これの続き。 清潔なシーツに横たえた人は、多分もうしばらくは動けないだろう。 「もうちょっと麦茶飲む?」 「ん」 火照った体をもてあましているのか、口移しも嫌がらない。 さっきまであんなに恥ずかしがってたのにね。もうたまらなくなって、キスだけじゃ足らなくて、思わず勢いあまってどうこうしたくなる。もう出し尽くしたはずなのにねぇ?この人が煽るから。 のたのたと布団から這い出ようとしているらしい人は、だが悲しいかな腕を持ち上げることすら叶わずにその動きを止めた。 シーツの上でぐったりと身を投げ出してもなお諦め切れないのか、呻きながら動かない体をもぞつかせている。掠れきった声が痛々しい。…ま、その全部が俺のせいなんだけど。 何度こんなことを繰り返しただろう。どうしても止まれなかった。それは多分この人も同じで、それでも無体を強いたのは事実なんだから詰ってくれても怒ってくれてもいいのに、そんな様子は少しもみせない。 単にそんなことすらできないほど疲れ切ってるだけかもしれないけど。 意地っ張りな恋人がここまで無茶をするのは、俺にだけだってわかってるから、罪悪感を凌駕する満足感があるのがまた、ね。我ながらどうしようもない。 それなのに、こんなに好きでいてくれる恋人が愛おしいなんてことばだけじゃ言い表せないくらい好きで好きで、多分俺の存在の根幹を成す部分は、この人のことだけでできていて、時々他の何もかもをなげだしてしまいたくなる。ま、それを止めてくれるのもこの人なんだけど。 つまり俺は全部この人なしじゃ成りたたないってことだ。 里の最上の犬でいられるのは、この人がそれを望んでくれるからだ。 そうじゃなくなったって俺のことを捨てたりなんかできないだろうけどね。むしろ大喜びで俺を飼ってくれるかもしれない。ずっと心配をしつづけていて、それなのに俺のためにそれを隠そうとしてくれる人だから。 もしこの目が見えなくなって、手も足も動かなくなっても、全身全霊でもって俺を守ろうとしてくれるだろう。そんな日がいつか来ることを望んでもいる。 そんな状態になったらこの人の下へは帰れやしないってことはわかってるんだけどね。 「ああもう、そんな顔しないでくださいよ」 俺が何を考えてるかなんてちっともわかってないくせにそんなことを言う恋人がちょっとだけ憎らしい。 「も、煽んないでよ。知らないよ?」 半ば脅し、いや、半分以上本気だったのに。 「カカシさんはかわいいなぁ…!」 とろけそうな笑顔で俺を抱きしめてそういってくれたから。 抱きしめてくれた腕ごと引き寄せられるようにシーツに押し付けながら、やっぱり俺はこの人には敵わないのかもしれないと思った。 ******************************************************************************** 適当。この後めちゃくちゃセッ(ry 一応ここらで仮終了的な感じで。 |