「で、どうする?」
「…え?」
「一人でどうやるか…教えようか?それともいらない?」

 ずるい聞き方だとは分かっている。モレノの話を聞いた後だ。今後の任務の為にも…という言葉が含まれた返事が返ってくるのは明白だ。

「…頼む…」

 予想通りの返事にロックオンは淡く笑みを溢した。
 いい子だ、と言う代わりに頬へ口付けを落とされてくすぐったさに身を竦める。すると腰に回っていた腕が緩められた。

「…ロックオン?」

 てっきりボタンに掛けられると思った指は、握りこぶしの中に仕舞われると彼の膝の上に乗ってしまった。そのまま動かないから不思議に思って顔を振り仰げばにっこりと返される。

「脱いで?」
「………え?」
「だって一人でしないといけないんだから。俺が脱がせちゃ意味ねぇだろ?」

 指先で頬を擽りながら言われた言葉に顔がかっと熱くなったのが分かった。先程聞いたロックオンの説明からすれば確かに彼が服を脱がせるのでは意味がないように思う。にこにこと微笑みを浮かべたままの彼の顔から逃げるように前を向くと、大きな手が目の前で交差して腕で大きな輪を作った。

「それとも俺に脱がせてほしい?」
「ッッッ!」

 耳元で囁かれた言葉に反射的とも言える速さで首を横に振る。自分でしなければ意味がないという考えと、何故だか『ソレ』はとてつもなく恥ずかしい訴えのようにも思えた。直接触れていなくても僅かな空間しか開いていない位置にある体温を感じられる。その中で自然と震える指先が首に巻いたターバンを床に落とし、上着のボタンを外しに掛かった。徐々に下がっていけば腰に巻いた黒布に差し掛かって一度手を止める。するすると巻いていた布を外しているとロックオンの手が重なってきた。

「…?」
「ちょいと目隠しを。」
「…何故…だ?」
「その方が俺がいないって思い込みやすいだろ?」

 しゅるりと抜き取った布を目に当てて丁寧に巻いていってしまった。結び終わった手が離れていってしまうと孤独に支配されそうになってしまう。

「ど?」
「…ろっくおん…」

 目隠しを終わらせて呼びかけてみると心細さが滲み出た声で囁くように名を呼ばれる。きっと無意識だろうその声に答えるように、膝の上で固く握られた手に己の手を重ねた。

「ちゃんとここにいるから。続き…な?」
「…ん…」

 視覚を無くす事で自分の存在を薄くするつもりだったはずが、思っていたよりも効果が強かったようだ。手に触れただけなのにびくりと過剰反応している。やりすぎたか?という考えが掠めたが、刹那の指がぎこちなく動き出したので見守ることにした。
 上着…ズボン…と床に落としていき、タンクトップに手を掛けたところで躊躇からか止まってしまう。

「………」
「刹那…全部、だ。」
「〜〜〜ッ」

 耳へ熱い吐息と共に掠れた声が吹きかけられて体がびくりと震えてしまった。躊躇ってしまったのを見透かされている事に、ぐっと腹に力を込めて勢いよく脱ぎ去ってしまう。そうすれば残りはコルセットとショーツのみだ。

「はい、これで準備完了。」
「…〜…」
「それじゃ本格的に始めようか。」

 所在なさげに握り締められた手を取り、指を開くように促せば大人しく開いてくれる。その手に己の手を絡めると自身の体を抱き締めるように誘導した。

「よ〜く覚えろよ?」
「…ん…」

 耳元に口を寄せて両手を操り体を撫で擦っていく。首筋…内腿…コルセットの境目…ショーツの上…と体の中心に向かって撫でて熱を集めるような動きで行ったり来たりを繰り返すと、刹那の息が上がってきた。一度通り過ぎたショーツの上に戻り、寄せた太ももの間に指を滑らせる。ぷくりと小さな丘を作るラインを擽るように柔らかく撫でていった。もう片方の手でコルセットのホックをほとんど外すと出来た隙間から指を差し入れて固くしこりつつある胸の頂を掠める。

「っん…」

 途端に跳ねる躯に淡く笑みを浮かべて刹那の手から離れた。そうしておいてもう片方の胸へと手を滑らせる。

「ろっくお…」
「今から俺の真似してみな?」
「ん…ぅ…」

 指先でくるりと乳輪をなぞり始めるとおずおずと同じように動きだす。くるりくるりと回って悪戯に硬くなった実を弾くとそれだけで躯を跳ねさせた。何度か繰り返していると同じように指を動かし出したので更に違う動きを加える。柔らかく膨らみ出した未発達な胸を手で包み込んで揉み上げると堪らないのか小さく喘いだ。

