これの続き。 比較的双方とも病んでるような気が致しますのでご注意ー! …暑いので。カカチ視点も追加してしまうことにする。 「側にいますよ…?」 柔らかく頭を撫でる手が心地良い。 さっきまで好き放題に抱いてどろどろになるまで汚したのに、今はむしろこの人に包まれて抱かれているようにさえ感じる。 この人を好きになったのは随分と前の話だ。 柔らかい微笑みも、それから温かい腕も、力強くまっすぐ心も…どれも好ましいと思っていた。 だが、違った。 任務帰りのある日のことだ。 大門を少し行った辺りの暗がりで、瞳をぎらつかせて一人歩くあの人を見つけた。 血を浴びる任務についたのだと一目でわかった。 ふわりと漂う誤魔化しようの無い血臭を漂わせて、ゆらりゆらりと歩を進める姿は、太陽の下で笑っているのとは全然違っていたのに。 これこそがこの人なのだと疑いもしなかった。 神経を研ぎ澄ましているこの人に気付かれないように、殊更入念に気配を消し、スッと後を着いて行ったが、すぐ先の曲がり道で何かが動いた。 飛びつくように向かってきたのは金髪の子どもだ。 こんな…真の闇に沈んだ里で一人うろつく子どもなど、こいつだけだろう。 …だが、この人は。 「ナルト!こんな時間になにやってんだ!あぶねぇだろ!」 頭に拳骨を一発落として、それからぎゅっと抱きしめて…手を繋いで歩いていってしまった。 きっと。あの子どもの家まで。 表情も、声も、全てが違っていた。 …だが、分かる。あれもまた演技ではないのだ。 血にまみれた手を、幼子を導く手に変えて微笑んでみせる。…いっそ清清しいほどの二面性。 好ましいという思いが、欲しくてたまらないに変わったのはその晩からだ。 それから…すぐになりふり構わず欲しいと告げて逃げるのを許さず閉じ込めた。 だが、近づいてみてすぐに気がついた。 この人は自分を随分と勘違いしている。 血を流し、それに酔うことは苦痛じゃない。 その方が楽だからだ。押し殺し、己の中に納めるよりはずっと。 手を汚すことより、奪った命分の空白が胸に宿ることの方が辛い。 なにせ血に溺れてしまうには疾うに慣れ親しみすぎているから。 …好きだと何度言ってもはぐらかすばかりで笑っている。 それは…きっとこの人が信じたくないからだ。 「最初がまずかったよねぇ…?」 任務帰り、高揚する気分のまま押し倒してその体を手に入れた。 抵抗するでもなく受け入れたのは、俺が上忍だったからだと言うつもりだろう。 …一瞬だけその瞳をよぎった強い欲望など、この人のことだからなかったコトにするつもりだ。 欲しいと望んでいるのはこの人も一緒なのに。 忍としてあろうとして、それなのにどこまでも人であることを捨てきれないこの人が、自分を追い詰めているのを知っている。 馬鹿な人だ。自分の方がずっとずっと…血を流すことを恐れているのに。 己の内にその毒を取り込み続けることのほうがずっと恐ろしい。いつか…耐え切れず狂う日が来るのだから。 今も、この人が血を流したことを悔い、夢でまで追い詰められているのを知っている。 折角教師になって、血を流す機会が減ったというのに、俺なんかを受け入れてしまったから。 思い出しては己の中にじわじわと罪悪感という名の毒を溜め込んでいる。 だが、その日を待ち望んでいるのかもしれない。俺も、この人も。 里の望む忍であろうとしながら、無自覚に俺を選んだのだから。 狂った人を閉じ込めて、自分だけのものにできたなら。 …それはきっと…きっと穏やか過ぎるほど穏やかで平和な日々になるに違いない。 だから。それまでは。…いや、それからもずっと。 「側に、いて…?」 俺を受け入れてしまった哀れな人を、捕らえたままでいようと思った。 ********************************************************************************* 適当ー! もうなんだかずっとずっとこの所あついので…。で、流石に連続なのはあれなのでこそっとリンク追加的な? ではではー!なにかしら突っ込みやらご感想などございましたら、御気軽にどうぞ!!! |