を僅かに捲り上げ蜜口に先端が軽く埋まる。そのまま引いてしまわれないようにと、震える指先ですぐそばにある頬を撫でた。
「このまま入れて欲しいの?」
「んっ…ほしぃ…」
「玄関だけどヤっちゃっていいんだ?」
「…ぁ…」
わざとらしく聞いてくる言葉に現実へと引き戻されて酷い羞恥心が襲いかかってくる。日常の場で犯される背徳感が更なる羞恥と興奮へ誘い、理性と本能が鬩ぎ合う。ぐっと強く腰を押し付けられて肥大した楔の先が敏感な花芽を押しつぶしてきた。
「あぁんッ!」
「やめとこっか?」
「やっ…やぁッ…」
「じゃあ入れていいの?」
「い、いっ…いい、のぉ…ッ…!」
「ホントに?」
「いぃ、からっ…ちょう…だい…」
熱に犯されることしか考えられなくなり始めた頭で思いつくままに言葉を紡いでいると、耳元で低く嚥下する音が聞こえてきた。
「…もっかい…言って?」
耳を擽る熱い息がさらに直接吹きいれられるほど近くに唇が寄せられて、真っ白に霞む脳の中にジワリと溶け込んでくる。掠れた声が麻薬のような言葉を囁きこんできた。
「ろっくぉん…のぉ…ちょおだぁい…」
呂律の怪しい声で必死に紡ぐと腰を思い切り鷲掴みにされる。
楔が再び止まってしまった事に絶望に似た感情が湧き上がると力強く引き寄せられた。その瞬間にずんっと鈍い衝撃が脳天まで駆け抜ける。
「ーッあぁぁぁぁぁッ!!!」
「…ふっ…くぅ…」
一瞬遅れて全身に駆け巡った波が、躯の中から火を吹き上げたように一気にかっと燃え上がる感覚に見舞われる。あまりの強烈さに床へ爪を立て、足の指を蹴り上げて悲鳴に近い嬌声が吐き出された。がくがくと震える躯に、頭の隅でイったのだと確信していると引き絞まる内壁を巻き上げるように楔が暴れだす。
「あぅッ!ひっあぁあ!!」
最奥を突き抜けられるほどの強さで打ち付けられ、頭を痺れさせるほどの衝撃を休むまもなく与えられると強すぎる快感から逃げ出そうと躯が本能的に身を捩り暴れ狂う。それでも捕まえられた腰は逃げることは叶わず、最奥ばかり突き立てる楔にびくびくと躯が跳ねた。
「ったく…おま、え…はっ…」
イってるのかイってないのかすらも分からなくなり啼くしか出来ない中でロックオンの声を聞いた。絶え間なくガンガンと突き上げられ朦朧とする中でも彼の声は鮮明に聞こえてくる。
「えろっ…かわぃ…っすぎ!」
自らの挙げる嬌声すら聞き取れないのに、掠れて低くうなるような声はするりと耳へと届けられる。けれど理解する間もなく胎内で脈打つ楔を感じ取り、高みから突き落とされる期待と恐怖で何も考えられなくなっていった。
「っう…ぁ…」
一際強く叩きつけられた時に耳元で呻く声を聞いた。それと共に躯の奥へ熱い飛沫を注ぎ込まれて足の先まで戦慄き震える。重なる体の震えも感じ取ると心の奥から満たされた気持ちになっていく。かなり叫んでいただろう、喉がちりっと痛みを訴えるがそれすらも心地いい。躯の奥に広がる違う温度がいとおしいとさえ感じられた。
「っぁ…は…あぁ…」
無意識の内に呼吸を止めてしまっていたのか、ようやく己の忙しない声が耳に届いた。徐々に弛緩する四肢が未だ甘く疼き続け咥えたままの楔を柔らかく食んでいる。不意に腰を揺すられてぴくりと肩を跳ねさせ思わずきゅうっと絞めつけてしまった。
「ぁんっ…」
「っは…なんだよ…刹那。抜いて欲しくなかったんだ?」
「ゃ…ちが…ぅ…」
「ずっと内壁が揉み上げて来てるのに?」
「っしらなぃ…ッ!」
くすくすと笑いながら聞いてくる言葉に首を振るが、彼の言う通り離したくないと駄々を捏ねる躯が出て行こうとする楔を捕え続けている。理性とは裏腹な動きを見せる躯に喉の奥で震えるように笑う声が耳をくすぐった。
「ッふあぁ!」
突然ずるりと抜けていく楔が内壁を擦っていく思わず嬌声が上がってしまった。己のものではないような甘い声に頬がかっと熱くなる。中に溜められた蜜と飛沫が楔の動きと共にどろりと動き、蜜口から溢れそうな感覚に思わず引きしめてしまった。すると息を詰める声が耳朶を擽る。
「っ…やっぱ…抜いてほしくないんじゃん…」
「っや…ぁんんっ」
途中まで抜けた楔が再びぐぐっと奥まで押し入ってきた。敏感なままの奥をこつりと叩かれて大げさなくらいに躯が跳ねる。そのままぐりぐりと擦りつけられて途切れがちな声が漏れ出た。きゅうっと引き絞めてしまうと埋まったままの楔がどくりと脈打ち体積が増して太さが肥大していく。体内でその変化をまざまざと感じ取り呼吸が自然と乱れていく。
