ねこやまい

最近俺にストーカーがついた。
…それはある日突然始まった。家を一歩出れば電柱の影や生垣の隙間…果てはブロック塀の隙間からまでソイツはこっそりこちらを伺ってくる。
…猫耳と尻尾つけた中忍って何の冗談だろう…。
放っておくとどこまでもどこまでも着いてくる。この間など任務に出かける俺についてこようとして、門番に止められていた。
一体何故…!?
確かに例の中忍は俺の部下の元担任だが、接点と言えばそれだけだ。
それはどう考えても俺を付回す理由にはならない。
しばらく放置していたが、今日も今日とて家の前でうろうろしているので、俺の我慢も限界だ。
俺の家をじっと見つめている中忍の背後に回りこみ、襟首を捕まえて持ちあげてやった。猫のコスプレなんかしてるヤツには、それ相応の対応をしてやる。
「ちょっとアンタ!一体何のつもりよ!?」
脅しもこめて殺気を放ちながら目の前にぶら下げた中忍を問い詰めるた。
「にゃ!にゃー!!!」
…あくまでも猫のフリを通すつもりか…。
「アンタね!ふざけんのもいい加減にしなさいよ!こんな耳なんかつけてもかわいくないっての!」
思いっきりイルカの頭についている耳を引っ張ってやった。だが…
「フギャ!!!フーッ!!!」
中忍の怪しい耳もどきが外れなかっただけでなく、猫そっくりの声で抗議してきた。
「…ちょっと。アンタ言葉はどうしたのよ!」
思わず手を離すと、サーッと近くの電柱影まで走って行って、必死で毛づくろいをしている。その様子は正に猫そのもの。
流石にコレは演技ではないだろう。…演技でわざわざ手で顔を洗ったり、四足で走ったりはしないはずだ。
恐る恐る手を伸ばすと、イルカはカカシを見て口の端を吊り上げると。
「にゃー」
と鳴いた。
にゃー?いまこの中忍ニャーって言わなかった!?それも猫そっくりに…!!!
「ちょっと!どうしたんですか!?」
流石に驚いてイルカの顔を掴んで問い詰めたが、イルカは嬉しそうに笑ったまま、頭を手にこすりつけてくる。
「にゃーご。ぐるぐるぐる…。」
…ご機嫌な声まで付いている。
「だから!喉鳴らされても!って、人間の喉がなるかー!!!…一体なんだ!なんなんだ!?」
慌てふためくカカシのことなどどこ吹く風で、イルカは手をカカシの額宛に伸ばして遊んでいる。
明らかにただ事ではない。
「さ、三代目!!!」
俺は再びイルカの襟首を引っつかみ、三代目の元へ急いだ。
*****
「三代目!」
「おお!イルカ!縄張りからいなくなったんで、心配しとったんじゃぞ?こっちへおいで!」
俺が血相変えて執務室へ飛び込んできたというのに、三代目は俺が床に下ろしたとたんに擦り寄って行ったイルカに話しかけるばかりで、俺のことは 全く無視している。
だが、三代目はイルカの猫耳については全く気にしていない…と、いうことは、敵の術かなにかだとしても、危険なものではないんだろう。とりあえずは一安心だ。
妙な格好の引き取り手も見つかったし、後は三代目に任せれば…。
「カカシ。どこでイルカを見つけたのじゃ!?コヤツは縄張りから出たりはせんはずじゃが…」
縄張り…さっきもそんな事を行っていた。良く分からないがまるっきり猫になりきっているということだろうか。
一刻も早く帰宅するために、俺は三代目の疑問に答えた。
「…俺のストーカーやってましたよ。この先生。…一体何の術なんですか?」
イルカを指差すと、スッと寄ってきて匂いをかいでいる。こんな所まで猫そっくりだ。もし術ならさっさと解いてやらないと、明らかに社会生活に障害が出る。
「おかしいのぉ?縄張りから出るなどありえんのじゃが…。」
だが、三代目はのんきにそういいながら、イルカの顎の下をなでてやっている。イルカはゴロゴロと嬉しそうだが…そんなコトより説明してくれ!
