言わんとする意図を正確に読み取ったらしい刹那が涙目ながらに睨みつけてくるので思わず苦笑を浮かべてしまう。悪趣味である事は重々承知なのだが、刹那相手では抑制が効かないのだ。最初は刹那を落ち着ける為のお触り程度で済ますはずが、すっかり自らの劣情を晴らす目的に摩り替わってしまっている。それにつき合わしてしまう事への罪悪感から頬に軽く口付けを落として、隠せなくなった胸元へと唇を這わせた。
「ッふ…」
喉元をぺろりと舐めれば甘い吐息が吐き出された。そのまま躯の中心を這い下りて両手でラインを撫で下ろしていくと小さな震えが伝わってくる。へその辺りまで来てちらりと見上げればとろりと溶けた瞳が見下ろしてきていた。もじもじと擦り合わさる膝に小さく笑みを浮かべ、無防備な脇下に歯を立てた。びくっと怯む躯を舐めて宥めれば、力の入っていた膝から力が抜け僅かに隙間出来る。また閉じてしまわないようにと足をねじ入れ、片膝をつけば頬の朱を深くした刹那の顔と鉢合わせになった。
「ココ…もどかしい?」
「ぁ…っふ…」
股上に指を滑らせれば揺れる腰が艶めかしい。逃げ打つ腰を捕まえて顔を埋めれば上から焦った声が落ちてくる。柔らかな股肉に口付けるとぴくりと跳ねた躯が小刻みに震えだす。唇で食んで感触を楽しみ、腰を捕まえてた手をずらして小さな桃尻を揉み込んだ。両手にすっぽり納まってしまい指が遊び気味になるが割れ目に沿わせる事が出来る。縫い目に沿って降りればくっと指の埋まる箇所を見出だした。
「ぅあッ!?」
「ん?あぁ…後ろ穴な。」
「ちょっ…さわ…っる、なぁッ」
確かめるようになぞり円を描いていると嫌悪感が勝るのだろう、明らかな意思を持って逃げ始めた。それでも躯の僅かな反応をロックオンは見逃さない。
「刹那は知らないだろうけど…」
「なにッ…を?!」
「こっちでもセックス出来るんだぜ?」
「…ぅそ…だッ」
「ホントホント。こうされると堪らなくね?」
撫で擦っていた指先を僅かに埋め込み股肉に甘噛みを施すと声も発さずに刹那が仰け反った。ひくひくと開閉を繰り返しているだろう菊花に軽く爪を立て小さく出し入れし、再び口付けた股肉には舌を這わせる。薄手のスパッツ越しではどちらも曖昧な刺激として与えるのだろうけれどちらりと見上げた刹那の表情に、それでも充分だと思い知った。
「っあぁ…ゃ…やぁッ」
「…イきそ?」
「んぅう〜〜〜ッ」
信じられない箇所から与えられる快感を理性が阻むらしく、ふるふると頭が振られる。
「素直じゃないねぇ?」
「っる…さぃ!」
「ま、そこも可愛いけどな。」
「ッな!!」
剥き出しの腹にちゅっとキスを落として最後の一枚をずり降ろした。
「お、糸引いてるな、刹那?」
「しら…なぃ!」
「とろとろのぐちょぐちょ。ずいぶん良かったようで。」
「だ、まれッ!」
閉じようとする足を押さえつけて持ち上げれば爪先からスパッツが脱げ落ちた。重力に従って内腿を伝い降りてくる蜜に舌を這い上がらせると、爪先をきゅっと丸めて崩れ落ちそうな躯をどうにか支えている。
「…後ろも開発しちまおうかな…」
「っん…あ…?」
「や、こっちの話。」
曖昧な笑みを浮かべて誤魔化すと訝しげな表情をされたが、中断した愛撫を再開したらすぐに流されてしまった。足の付け根まで昇り詰めれば慎ましく閉じた花弁が目の前に迫る。持ち上げた足を更に高く上げて舌を伸ばした。
「ぁ…んぅッ」
「すっげ…大洪水だな。」
「い、う…なぁッ」
「こんなにほぐれてんなら大丈夫か。」
「んぁあ!」
襞を捲り上げるように舐めていたかと思えば、指が差し入れられる。一本だけなのだろうが、ロックオンの長い指は奥まで擦り上げてきた。待ちわびた快感に自分でも分かるほどきつく締め付けてしまう。それに加え腰も勝手に揺れてしまうから、ロックオンの前から逃げたくなった。
「ぁ…あっ…ぅんっ」
「はは、入れただけできゅうきゅうに絡まっちゃって。俺の指、食い千切られそうだ。」
「…ん、ぁ…」
「そんなに気持ちいい?」
「ゃあ…うぅ…」
わざと羞恥を煽る言葉を選び、身悶える様を舌なめずりしながら眺める。薄紅に染まった躯が噛み付きたい衝動を沸き上がらせた。蜜壷を撫で上げれば腰を捩り背を反らせる。指を伝い落ちる蜜に熱い吐息を吐き出すと伸び上がって赤く熟れた唇に噛み付いた。