「ぁ…ふぅ…ん…」
「っふ…気持ちいいな…刹那んナカ…」
「…は…あ、ぁ…」
ロックオンの乱れる呼吸を近くに聞きドクリと心臓が跳ねる。きゅっと切なく締め付けられる胸に大きな手が回されてきた。早打ちを続ける鼓動に気づかれるのが恥ずかしくて身を捩るが功を成さずその胸に引き寄せられる。
「やぁ…」
「こら、逃げないの。」
ぎゅっと抱きしめられたと思うと視界がぐるりと反転して天井が見えた。その瞬間、挿入角度が変わった楔が花芽の裏をぐりりっと押し上げ、甘く激しい衝撃があまりに強く脳天まで貫くから背が弓なりに撓ってしまう。けれど抱きしめる腕に逃げ場を塞がれ衝撃の余韻に耐えさせられた。
「あっあっあぁっ…!」
「んっ…ぅ…」
「やッぃやぁ!」
「はっぁ…そっか…この体勢…刹那のヨがるとこ…刺激すんのか…」
躯がびくびくと跳ねる度に擦れてしまう楔におかしくなりそうなほどの悦楽が生まれてくる。本能的に逃れようとする躯を下腹部に添えられた手で押さえこまれ、延々と詰め込まれ続ける快感の波に口が開いたままになり端から呑み込めなかった唾液が喉まで伝い流れた。きゅきゅっと何度か楔を強く絞め付けてようやく躯が慣れて落ち着いてくる。
「ゃ…やだぁ…」
「んー?…物、足りなく…なってきた?」
「んんんっ…!」
中途半端な快楽を詰め込まれたままの躯をどうにかしたいのに何もしないロックオンに焦れて身を捩り何か出来ないかと試すけれど、ほんの少し擦れるくらいで欲する衝撃には程遠い。それどころかさらに自分を追い詰めてしまったらしく躯の芯がむずむずと痺れてきた。声を上げてみても惚ける上に腰から腹回りや内腿を擽るように撫でるばかりで更に切羽づまってくる。
「あぁ、ココも触って欲しかった?」
「ひぃんッ!」
詰め込まれるばかりの躯が苦しく感じられて己の腕で抱きしめていると悪戯な指先がひくひくと震える花芽を弾く。びりっと電気が走ったような衝撃に悲鳴が上がった。続けざまにコリコリと弄ってくる指に身悶えていると腹を撫でていた手が上り詰めてくる。
「あっぃやッさわ、ちゃっ…いゃあ!」
もぞりとトップスの中を這いまわる手に嫌な予感がして首を打ち振るけれど、聞き入れてはもらえなかった。予想通り胸に辿り着いてすっかり固くなり、擦れる布にじんじんと痛みすら感じ始めていた実を摘みあげられる。これ以上快楽ばかり与えられると破裂してしまうのではないかと思うほどまで来ているというのに更に積み上げられて涙声になってしまった。
「ゃ…も、ゆる…してぇ…」
尚も弄り続ける手に己の手を重ねて助けを求める。自分ばかり啼かされる羞恥も苦しくなってきていた。ひくひくと震える躯を背に感じる温かく自分よりも大きな体に甘えるように重ね合わせる。
「じゃあ、刹那も俺を気持ち良くしてくれる?」
「あ……ん…」
上体を起こしたロックオンの手がそっと頬を撫でてくる。その動きにさえぴくりと躯が跳ねた。きゅっと反射的に閉じた瞳を開くと肩越しに微笑む彼の顔が見える。喉を反らせて顎を上げると意図に気づいたロックオンの唇がそっと重ね合わされた。
「…どう…したら…?」
ゆるりと離れた唇で囁けば嬉しそうに細められた瞳に見つめられて頬が熱くなる。それでも瞳をそらさずにいると不意に腰を捕まれ揺すられた。
「んんっ…」
「刹那が動いて?」
自重によって更に深くまで押しいれられて小さく啼き声を上げる。震え続ける胎内でますます固くなる楔に胸が自然と早打ちを始めていった。耳元で強請る甘い声に熱い吐息を吐きだして足をぺたりと床に添わせると上体が前のめりになり、真下にあるジーンズに包まれたままの太腿をそっと撫でられる。途端にぴくりと跳ねる指と体に胸が高鳴った。
「…あ……ッぁ…」
「っふ…う…」
ジーンズを握りしめてわずかに腰を浮かすとそれだけでぞくぞくと背筋を快感が駆け上がる。きゅうっと絞まる蜜壺にロックオンの熱い吐息が聞こえた。腹に力を込めてさらに浮かすと先端の括れの位置で止まってしまう。それ以上浮かそうにも絞まる蜜口で抜けなかった。ゆっくりと息を吐いて腰を降ろしていくと内壁をぐりぐりと刺激しながら埋まってくる。
