誕生日特権10(適当)


これの続き。




「あの、これ」
「ちゃんと誕生日用ってのを買ってきたんです」
そこで胸を張るのはどうかと思うが、確かに所謂誕生日によくあるショートケーキだ。それもやたらとでかい。いちごは真っ赤でおいしそうだし、一応チョコプレートも乗っている。
この人が何を考えてコレを買ってきたのか知らないが…。
「カカシちゃん…」
「名前のあとに何をつけたらいいですかって聞かれて…わからなかったのでお任せしますといったんですが。駄目でした?」
そんな目で見るな。
子犬みたいな目でみても、変なものは変だ。
それにしてもこの人あの胡散臭い格好で行ったんだろうか…。
まあ服装なんて自由なんだけどな。覆面がいきなりケーキくださいなんて言ったら、いくら忍の里といえども驚いただろうに。
しかも、ちゃんづけ。そして自分のためのケーキ。
…変な噂になってないといないことを祈るしかない。
「いえ、まあその、大丈夫です。でもお祝いのためのケーキなんだから俺が払います。値段…」
「え?でも夫婦の財布は一緒でしょ?」
なんで真顔で不思議がってるんだ…!
しかも誰だ。そんなことこの人に教えたのは。
「まず俺たちは夫婦じゃありません。断じて。それから…あとでお祝いってものについてちょっと話しましょうね?」
「はい」
自分が失敗したわけじゃないと思ったのか、あからさまにホッとした顔をしてくれた。
…まあ、いい。そんな顔されたら怒りにくいというか…。
この人は多分なにもかもしらないだけだろうから、頭ごなしに言ったって無駄だろう。
「ああろうそくもちゃんと貰ってきてありますね」
かわいらしい袋にきちんとろうそくも収まっている。
長いのと小さいのを取り混ぜて適当に突っ込んであるところを見ると、どう頼んだのか多少気になった。
その答えはすぐに知ることになったんだが。
「あ、はい。これ何に使うんですかねぇ?おいくつですかと聞かれたんですが」
そうか。それすらもしらないのか。
…まあ結構な年齢らしいこの人が、年齢の分だけろうそく貰ってきてたらケーキが大変なことになってただろうしいいのか。
「えーっと、それでどうしたんですか?」
「年齢なんて機密事項だし言えないでしょ?だから適当に30ですって言っておきました」
実年齢を知らないが、店員さんはさぞ困っただろうな…。
一応あいては客だ。聞いてるのはお前の年じゃないと言うには、この人は怪しすぎる。
だからどうとでもできるようにやたら多めに入っているんだろう。カカシちゃんがまさか目の前の男と知らずに。
「…まあ、いいです。いいから座ってください。…貴方の年は機密なんですよね?」
「はい。あ、でも貴方は当然知ってて大丈夫ですよ?25歳になったんです」
機密を知ってしまったことになる…んだろうな。これも。
もう諦めた。いざとなったら記憶操作でも何でもしてもらえばいい。
ちょこんと座る大柄の男の正面で、長いのを二本、短いのを五本選んでケーキに刺した。
「今から火をつけますから、いいですよって言ったら吹き消してください」
「はい」
なんでそこで真剣な瞳になるのかについて問い詰めたい気分になりながら、印を結んで火をつける。
かわいらしいケーキは、それが成人男子のものでなければ十分お祝い向きだ。この際細かいことを気にしてはいられない。
ろうそくに照らされた素顔はどこかあどけなく見える。
…それに幸せそうだ。
だから、それだけでいいと思ったんだ。


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適当。
Σ(:|3っ )⊃
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