これの続き。 飯は美味くて花見が楽しみで、うっかり幸せボケしすぎたかもしれない。 そう気付いたのはくっついてくるカカシさんと他愛のない話をしているうちに昼飯を食って、言質取ったから昼寝してもいいですよとか言われたときのことだった。 何もしてない間に随分と時間が経ってるじゃないか。折角の休日なんだし、もっとこう色々…! っていっても、色々の中身はすぐには思いつかないんだが!激務のカカシさんをもっと休ませたいとか、考えていることは山ほどあったはずなのに、美味い飯とカカシさんの笑顔とさりげない優しさに思考力を奪われすぎだろ。俺。 「あの!俺!」 「イラナイ。お昼寝しましょ?夜はスルけど、流石にそろそろこの薬でもガタきちゃうだろうし。暗部用のは流石にね。色狂いってのも悪くはないけど、他のヤツに目ぇつけられたら殺さなきゃいけなくなるじゃない?」 「へ?え?ええと?」 不穏な単語が頭の表面を上滑りしていった。なんかすごいこといってた気がするんだが、それよりなによりカカシさんの妙に暗く淀んで見える瞳の方が気になった。大丈夫なんだろうか。やっぱり疲れさせちまったんじゃないのか? 「ほしといたからお布団ふかふかでしょ?」 「うお!ホントだ!ふっかふかですね!」 布団の感触にテンションが上がりすぎてついつい触ってしまっているうちにひょいっと転がされてその布団を上にかけられていた。 寝心地最高!じゃねぇ!カカシさんだ!カカシさんの方が疲れてるんだから休まなきゃ駄目だろうが! 「なぁに。どうしたの?」 「いっしょに!お昼寝しましょう!布団ふかふかだし!」 まあ俺がふかふかにしたわけじゃないんだが、とにかく休ませなきゃいけない。晩飯は…味の保障はできないが、俺ががんばればいいだけの話なんだし、起こさないように作るのは大変かもしれないけど、そこも俺の努力しだいだよな。 「んー?ま、がんばりますよ」 「え?カカシさんはもうたくさんがんばってますよ?しっかり休んでください!」 休んで欲しいのにこんなことばっかりいうんだよな。この人は。俺じゃ力不足なのは承知の上だけど、もっとできることがあるはずだ。 悲しくなってぎゅうっと抱きしめたら、カカシさんのくすくす笑いが耳元をくすぐった。なんで笑ってるんだろう? 「そ?じゃ、そうします。だからほら寝ましょ?」 「はい!」 子守唄をと思ったらイラナイって言われて、じゃあせめてと背中を撫でてみたら、こういうのも楽しいかもねってカカシさんが笑ってくれた。 嬉しいのと何故か急激に襲ってきた眠気に負けて意識を手放すまで、カカシさんを撫でて上げられたと思う。 「もうがんばってる、ねぇ?ふふ…寝てる間につっこんじゃおうかなー?」 意識が落ちる瞬間、そう聞こえた気がしたのは記憶が曖昧すぎて自信がなかったけどな。 突っ込むって何をどこへって、聞けたかどうかすら覚えていない。 ******************************************************************************** 適当。 中忍寝オチて餌食になるまでもうちょっと。 |