「んっ…くぅ…」
最奥まで届いたところで腰を擦りつけるように揺すると全身へ甘く痺れが広がる。背筋を仰け反らせて感じ入っていると首元に掠れた声が吹きかけられた。腰を鷲掴みにする指がくっと食い込みどれほど感じてくれているかが伝わってくる。
「ぁ…っあん…」
中途半端に脱がされた服が揺れる度にふわふわと肌を擽っている。その感覚にも慣れ、疼く躯の欲のままに揺り動くと奥からさらに疼いていた。震える足に叱咤しつつ必死に動き続けているとそっと指が動き強張る肩を撫でて下りていった。
「あっ…ぅうんっ…」
「っは…いぃ、ぜ?刹那…」
「ん…ぅ…?」
「きもち…いぃ…」
褒めるように脇腹を撫でられ温かな手の感触にほぅ…と小さく息を吐き出す。もっともっと感じてもらおうと動きたいが、躯中を巡る甘い痺れがじわじわと支配し始め上手く動けなくなってきた。ぎゅうっとジーンズを握りしめ上がらなくなった腰を振って擦りつける事で誤魔化し始めた。
「せつな…」
「は…ぁ…ぁ…」
「動けなくなってきた?」
「んっ…んん…」
がくがくと震える足を耐えるように身を縮ませていると背中に広い胸が寄り添わせられた。包まれる温かい体温へ引き寄せられるように凭れ掛かる。すると額に汗で張り付いた髪をそっと掻き上げてくれた。肩越しに頬へ唇も寄せられたので、首をさらに反らせて唇にも欲しいと強請るとすぐに応えてくれる。僅かに開いた唇の隙間から舌が差し込まれ擽られ柔らかく吸い上げられた。
「…もっと…気持ち良くなりたい?」
「ぁふっ…んッ…」
「動いて、ほしい?」
「んっ…ほしぃ…」
切なく疼く躯に耐えきれられずに頷くと全身を撫でまわしていた手が腰を掴んできた。そのまま持ち上げられるのかと覚悟していたらさらに下りて内腿をするりと撫でては上り詰めてくる。敏感な肌をするすると撫でられてぞわぞわと粟立つ肌に身を捩った。
「ろっく…ぉ…っ」
「ん?」
「ゃだっ…うご、けっ…」
「ふ…そんなに…切羽詰ってんの…?」
「んっ…はやっ…くぅ!」
焦らしに焦らす彼に苛立ち、苦しみから助けて欲しくて必死に訴えているのにまったく動いてくれないからまた涙が溢れてきた。心の中が本能で溢れかえりおかしくなっていく怖さに救いを求めて手を回すと顔を擦り寄せてくれる。
「っ…りょーかい…」
躯が持ち上げられる感覚とともに離れるかと思っていた彼の体温が背に添わされたままなので彼自身が態勢を変えたのだとぼんやり理解した。がくりと上体が前に倒れそうになったがすぐに両手が支えてくれる。
「ッ!ひぅっ!」
躯の不安定さに腰を掴む手へ己の手を重ね合わせると同時に衝撃が下から突きあがってきた。びくりと背を反らせると続けざまに腰を打ちつけられる。正座したロックオンの太腿に乗せられたような態勢なのだが、足の屈伸を使って突き上げてきていた。押し上げられ僅かに浮いた後落ちるタイミングに合わせて腰を打ちつけられるから最奥がガンガンと叩きつけられていく。
「ひっ!あぅ!くぅん!!」
「っは…ぁ…」
びりびりと走り抜ける甘く痺れる快感に力が抜け落ちて上体をまっすぐに保てなくなってきた。ゆらりと前につんのめりそうになったところを二の腕を掴み直されて落ちずに済んだ。けれど突き上げられる動きはなおも続き、結合部からぐちゃぐちゃと蜜が掻き雑ぜられる卑猥な音が鳴り続けている。その音に羞恥が駆け巡り蜜壺が引き締まるが、連動するようにぐずぐずと突いてくる楔の体積もぐっと増した。
「ひぁぁんっ!」
「あ…ッ…はぁ…」
水音に混じって互いの嬌声が混ざり合う。二の腕に食い込む指の力も先ほどより強くなったように思う。ゆらゆらと揺らされる視界でロックオンの存在だけを感じ取り、混ざり合う心地よさと激しさに酔い痴れていった。
「ぃ…い…っ…」
「ぅ…んッ?」
「いぃっ…きも、ちっ…い、いぃ!」
「っ…そっ、かぁ…っ…」
もう何を叫んでいるのかもよく理解しないままに紡いだ言葉はロックオンを喜ばせたらしい。単調な突き上げから強弱を付けたり押しつけた腰を揺すったりと動きに変化を付けてきた。更に上り詰めるような快感の波を与えられ悦びに震える躯がふわふわと浮くような心地よさを与えてくれる。
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