これの続き。 突っ込んでるのは俺の方なのに、獲物を喰らう雄の顔をして、しなる身体を揺らめかせている。なんていうか、絶景？ 止めようたって、きっと無理だ。この人が頑固で意地っ張りなのもあるけど、俺がこの状況に飲まれ始めている。 だってねぇ？詰めた息を耐え切れなくなってこぼすときの凄絶な色っぽさとか、ナカがキュウキュウ締め付けてくるところとか、ものすごく真剣な顔をして人の上に乗って腰を振っている恋人は、そのくせ恐ろしく獣じみた気配を纏っている。 普段もなんでかしらないけどやたらと一生懸命になってくれちゃう人だけど、こんな行為に及んでまでそんな風にしなくてもいいでしょうが。 ま、そこがまた興奮するところなんだけどね？ 「あ、あ…くッ！」 「ね、動きたい。いいでしょ？」 すごく気持ちいい。でももどかしい。苦しそうなのも気にかかって、つい許可を求めたのに、速攻却下された。 「うるせぇ…！あんた、は、じっとしてろ…！」 殺気だった台詞と鋭い目つきにくらくらする。そのくせ半開きの口からはひっきりなしに甘いかすれ声が零れて、瞳は潤んで目じりが赤く染まっている。 食べちゃいたいなんて言葉じゃ言い尽くせないくらい、この人はおいしそうだ。丸ごと飲み込んでしまいたい。むさぼりつくしたい。でもきっとどれだけやっても足らないんだ。この人はずっとこの人のもので、俺だけのものでなんかいてくれないから。 まだ馴染んでいないだろうに乱暴に腰を揺らめかすから、そのせいで体の方が素直に反応してくれている。その必死さが嬉しい。 「ん、気持ちイイ」 「…なら、いい」 ふっと笑ってくれたその顔があまりにも慈しみに満ちていて、こんなことしてる最中だなんてとても思えない。いっそその清廉な顔がとろっとろに蕩けるまで今すぐひっくり返して声も出なくなるまでやり倒してやりたいとさえ思う。 そんなことしちゃったら…めちゃくちゃ怒るだろうけど、しばらくやらせてくれないとか言い出すだろうけど、絶対に俺を捨てたりはしない。 ああ、その確信があるからこそ、余計に我慢できるのかも？ だってねぇ。この堅物を絵に描いたようなこの人が、こうやって乱れるのも自分から乗っかってくるのも、俺に対してだけだもん。 この人の特別はたくさんあるけど、その中でもさらに特別なところにおいてくれているんだと思う。 だから、それなら。できるだけそばにいて触れて触れられてずっとくっついていたいでしょ？ 「ね、動きたい」 「だま、れ。いいからあんたは動くなっていってんだろ…！」 乱暴なのにどこかぎこちない動きは気持ちイイけど物足りない。 ああもう。どうしてそんなに男前なの？生殺しだと訴えたら、多分もっと必死になってくれちゃうだけだろうから言わないけど。 「…俺にも、させて？」 この人を陥落させるのは得意だ。なにせずーっとこの人だけをみてきたんだから当然っちゃ当然か。だからそれが叶えられると半ば確信して、とびっきり甘い声で俺を受け入れてあえぐ人の手に頬を摺り寄せて強請った。 一瞬息を飲んで動きを止めたのは、確実に俺の言葉のせいだったけど、その結果は予想外だった。 「アンタ、が、そんな顔するから、止まれなくなるんだろうが…ッ！」 ぐっと身を沈めて熱く尖ったそこを全部飲み込んだのとほぼ同時に、唇に食いつかれた。 「…っふ、イルカ、せんせ…っ！ちょっ！そんな無理したら…！」 「いいから、黙れ」 気迫とは裏腹に体の方は限界らしい。小刻みに震えているそこは今にもはじけそうに膨れて、もらしたみたいにとろとろと粘液をこぼし続けている。軽くイっちゃってるのか、それとも先走りかなんて区別はつかないけど…すごく興奮した。 もう、いいよね？我慢なんて馬鹿らしいことしなくても。 …望まれたとおり言葉を発することなく突き上げた。 「っあ！なっまてって…うぁ！あっ！」 「ん。好き。大好き。気持ちイイよ。ね。もっと動いて？」 ま、これくらいは許してよ。だってかわいいかわいい恋人が、こんなにも俺をほしがってくれてるんだもん。愛の言葉なんてあふれそうなくらい胸の中で燻って、でもこの人が恥ずかしがるから半分も口に出せないでいる。こんなときくらいちょっと言い過ぎてもいいよね？ 「ん、馬鹿、やろう…！」 「うん。馬鹿でいいよ。好き」 後はもう、言葉だけじゃ足らなくなってさっき貪られるに任せた唇をこっちから食らいつきにいった。 ******************************************************************************** 適当。 久方ぶりにひどい風邪ひきたおしました。咳で夜眠れないとか何年ぶりか。これから原稿とかもがんばる所存。 |