前からも後ろからも指を入れられ蜜壷を掻き回されると言葉が何一つとして発せられなくなった。あまりの快感に逃れようと腰を捩ったところで大した抵抗にはならない。ぐちゅぐちゅという卑猥な音に耐えられなくて僅かに反らせる上体を目の前の胸に伏せる。額を擦り付けて「イヤだ」と訴えると小さく笑う声と共に圧迫感が増した。
「ひぁう!!」
「そんなに強請らなくてもいっぱいしてやるって。」
「ち、がぅ」
「違う?ココは嬉しそうだけど?」
「あッぁん!」
中で指が擦りあわされると背筋をびりびりと電流が走るような衝撃に襲われる。信じられないくらいの甘い声を出す口を塞ぎたくても、目の前の体にしがみ付きたくても自由を奪われた両手ではどちらも叶わない。あまりのもどかしさに涙が溢れてきた。
「ろっ…くぉ…ッん」
「んー?」
びくびくと跳ねる躯を凭れさせているのだから刹那の反応は逐一気付いているはずなのに惚けてみせる。それどころか単調な動きをしていた指をばらばらに動かし始めた。
「ぁあッあ、ぁう、んっくぅ…」
「なに?刹那」
「ぁ、も…もぉ…」
「もう?」
「ゃあッ、あ、ぃ…やぁ」
「何がイヤ?」
明確な言葉を言わせたい意図は分かっていても絶対に言いたくない、と頑なに首を振る。ぐりぐりと額を擦り付けて口をつぐんだ。
「分かった、分かったよ。」
「ぁ…ふ…」
「悪戯が過ぎたかな。」
苦笑交じりの声とともに顎を持ち上げられて頬を伝う涙を掬い取られる。ぼんやりと霞んだ視界にロックオンを映し出すと今度は唇を吸い上げられた。
「どうする?刹那。」
「…あ…?」
「ココ。」
「ぁん!」
「一回イくか?それとももう欲しい?」
埋めたままの指を擦り上げればぴくっと跳ねる躯が身動ぎつつ擦り寄ってくる。さっきまで好き勝手やったお詫びとばかりに聞いてみたのだが快感を詰め込み過ぎたのかぼんやりと見上げてくるだけだ。度が過ぎたな、と苦笑を漏らして指を引き抜き、立つのも限界であろう躯を楽にするべく手首をコックから外す。抱き寄せた躯を担ぎ上げようとしたら縛ったままの手首が首の後ろへ回された。
「刹那?」
「ん…」
ぐっと引き寄せられて唇を塞がれてしまった。思わず固まってしまっていると拙く舌が伸ばされる。
−…そういや…ディープキスが随分気に入ってたんだっけ…
お腹を空かせた猫のようにぺろぺろと舐める刹那を好きにさせてバスタブの淵に腰掛ける。これならば首が辛くないだろうというのがロックオンの考えだ。計らいが伝わったかは定かではないが刹那がより凭れかかってくる。それは抱き締めるように支えて密着させてやるとゆっくり唇が離れていった。
「…ろっくぉ…」
「ん?」
「…ほしぃ…」
「ッ!!!」
とろんと溶けきった表情で腰を摺り寄せながらぽつりと囁かれ、思わず鼻血を噴きそうになった。ギャップ萌えとはよく言ったもので…ロックオンにしたら心臓に悪すぎる。
「…俺早死にするかも…」
「…は?…」
「ん…いや…」
「…?…分からないが…コレも…やだ。」
「うん?」
思わず鼻を押さえていると、不機嫌そうな表情で首の後ろをくっと引かれる。相変わらずの言葉足らずにきょとりとしていると、首から外された手でくいくいとインナーを引っ張られた。
「…素肌がいい?」
「……ん…」
こつりと額を合わせて確認を取るとその頬が僅かに緩み朱が深みを増した。間違っていないと分かると手早くインナーを脱ぎ捨てて改めてその小さい躯を引き寄せる。再び首に腕を回してきた所で膝の上に座らせた。
「ちょっと…腰上げられるか?」
「…ん…」
腕を利用して肩に乗り上げるような姿勢になった刹那の腰を掴み、取り出した己の分身を擦り付ける。ため息のような熱い息を耳元で感じ溢れる蜜が伝ってくる感触に背筋を小さく震わせてその細腰を撫でた。無意識に揺れる腰が厭らしくこれ以上にないほど張り詰めた肉棒を花弁に押し付ける。
「ぁふ…ッ…」
「…まだ入れてないぜ?」
「ん…はや…くっ」
「はいはい。」
押し当てられた熱さに声を漏らせば笑い混じりの声が掛けられた。羞恥に荒げれば逆効果だったらしく、更に焦らされてぬるぬると行き来ばかりさせられる。
「ろっくぉ!」