「だから!コレは一体何なんです!」
俺がどなると、しぶしぶと言った様子で、三代目が説明しだした。
「ねこやまいに感染しとるだけじゃ。」
その病に感染したものは、その名の通り、猫の耳と尻尾が生えてくる、そして自分の縄張り…大抵は普段生活していた家を中心にして1km程度から出ることなく 過ごす。外見や声はもちろんのこと、思考や所作も猫並になってしまうのだそうだ。
そして、それはすでにそれはアカデミー内に通達済みだったらしい。だが、最近までカカシは任務に出ており、それを知らなかった。
…知っていたら、ストーカーだなんて思わずに、すぐにしかるべき手を打っていただろう。
だが、コレは放っておけば治るので、放置が基本らしい。縄張りから出ることは無いので、適当に餌もとい食事だけ与えて様子を見るだけでいいという。
逆に薬なんかは効かず、またたびや酒で興奮するくらいだと説明された。
「じゃあこの人はほっとけばいいんですね。」
何も知らない里人が見たら驚くかもしれないが、事情を知っている火影なら簡単に管理できるだろう。
「待て。この病にかかったものは、めったに縄張りから出たりはせん。火事だの何だのが起きれば別じゃが…じゃがお主の所に行ったということは、 カカシ、お主に執着しておるんじゃろう。…連れて帰って世話をするように。」
ちょっと待て!なんだそれは!?
「だって感染って言いましたよね?!俺一応看板上忍なんですけど!!!」
当然カカシは意義を唱えた。病気ならこれまでのことはしょうがない。だが、移るのは大問題だ。猫耳生やした顔でビンゴブックに載るなんて冗談じゃない! 何よりイルカはすっかり理性を失っているようだ。上忍である自分が同じ状態になったら、それは天災となりうる。
至極当然の事を訴えたつもりだったが、三代目は一蹴した。
「安心せい。イルカが特殊なんじゃ。…普通はこんなもんに感染するのは子どもだけじゃし、イルカはちょっとな…オクテじゃから…。」
「何の関係があるんですか…?」
大体俺はそんな病気聞いたこと無いぞ?…確かにイルカは教え子の変化ごときで鼻血を吹いたと言う逸話があるくらいだから、相当にオクテなんだろうが、 それが何の関係が…?
納得がいかないので、視線で三代目に説明を促した。
「純粋なものほどかかりやすい。その点お前ならば安心じゃ!!!」
だが、力いっぱいそんな事を宣言され、カカシは脱力した。
「それ…褒めてないですよ…。」
…結局良く分からないまま、三代目に押し切られる形でイルカを自宅で預かることになってしまった。
「イルカ、先生?」
「んなーお!なー!」
イルカは、何度も強制的に移動させられてのがいやだったのか、ひとしきりカカシに文句をいったあと、見知らぬ場所に戸惑いながらカカシの家中を見て 匂いをかぎまわっている。
…4つ足で。
「ちょっと本気で勘弁して欲しいんだけど…」
だが、それに応えてくれたのは、イルカのご機嫌なゴロゴロと言う鳴き声だけだった。
*****
見ている。イルカが…ずっと俺の事を…。
イルカが家に来て今日で1週間になる。
その間ずっと、延々とイルカはカカシについてまわった。
トイレに入れば扉をカリカリと引っかき、あまりにもうるさいので少しだけ開けてやると、そのわずかな隙間からじーっとカカシを見つめている。
そしてそれは他の扉でも同じだった。
買い物から帰ってくると、勝手に買い物袋の中に顔を突っ込んで匂いをかぎまくり、チェックが済むまで冷蔵庫に物をしまわせてくれない。 仕舞おうとするとにゃごにゃごと文句を言って、カカシの足に噛み付いてきたりするのだ。
寝室で疲れた身体を休めようと横になると、すかさずイルカが飛んできて、勝手にカカシの上に乗って寝る。猫耳をつけていようが、尻尾が生えていようが、 イルカは猫ではなく立派な成人男子だ。…つまり重い。
しかも忍犬たちを見ると激しく威嚇するので、今は全員引っ込めてある。
要するに正に勝手気まま猫そのもの。
今も、イチャパラを読書中の俺の膝に乗っかってゴロゴロと喉をならしてご満悦だ。
「イルカ。重いよ。」
「んなーお。ゴロゴロ…」
「お返事は良いから。名前読んだんじゃなくて。下りて。」
「なー!」
イルカは尻尾を逆立てながら抗議しているが、いくら鍛え上げた肉体を持つ上忍でも流石に成人男子は重い。それにそろそろ食事もしたい。
いつもの様に、文句を言っているイルカの襟首を掴み、膝から下ろした。
イルカがきてからは、料理をしていると、足元にイルカが擦り寄ってきて危ないのだ。包丁を使っていようが、炒め物をしていようが、イルカは全く気にせず、 ゆれるエプロンの紐にじゃれ付いてきたりするので、今はもっぱらすぐ作れるラーメンなどのインスタント食品ばかりを食べている。
