誕生日特権8(適当)


これの続き。




丈夫なのが取柄だと思っていたのにこの体たらく。
いや他になにも取柄がないってわけじゃ…ない、よな?
まあとにかく。俺はしばらく眠り込んでいたらしい。
「あ、起きた!」
「わぁ!?」
目覚めるなり至近距離に他人の顔があるという状況に思わず悲鳴を上げるほど驚いた。
彼女でもいれば別だが現状じゃ…ってその前に普通、眠ってる人間覗き込んだりしないよな。まあ病人みたいなものだから気にしてくれたんだろうけど。
「熱下がりましたね?着替えも包帯も替えておきましたから!」
「ありがとうございます…」
せっせと世話を焼いてくれているのがむずがゆいというか、落ち着かない。
確かにこの体調じゃ一人でいたら辛かったかもしれないが、こんなに色々してもらうのは逆に落ち着かない。
それと、寝ている間に着替えさせるのはこの人の癖なんだろうか…。
今更だが男相手に勃つようなひとなんだよなぁ。この人は。
それともこの人も疲れすぎていてそのせいでうっかり…とか。
…できればそう信じたい。
献身的な介護はありがたいが、これまでずっと一人でなんとかしてきたんだから平気なんだよ。
変に甘やかさないで欲しい。どこまでも甘えてしまいたくなるじゃないか。
まあ突拍子もない発言の連続で、正気に戻してくれるんだけどな…。
「お祝いは…今度にしましょうか?」
でもそんなことを言い出すとは思わなかった。
俺の同期は刺されてもしなないような連中ばっかりで、手当てを怠るなんて事はないにしても、当然のようにお互いの扱いはぞんざいだ。
自分はその中でも割と頑丈な方だから、こんな風にされるとなんだか調子が狂う。
第一、こんなに一生懸命に準備してくれたのに、それを無碍にできるわけがない。
…逃げ道として祝おうとしようなんて考えはもうとっくにどこかにいってしまっていた。
「平気です。俺は結構頑丈なんですよ。誕生日ケーキ買ってきてくださったんですよね?後はえーっと!?ここ里内ですよね?俺の家までひとっ走り…」
「駄目です。そんな体で出歩かせるなんて」
「へ?」
なんだそりゃ。俺はどこの乙女だ。
…まあ確かに怪我してるんだから無茶は良くないかもしれない。倒れでもしたらその分周りに負担が行くからな。
でもだな。いい年こいた男相手に何を言い出すんだこの人は。
これでも忍だ。怪我を推しての任務などいくらでも経験がある。
何でこの人はこんなに必死になって俺を…ってこれが守るのつもりなのか?
「うわごとのように流しの下の酒瓶というのは聞いてましたし、ちゃんと持ってきましたよ?」
「え!あ!これだ!ありがとうございます!」
よかった!これで祝える!なんて思っていた俺は気付かなかった。
…なんでこの人が俺の家を知っているのかということに。



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適当。
あかんねむいのでみじかい。
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