「今くれてやるよ。」
躯の疼きに勝てず名前を叫べば漸く動いてくれた。ぐっと掴まれた腰を引き寄せられ、それに伴い熱の塊が入り込んで来る。ぞくぞくと震える背筋に目の前の体に縋りつけばがくりと視界が下がった。
「ぃあぁぁぁッ!!」
「っ…は…」
ズンっと腹の底から頭の先まで走り抜けた形容しがたい衝撃に顎を仰け反らせた。内側から発せられる熱に頭がくらくらと揺れ始める。
「…せつな…締めすぎ…」
「あッ…ぁっ…」
「んなに…焦らしたか?」
「んぅ…」
あまりの締め付けと纏わり付く内壁の気持ちよさに呼吸が上がり、未だ小さく痙攣をする躯を抱き寄せると浅く呼吸を繰り返す唇に己のそれを重ねた。ぴくりと一瞬の痙攣の後に絡み付いてきた舌を甘噛みして腰を揺すり始める。
「んっ…んっふぅ…」
篭る声に開放すれば揺らす動きに同調して掠れた吐息が首に掛かる。まるで猫が気持ちいいと擦り寄ってきているかのようなその行動に淡く笑みが漏れた。
刹那と体勢を入れ替えて思う存分腰を振るう。バスタブの淵という不安定な場所に座らせ、腰を鷲掴みにすれば思ったより自由に動く事が出来た。
「あッ…はぁんっ…くんぅ!」
「は…っふ…」
「ぅあッ…あぁっ…!」
「せつ、な…」
陶酔状態に近いだろう刹那の腰に己のそれをぶつけ、うねる内壁とぐずぐずに解けた蜜壷の気持ち良さにロックオンの理性もくすんで来ている。打ち付ける度に響く粘着質な音と刹那の高い嬌声…びくりと反り返る背に反して擦り付けられる腰…理性を保とうと振られる頭と酔い痴れた表情…その全てが己の腕の中に納まっているのだという優越感が更に呼吸を浅くする。
「ひぁ…あう!」
「ぅ…は…」
「やぁ…やっ…おっき…ぃ…!」
乱れる姿に興奮して更に大きく育ててしまった肉棒の容赦ない突き上げに刹那が泣き始めた。最奥まで突き入れられ耐えがたい快感の波に、脳がぐずぐずに溶けておかしくなってしまうのではないかと怖くなる。それでももっとと強請る躯に当惑してしまった。
「はッ…ぁうッ…や、らぁ!」
「ふ…ぅん?」
「らめッ…もっ…おか…ひくぅ…な、あぁ!」
「…は…呂律…回んなく…なって、きた…な…」
「やらっ…もぉ…もッ…ゆるひ…てぇ!」
更に締まる蜜壷とがくがくと痙攣し始める躯に刹那の限界が近いと感じ取る。それとともに己の限界にも追い詰められている自覚に、開放が近づいていた。上手く言葉の紡げなくなった唇でロックオンに希う刹那の足が躯に巻きついてくる。普段では見れないその姿にロックオンは舌舐め擦りすると腰を一層強く打ち付けた。
「ひぁ!あッあ、う!くっあぁ!」
「もぉ…ちょい…」
「あッあッやっぁあ!もっら、めぇ!!」
「ぅッくぅ…」
「ぃあぁぁぁぁ!!!」
一際強く打ち付けると刹那の背がビクッと仰け反った。同時に絞り上げるような蜜壷にぞくぞくっとした快感が走り抜け最奥へと熱をぶちまける。
「あ、あぁ、あああ、ぁあ…」
数回に分けて放たれる熱に躯が強張るが、同時にロックオンが強く抱き寄せてくれて心が歓喜に打ち震えた。どのくらいそのままでいたのだろうか、互いの荒い呼吸をしばらく聞いていたらふと腕の力が緩められる。隅々まで行き渡る痺れに上手く動けず、億劫に見上げるとロックオンの碧の瞳とかち合った。
「…せつな…」
水の膜が張ったような瞳に己の姿が映っている事に気付き、僅かに開かれた唇から名を呼ばれて返事の代わりに微笑を浮かべた。きっとそれは意図的ではないのだけれど…ロックオンの喉仏が上下する様子が見える。
「…ろっくお…」
舌の付け根が痺れたような感覚に上手く言葉が紡げず、それでもまだ離してほしくないと訴えたくて唇を開く。必死に見えたのだろうその行動に対してロックオンは、ゆっくりでいい、と暗に伝えるべく口付けを落としてくれた。それがとても心地よくて彼の首に回したままの手首に力を入れる。
「刹那?」
「…ろっく…ぉ…」
「ぅん?」
「……も…っと…」
甘えるように鼻先を首に擦り付けて言葉を紡げばぴくりと跳ねたように思えた。迷惑だったか、と離れようとした瞬間、躯を抱え上げられて唇に噛み付かれた。
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