「ちょっとまってて。すぐ作るから。」
「なー…」
悲しそうに鳴かれると、こちらが悪い事をしている気になるが、とにかく手早くカップラーメンに湯を注ぎ、足にまとわりついてくるイルカに気をつけながら、 食卓についた。
イルカは匂いで何を作っているかわかったのか、そわそわと落ち着きがない。
「なー!なーお!なー!」
「はいはい。もう食べられるから落ち着いて。」
「んなー!」
熱心に催促するイルカは椅子に座ってくれないので、やむなく膝の上に乗せる。
「熱いから気をつけてね。」
「なう!」
広めの更にのせてやり、冷ましてからイルカに与える。一度冷まさずにそのまま与えたときに、がっついたイルカがすぐに食べようとして「フギャ!」 っとないているのを見てからは、今の方法に切り替えた。
自業自得であっても、イルカは嫌なことがあるとカカシにふぎゃふぎゃと文句を言ってくるので先手を打つことにしたのだ。
「おいしい?」
「な!」
美味そうにラーメンをむさぼるイルカの頭をなでてやりながら、カカシも自分の分を食べ始めたのだった。
*****
「なんかねぇ…大変って言うか結構手がかかるのよね。うちのイルカ。」
上忍待機室でついついイルカの事を話し出したら、止まらなくなってしまった。だって可愛いのだ!外見は確かに成人した男だが、しぐさはちょっと 気まぐれな猫そのもの。元々動物好きなカカシにとって、イルカはすでに自分の飼い猫同然となっていた。
「おまえな…今の完全に猫馬鹿のセリフだぞ?」
「うちのって…イルカ先生かわいそう…。」
アスマや紅が呆れた顔で何か言っているが、気にもならない。
「でもね!任務から帰ってくるでしょ?そうするとイルカがにゃごにゃご鳴きながら玄関に迎えに来るのよ!しかも、擦り寄ってくるし!舐めてくれるの! 可愛いでしょ?」
自分でもおかしいと思うくらいイルカに夢中だ。忍犬たちは仲間と言う意識が強いが、イルカはカカシがはじめて飼う愛玩動物。
…今まで何の役にも立たない生き物を飼う気持ちが分からなかったが、今なら分かる。
だってこんなに可愛い生き物なしで、コレまで生きてきたことが信じられない!もうイルカなしでは生きていけないとさえ思う。
「あー…勝手にしろ…。」
「可愛いのは分かったけど…いつまでその状態続くのよ?」
「さあ?でもいいんじゃない?ずっとこのままでも。」
三代目は面倒を見ろといっていたが、いつまで見るのかまで言ってこなかった。ということは、イルカがこの状態である限りは、ずっと飼って いられるということだ!
この際元に戻ったとしても、術をかけてペットにしてしまいたいと思うほど、今のカカシはイルカに夢中だ。
「あ、ご飯の時間だ。じゃ!俺帰るね!」
ご飯が遅れるとイルカが悲しそうな顔をするし、怒るので急がないと。ま、怒った顔も可愛いんだけどね!
「…まるでノロケだな。」
「本人自覚してないのが痛いわね。」
上忍待機室を出るときにも二人が何か言っていたが、気が急いていた俺は、すっかり無視してイルカの元へ急いだ。
*****
「猫の癖に風呂好きだよねぇ。イルカは。」
「んなーおぅ!」
結局少しご飯の時間が遅れてしまったので、イルカに拗ねられてしまった。今はその斜めになったご機嫌を元に戻すために、イルカが大好きな風呂に 入れてやっている所だ。
猫は普通風呂を嫌がるものだと思っていたが、イルカはカカシの家に来たときから喜んで風呂に入りたがった。ひょっとすると元々 のイルカが風呂好きなのかもしれない。
「さ、出ようか。」
「ごろごろごろごろ…」
カカシの手に顎を擦り付けて目を細めるイルカをなでてやりながら、カカシは先ほどアスマたちに言われた事を思い出していた。
いつ、この状態が治るのか?そして…このイルカがいない生活…考えられない…!本気で術をかけてしまおうか…それとも…。
イルカを拭いてやりながら。カカシが思考に沈んでいると、かまってくれないことに焦れたのか、イルカがカカシの腰に巻いたバスタオルに 噛み付いて引っ張りだした。
「こーら!だめでしょ?」
「んうー!」
カカシが注意したことが返ってイルカのイタズラ心に火をつけたようだ。目をまん丸にして、ムキになって引っ張っている。
「ほら、だーめ。返してね。」
本気になってくると興奮して暴れだすこともあるので、被害が出る前にバスタオルをはずして洗濯機に放り込んだ。
「なー!」
イルカは不満げにカカシを見上げて抗議している。
…赤い。口。興奮してキラキラした瞳。
意識していなかったが、今、自分は裸で、イルカももちろん同じ。
ちょっと待て!俺には獣姦嗜好はなかったはずだ!!!