「今日は随分敏感だな。」
「…ぁ…ぅ…ん…」
「摘んだりしたらイきそうになるんじゃね?」
「ぁ…やぁ…ぁんッ!」

 さほど力を込めずにくりっと摘み上げると予想通りびくんっと仰け反った。そのまま擦りつぶすよう、くにくにと擦ると快感が強すぎるのか躯が無意識に逃げ打つ。胸を突き出すように反らせもっとと強請るような動きに今度は恥丘を撫でていた手に変化を加えた。

「ひゃ…ぅ…!」
「おっぱいだけで気持ちよくなるのもいいけど…コッチもいいだろ?」
「あ…はぅ…」

 薄い布ごしに割れ目を擦り上げると躯が小さく震え出した。刹那の指を自在に操りいつもの愛撫のように肉芽を引っ掻いてやればぴくんっと腰が跳ねる。

「気持ちいい?」
「ぁ…ん…いぃ…」
「満足しちゃってる?」
「や…も…っと…」

 愛撫がぎこちなくもどかしさに焦らされている様な状態に陥っているのか…刹那が珍しく素直で更に意地悪をしてしまいたくなる。思わず生唾を飲み込み両手を開放するところりとシーツの上に横たえた。突然の動きに視界が遮られているからか、不安そうな声を上げて見上げてくる刹那の額に口付けを落として耳元に唇を寄せる。

「…もっと…気持ちいいとこ触ろうか…」

 熱く掠れた声に震える躯を晒しながらも小さく頷く彼女にロックオンは舌舐めずりをした。
 コルセットとショーツも床下へ落とすと途端に頼りない感覚が襲い掛かってきた。背中にシーツの感触はあるのだが、その他が宙に浮いているような気分で思わず自分の躯を抱き締める。漆黒に包まれた視界の代わりに聴覚に集中していると僅かな布擦れの音が聞こえた。

「…ろっくおん…?」

 一人きりにされたような不安から名前を呼んでみると、返事の代わりに掻き抱いた手に大きな手が重ねられた。革の隔たりなく直に触れてくる体温に手袋を外していたのだと知ると、温かくすっぽりと包み込んでしまうその大きさに縋りたくて両手で握り締めた。すると上から小さく笑う声が聞こえる。それでもいつものように文句を言わず、握る手に力を込めれば躯が少しシーツに沈む感覚がした。

「刹那…胸、弄ってみな?」

 耳元に言葉を吹き込まれると握り締めた手がやんわりと解かれる。再び不安に包まれそうになったが、耳を唇で柔らかく食まれて舐め上げられていた。ロックオンの、自分より僅かに高い体温も僅かな空間を隔てて感じ取る事が出来る。その存在を確固たる物にしたくて両手を伸ばし、ぺたりと触れると布越しではあるが笑い声に揺れる胸板を感じ取った。

「俺の胸じゃなくて刹那の胸。」

 楽しそうな声音に思わず頬を染め上げると促すように頬を指で撫でられる。それに小さく頷く事できちんとやる、という意思表示をしてそろそろと己の胸に両手を宛がった。先程教えてもらった手の動きを再現していると徐々に体温が上がってくる。頭の芯がじんっと痺れると指の動きが大胆になってきた。教えてもらったことよりも気持ちよさを追求するようになっている。いけないことをしているはずなのに指は尚も動き続け頭をゆるゆると振って、溺れてしまわないようにと必死になった。

「ぁ…ぁ…」
「いいぜ…刹那。」
「…ぁ…う…?」
「好きに動かしていいんだ。お前さんが気持ちよくなればいい。」
「…いぃ…の…か?」
「あぁ。もっと強く摘んだりしてみな?」

 怒られるかと思えばいいのだと言われて戸惑いはしたが、もっと強く、という言葉通りに両方の実をきゅっと摘み上げると喉が反り返る。

「あ…んッ!」

 戸惑いがちに動く指に助言を与えれば途端に嬌声を上げて躯を仰け反らせた。普段では聞けない高い声と従順な様子に堕ちていく躯が愛しい。そろそろ物足りなくなるだろうと予測していれば、もじもじとすり寄せられる腿に口角が上がってしまった。

「物足りない?」
「ん…たり…なぃ…」
「んじゃ、下も触ろうか。」
「し…た?」
「そ。ココな。」
「ッん!」

 熱に浮かされ始めた舌っ足らずな言葉に、分かりやすいようにと恥丘を指先で押さえてやる。ぴくっと跳ねる躯に浮いてしまった膝を抱えて有無を言わせずに開かせると、さすがに抵抗が強くなった。

