これの続き。 中忍試験の合格通知を握り締めて、慰霊碑に報告に行った。 冷たい石に変わった父ちゃんと母ちゃんは、何も言ってくれなかったけど、それでも喜んでくれてるって思えた。 「父ちゃん。母ちゃん。…今度は俺の嫁さん、ちゃんと連れてくるから!」 プロポーズを受けてくれたのは随分前だ。 それからずっと…任務でいない時以外はいっしょに過してきた。 俺としてはすっごく嬉しいコトに、カカシちゃん…もとい、もう俺の嫁さんになる予定なんだから、カカシだな!うん!…まあとにかく、育った俺の嫁さん候補は、あの時想像した以上に可愛い上にかっこよくて美人だ。 しかも寂しがりやなのか、一人にしたり、他の人と一緒にいると無表情で嫌がるから、いっつもぺったりくっついていられてすっごく幸せなのはいうまでもない。 …すでにある意味ばら色の人生を送ってたわけなんだけど…。 でも、ずっと不安だった。 俺の大切な未来のお嫁さんは、それはもうモテた。モテまくってた。 どこへ行っても視線が追いかけてきて、俺の大切な婚約者を盗み見る。 その中には俺が思わず鼻血吹いちゃうような巨乳の人や、すっごく美人な…まあカカシちゃんほどじゃないけど、とにかく思わずびっくりしちゃうくらいの人が一杯いた。 普段、外ではお面をつけてるおちゃめな婚約者だったけど、それでも注目を浴びすぎる。 だからずっとずっとずぅーっと!俺は心配だった。誰かに盗られちゃうんじゃないかって。 でも俺が落ち込みそうになるとすぐ、アイスとかバナナとか買ってきてくれて、それに「変なのについてっちゃだめよー?」なんて言ってくれたっけ。 しっかり舐めてね?練習にもなるし」って言うのはよくわからなかったけど。 とにかく、中忍になったら改めてかっこよくプロポーズしようと思ってたのに、修行にも付き合ってもらったのにこんなに長く掛かっちゃったのは大誤算だ。 それでも…中忍試験に挑戦してはおっこち続けてていた俺を、ずっとカカシちゃんは待っていてくれた。 つまり、俺は今日、ついにやっともう一度。 男らしくカッコよく…プロポーズしなおすつもりだ。 もう大人だし、そうなったら盛り上がる雰囲気のままにカカシちゃんと色々…!その、本読んだけどよくわかんなかったりもしたけど、とにかく!名実共に夫婦になるために頑張ると決めていた。 初めて袖を通した中忍の制服は、成長期だからとちょっとサイズがでっかかったけど、風呂で全身キッチリ磨きあげて額宛をつけると、なんだかいつもより2割り増しくらいカッコよくなった気がしたし、その気にさせるためには雰囲気とか男前度とかが重要だって、知り合いのおっちゃんが言ってたから一生懸命考えた。 もうすぐ、カカシちゃん…おっと!…俺のカカシが帰ってくる。中忍試験に受かったって通知を式で飛ばしたら、帰還予定を教えてくれたから、色々準備は万端だ! 布団干したし、シーツだって替えたし、俺の考えたカッコイイセリフ集も暗記した。…後は、ガっといって、ぐっときたのを、がんってすればいいって…でも本当かなぁ? あれだけ美味いラーメン作る人は、ウソ付かないと思うけど、緊張でどきどきする。 「た、ただいまー…?」 慰霊碑から帰って、どきどきしながら自分ちのドアを開けた。 「ん。おかえりー。おめでと」 ドアップになったのは、何も隠すものなく晒された俺の大切な人の美しすぎる素顔。 「あ、ありがと!えっと、その!」 ガッと行かなきゃ行けないから、とりあえず寝室だし、えーっと、えーっと!? …そもそもガッと行くにはどうしたらイイんだ!? 手に滲む汗を、真新しい支給服のズボンで拭ったら、愛しい人がにっこり…いや、にんまりっていうか…なななんかこう!色っぽい笑顔で抱きしめてくれた。 