焦りながらも己を見れば、ちょっと反応していた。焦りながらもカカシは自分に言い聞かせた。
落ち着け俺!今のイルカは猫だから、コレが何でなのかはわからないはずだ!
「…イルカ。パジャマ着ようね。」
内心焦りながら、いつもの様にイルカにパジャマを着せようとしていると、イルカが興味深げにカカシの…その、ナニを見つめている。
「なー」
しかもそっと顔を近づけて匂いを…!
その瞬間、カカシは生まれてはじめて己の理性がすっ飛ぶという経験をした。
*****

*****
「…やっちゃった…。」
すっかり完全に頭に血が上って、洗い立てのイルカをベッドに連れ込み、しっかり最後まで頂いてしまった。
驚いたのか、それとも感じているのか、いつもと違う声で鳴くイルカにカカシの興奮は冷めることが無く、相当とんでもないマネをしてしまったと 言う自覚がある。
イルカが目を覚ましたら、ラーメンでご機嫌を取らなくては…!!!
そう思っていたときだ。イルカが身じろぎすると、うっすらと瞳を開き、呟いた。
「ん。あれ…?」
あ、人間のイルカ先生…!?
何もこんなときに戻らなくても!いや、戻っても俺のうちの子でいてもらうつもりだったけどさ!
とにかく…これは言い訳の仕様がない!?どうしようか…!?
カカシは慌てふためきながら、寝ぼけ眼イルカに、叫ぶように言った。
「あ、あのですね。これは、その!貴方があんまりにも可愛いので!」
だが、カカシの顔を見るなり、イルカが笑み崩れた。
「あ、かかししぇんしぇー…?えへへ。すきー…」
…今結構凄いコトいったよね。このひと。そっか。そういうことだったのか。
ニコニコ笑いながらカカシにしがみ付いて嬉しそうにしているイルカは、猫のときと同じくらい可愛い。…思わずぎゅっと抱きしめた。
イルカの方も、カカシの行動に気づいているのかいないのか、ぎゅうぎゅう抱きついてくる。
「だいすきー…眠い。寝る。」
…だったらもらっちゃってもいいよね。だって!もう家の子だし!!!
カカシは美味しいものを食べた後に見せるような笑顔でスリスリとなついてくるイルカを、貰ってしまうことにした。
*****
「それでね、その後俺も好きです!っていったら、イルカもうなずいてくれたのよ!でも…未だにイルカは俺のベッドに乗ってくるし、ちょっと気まぐれだから 治ったのかどうかいまいち不安なんだよねー?」
「そうか、バカップルは勝手にやってろ。」
「なんていうか…やっぱりねー…。」
折角可愛いイルカの話をしてやっていると言うのに、アスマも紅もちゃんと聞いていないようだ。
「人が真剣に悩んでるんだから、ちょっとは考えなさいよ!」
「元々それがイルカの性格なんだろ。」
「いいじゃない。気まぐれなアンタの子猫ちゃんなんでしょ?」
子猫ちゃん…子猫って言うには育ちすぎてるからちょっとアレだけど…。その響きはいいな…!
「今度俺の子猫ちゃんって呼んでみようかな…。」
確かに可愛くてイタズラ好きでなつっこくて…子猫そのものかも!
耳とかはいつの間にか消えちゃったけど、そのままでも十分子猫ちゃんだな!
「好きにしろ。」
「勝手にしたら?」
俺が幸せな気分に浸っているのに、役に立たない相談相手は不満げだ。
…可愛いすぎるうちのイルカがうらやましくなったのかもしれないな。
哀れみの視線を二人の寂しい上忍に向けていると、俺の愛しの子猫ちゃんが飛び込んできた。
「カカシ先生!」
「あ!イルカ!」
朝別れたときも可愛いと思ったが、今見ても凄く可愛い。すかさず腕の中に閉じ込める。
「わ!ダメです!ここじゃ!」
「えー?もう!朝は怒らなかったじゃない?気まぐれやさんなんだから!」
今朝抱きしめたときは真っ赤な顔しながら行ってきますっていってくれたのに…!ま、こういうところもたまらなく可愛いんだけどね!
「そういう問題か…?」
「突っ込んだら負けよ?」
外野の五月蝿さも、イルカを前にするとどうでもよくなる。
「あ、あの。家に帰ってから…」
「そ?じゃ、早く帰りましょ。」
いつもの様にイルカを抱き上げ、うちに運ぼうとすると、イルカがじたばた暴れたが、気にせずさっさと上忍待機所を後にした。
この後でどうやってイルカを子猫ちゃんにするか楽しみにしながら…。

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リクがまだやってきませんので、一応10000HIT祝い的な何かです。
要するにぬこはかわいくて、油断するとうっかり萌えじぬかも知れないと言う話です!!!←アホ丸出し。
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