「や!ゃだ!」
「いや、じゃないだろ?こぉんなにとろっとろにしておいて。」
「ひぅ!」

 あられもなく開いた腿の間には、まだつるつるの恥丘の下で赤く熟れた花弁が晒されている。見てる間にもひくひくと震えてとろりと蜜が溢れ出した。覆い隠そうとする手を退けて息を吹きかければ躯を竦ませる。

「ほら、刹那。指貸して。」
「あ…」

 くいっと指を摘みあげて誘導すれば恥ずかしいのかもう片方の手で口元を覆ってしまう。本当ならその手を外して啼き声を聞きたいところだが、花弁への愛撫を教えるのが先決とばかりに捕まえた指を肉芽に宛がった。

「んぁっ…ふ…うッ…!」
「ココ…こうやって擦るの好きだもんな。」
「…ッすき…じゃ…なっいぃ…」

 こりこりと音がしそうなほどに指で押しつぶしたり擦り上げたりとすると背が反り返って啼き始める。逃げ打つ躯を手を握って押し留め、口元を覆う手を退けて指を這わせると引き結んでいた唇が僅かに解けた。握った手を引っ張って指の位置を花弁の所まで引き下ろす。

「刹那…ココに指、入れて。」
「…ぁ…やぁ…」
「ちゃんと覚えるんだろ?」
「ん…んぅ…」

 唇を撫でていた指を口内に押し込んで震える舌を捕らえると、逃げるかと思ったが吸い付いてきた。こういう反応をする時は刹那の蜜壷が疼いて早く入れて欲しいと強請る時のものだ。初めて尽くしに随分興奮しているのか躯の反応が逐一敏感すぎる。それでも怖がるよりはマシか…と苦笑を浮かべて耳元に唇を寄せた。

「指、入れないとこのままだぜ?」
「やぁ…ぅ…」

 躯の疼きに勝てなかったのだろう、捕らえた手がおずおずと下がっていく。すると指先に濡れた感触が当たって驚いたのかぴくりと跳ねて手を引っ込めてしまった。そんな反応が見れるとは…と思わず笑ってしまう。

「今更そんなに驚くことじゃねぇだろ」
「…うぅ〜…」

 離れてしまった手を掴みちゅっと口付け、真っ赤に染まった頬にも落としてやる。もう一度、と手をひっぱり花弁へと導くと覚悟を決めたのか、そっと指を潜らせた。

「っふ…」
「柔らかくて気持ちいいだろ?」
「はぅ…ん…」

 触りやすいようにと躯を抱き起こして向かい合わせに座らせる。そうすれば縋るように首元へ顔を埋めてきたのでその黒髪を撫でてやった。
 花弁の中に浅く入れていた指の感触に慣れてきたのか、刹那の指が大胆に動き出した。出し入れの速度を速めちゅくちゅくと濡れた音を響かせ始めると、首元に寄せた唇から熱い吐息が吹き付けられる。拙い己の指の動きに焦れたのか時折ふるりと震えて胸を弄っていた手を背中に回してきた。そのままきゅっと縋りつきどうにかしてくれと懇願してくる。

「刹那、口あけろ。」
「ぁ…ん…」

 片腕で背を抱き寄せてやりもう片方の手は刹那の口元に運んで口内に指を差し入れると、それだけでも感じるようになってしまったのかぴくりと躯を跳ねさせた。

「俺の指と同じ動きしてみな。」
「んっ…ん…」

 つぅっと舌の上をなぞり、くるりと円を描いて擽るように裏側を掻けば背を仰け反らせる。ちらりと下へ視線を走らせれば言われた通りに動かそうとしているらしく指がおずおずと動いていた。にやりと笑うと口内に指を増やしてやれば、ちゃんと花弁へも指を増やしている。

「指、全部入れたら滅茶苦茶感じるとこないか?」
「…わ…ひゃん…なひ…」

 いつも愛撫するとびくりと躯を反らせて善がる場所に届くはずなのだが…と刹那の様子をじっと見ていたロックオンだが、一向にその兆しが見えない。おや?と首を傾げて舌に絡めた指を抜き取ると花弁へと手を伸ばした。

「あぁッ!!」

 刹那の指が二本入っている蜜壷の中に己の指もねじ込むと甲高い嬌声が発せられた。宥めるように額に唇を寄せながら探りいれると…なんてことない原因が分かった。

「あぁ…刹那の指じゃ届かないか。」
「ぁ…んっ…うぅ…」

 それもそうか…と今更ながらに体格の差や大人と子供の違いを改めて思い知り、仕方ないな…と苦笑を漏らす。己の指より幾分細く短いとはいえ、刹那の指が二本とロックオンの指を咥え込まされて蜜壷がひくひくと痙攣しているのがよく分かった。少し性急すぎたかと抜こうとすればきゅうぅ…と締め上げてくる。逆に奥へと入り込ませれば背を反らせて善がった。


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