「お祝い、上げる。…こっちおいで?」 「え!ありがとう!」 お祝い!想定外だ!すっごく嬉しいし、普段と違う様子にどきどきするけど、この場合チャンスと考えるべきだろうか? 貰ったプレゼントでなんかこう…かっこいいセリフ集その壱の三十三、「お前が一番のプレゼントだぜ!」とかをぶちかますべきなんじゃないだろうか? 色々考えて頭を一杯にしてる間に、俺の足からは脚絆もサンダルも消えていて、ついでに寝室に到着していた。 これは、正にチャンス…! 「おま…!」 勢い込んで告げようとしたセリフを、甘い声が遮った。 「ねぇ。お祝い、受け取って?」 カカシちゃんが裸だ。もっと具体的に言うと、上半身が裸で、下半身は…ズボンの前だけ開けてて、ちらっとこう…色々と見ちゃうと照れちゃうっていうか、そういえばこれ、教本には舐めるって書いてあったけど、どうやって!? とにかく、でもまずは。 …キスが先決だ。たしかそうだったはずだ。 「カカシ…」 気が付いたら、誘われるようにして寄せた唇に食らいつかれていた。 ウットリしてる間にサクサク俺の服は床に落とされて、ついでになんか変な声が俺の口からこぼれててて、もっとねっとりしたもので股間を汚していて…。 一瞬の痛みと共に凄まじい異物感を感じて、叫び声を上げそうになった口を、その柔らかくて器用でそこら中に痕を残した唇にふさがれて揺さぶられて…訳が分からなくなるくらい気持ちよくなって。 「イルカ…これで、全部俺のだ」 その声に、これでカカシも全部俺のだって思って、ソレがすごく嬉しくて、でものっぴきならない下半身事情の高まりの方も押し寄せてきて後はもう訳が分からなくなった。 ***** で、それからどうなったかっていうとだ。 「んー?だいじょうぶ?」 「だ、だいじょうぶ…だと思う…から抜いてー…!」 「それは無理かなー?大丈夫なら次ね?」 「えぇ!?んあっ!」 今日も今日とて任務を追えて、可愛い可愛い婚約者から、可愛いし美人だしカッコイイ大事な大事な…俺の…嫁さんのようなそうでないような…?とにかく!伴侶になったカカシちゃんと、一戦交えたっていうか、俺が一杯出してる間にカカシちゃんが何回出だしたか分からないけど、とにかくぐちゃぐちゃになるまで愛を確かめ合っている。 それなのに、興奮を隠さないカカシちゃんに甘い痺れを残している腰を掴まれ、中に入ったまま硬度を失わない熱い肉がゆるゆると出し入れされてて、もう止めないとと思っていた俺を唆す。 「もっと欲しい。ねぇ、ちょうだい?」 「んっ…!あぁっ…!うー…!俺も…もっと」 「りょーかい」 こうやってなんのかんのと蕩かされて、甘くて熱い息で二人して部屋を染めあげて。 「カカシ…!」 「ん。俺の、イルカ…!」 汗だくになって愛を囁きあって、溶けるほどに交じり合って。 「「あいしてる」」 何て最高の生活なんだろう! カカシちゃんは意外と嫉妬深いし、心配性だし、首輪付けたいとかおもしろい冗談もいうけど、そこがまた俺の胸をときめかせてくれる。 勿論カカシちゃんも、俺のこと好きだって言ってくれるし、イルカはそのままでいてね?って笑って抱きしめてくれる。 まあとにかく。色々予想外のことがあるのが人生で、これからも何があるかなんて分からない。 でも、確実に分かってるのは…。 俺たちの人生がばら色だってことかな! ********************************************************************************* にーずがあったのでつづきーつづきー! …アホですが愛は溢れかえってるので…! ではではー!なにかしらつっこみだのご感想だの御気軽にどうぞー! |