これの続き。 「ふぃー!やっぱりきもちいいなぁ!」 風呂場についたらすでにお湯が張ってあって、湯加減も丁度いいし、着替えも置いてあるしでよめのマメさに改めて感謝した。 後はゆっくり体の疲れを癒すだけだ! 服は元々着てなかったし、きしむ体を洗うのには骨が折れたけど、特製の温泉の元を振り入れてその中に体を沈めれば気にもならなくなった。 じんわりとしみこむあったかさは、人肌とはまたちがった心地よさがある。 「後でよめさんにも入ってもらうかなぁ?」 一番風呂をもらっちゃったのは申し訳ない気もするんだが、やっぱりどうせならよめにもこの心地よさを味わってもらいたい。 体も大分よくなってきた気がするし、そうと決めたら俺が朝飯の用意…っていってもおいてある料理を並べるだけになっちゃうけど、それが済んだらよめを風呂に入れて、食器の片付け位はできるかもしれない。 その後で冷たいお茶でも出して、プレゼントを手渡せば…完璧だ!多分! 「ちょっとでもよろこんでくれればいいんだけどなぁ…」 いまさらながらちょっと不安になってきた。 よめさんはわがまま一つ言わないし、甘えてくるときは甘えてきてくれるんだけど、プレゼントが本当は欲しいものじゃなくても我慢してくれそうなんだよなぁ…。 よめには余計なことを考えずに、ゆっくりくつろいで欲しい。 いつもいつも激務の合間を縫って飯を作り、掃除もし、なにくれとなく俺を気遣い、いつだってその優しい笑顔で支えてくれる。 …そんなよめを少しでも喜ばせたい。 「タイミング…それからよめさんを受け止める体力は…もう大分戻ったからいける、か…?」 作戦は重要だ。 よめさんにはちゃんと飯をたっぷり食べてもらって、風呂も堪能してもらって、それから…まあ、その、なんだ、そっちの方もがんばるのはやぶさかじゃないっていうか…! よめさんは床上手でもあるんだが、そのせいだけじゃなくて。 この上なくくっついていられる行為が、実は俺も好きなんだと思う。 ちょっとそのー…もうちょっとだけでいいから加減してもらえたらいいと思わなくもないけど、よめさんの愛情表現の激しさに愛を実感して嬉しいのも事実だしな。 「へへ…!かわいい寝顔、みちゃったし!」 思い出すだけで頬が緩む。 あんなにかわいくて美人で優しいよめを貰えたんだって、なんだか誇らしくさえ思えてくる。 「もうちょっと風呂浸かったら気合入れていくぞ…!」 突き上げた拳は、ふわりと温かいものに包み込まれた。 「よかった…!ここにいたんですね!」 よめだ。そしてよめは服を着ていない。 目のやり場に一瞬困ったけど、よめさんを心配させてしまったんだと気が付いて、慌ててそのまま抱きしめた。 「ごめん!いや、ちょっとひとっ風呂浴びちゃおうかって…!泣かないで…?」 腕の中でふるふると震えるよめに、すさまじい罪悪感が襲い掛かってくる。 俺は大事な大事なよめを放って何をしてるんだ! 「泣いて、ないですよ?背中とかもう流しちゃいましたか?どうしよ。体大変だったでしょ?」 心配そうに、でも多分俺のために微笑んでくれているよめ。 胸が爆発しそうにときめいた。 「俺が流すからほら!そこ座って!」 よめの白く透き通るような肌に生唾を飲み込んだのは、きっとばれているだろう。 ってことは当然よめだって多分その気だ。 ちょっと…いや大分ダメージ覚悟の上で望まないといけないにしろ、よめさんと温泉っていう楽しみが増えたと思えばなんのその! …丸薬、もってくれよ…! 「ありがとう、ございます」 浴室の熱で上気した肌をもっと赤く染めてよめが微笑む。 それだけでもう俺はここに着てよかったと思った。 プレゼントを渡す体力だけは死守するぞ! そう心に誓って、俺はよめの背中を流すという大役に臨むことにしたのだった。 ********************************************************************************* よめ。 覚悟の上でくわれる旦那様編とか続きます…。ながすぎ(´;ω;`)? ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |