夏のおでかけ6(よめばなし)


これの続き。


ご飯の後はお昼寝してもらった。
寝ぼけてむにゃむにゃ言いながら俺にしがみ付いてくるイルカ先生に触れるだけなら許してもらおうと、そこここに痕を残し、ついでとばかりに少しだけイタズラさせてもらった。
「ん…っ、ふぇ…?あ、ん…っ」
素直な体は眠りのうちにあっても正直で、パジャマの隙間に入り込んだ俺の手に敏感に反応する。
元々感じやすい人だったんだと思う。
でもここまで敏感になったのは、確実に俺と過ごした時間のおかげだ。
純情で色事なんてまるでわかっていなかったらしいイルカ先生。
…それを、無理やり手に入れて、受け入れてもらってそれから…こんなにも俺は愛されている。
「イルカ、せんせ。ずっと側にいて下さいね…?」
ま、手放すつもりなんて毛頭ないんだけど。
この人を失うかもしれないなんてことになったら、確実に俺は狂う。
それから…他の誰かにちょっかいなんて掛けられたら、すぐにソイツを葬りかねない。
それ位、この人は俺の全てになってしまった。
邪魔が入らないこの環境は居心地が良過ぎる。
抱いて食べさせてそれから眠って、目覚めたら欲しいだけこの人を奪い取れる。
立つ事さえ覚束ないこの人に、憐憫と同時に歓喜を覚えるだなんて、きっと想像すらしていないだろう。
いや、ま、結構イルカ先生も激しい人だけどね?
イルカ先生絡みで俺にちょっかい掛けてきた馬鹿を俺に懸想したんだと勘違いして、あっさり返り討ちにしたのも記憶に新しい。
血こそ流さなかったけど、粘着液でべったべたに固められた挙句、受付所の前に設置されちゃったもんね…。しっかり顔に間男成敗ってでかでかと書き込まれて。
もがもがと床でもがくそれに、「粘着力がまだ甘いか…。改良が必要だな」ってイルカ先生がつぶやかなかったら、敵襲でもあったのかと思っただろう。
多分あそこまでやったのは、ソイツがイルカ先生に惚れてる誤魔化すために大げさに不安がって見せたせいだ。
俺が任務中のときを狙って、さくっと、それもダメージの大きい方法できっちり退治されていた。
優しいイルカ先生らしい。
…忍の里では本来私刑は禁止だけど、内容が内容なだけに誰もわざわざ犯人を調べようとはしなかった。
かわいそうにね?俺のイルカ先生に惚れたってだけで、一生の恥を背負った訳だ。
ま、それがなにより一番の大罪なんだけど。
そうして、俺の望みどおりに、ソイツはイルカ先生の前から姿を消した。
でも不安だった。
イルカ先生の手により排除されたあいつ以外にも、山ほどこの人を欲しがる人がいて、俺はその中で多少強引な手段を遣って偶然選ばれたに過ぎない。
だから、強請った。二人だけの時間が欲しいと。
この人の隣にあるために、邪魔な存在は排除し続ける自信がある。でも…優しいこの人の懐にもぐりこみたいと思ってる連中はいくらでもいるのだ。
体も心も、奥深くまで全てに俺を刻み込んでおきたい。そう思ったら俺はすぐに行動に出ていた。
欲しいんだ。全部が。…それが無理だと知っていても。
「イルカ、せんせ…」
はぁ、と湿った息が零れる。それから、しどけなく眠る人の太腿にこすり付けた性器の先端からも、快感の印が滲み始めている。
今すぐ突っ込んであんあん鳴かせたい欲求を押さえつけるには、コレしか思いつかなかった。
「ん、…」
寝ぼけた声がいっそう俺を煽る。もうすぐ、せめて一度出してしまえば、この凶暴な欲望を押さえつけられるはずだ。
そう言い訳して頂点を目指す。
「っ、く…!は…っ」
…背徳感と緊張感のせいもあってか、すぐにそれはやってきた。
汚れた手を手早く拭いて、証拠はきっちり隠滅した。
自分でしてるとこなんて、この人に見せられない。
…どんな反応が返ってくるか怖すぎて。
出して興奮が少しだけ収まって、そうしたら自分だけ目覚めているのが酷く寂しく思えて眠る人の傍らにもぐりこんだ。
「ん、大丈夫。大丈夫だから…」
ふっと何かが頭に触れた。
ああ、撫でてくれるの?
湧き上がる愛おしさに胸がきゅんっと締め付けられる。
「イルカせんせ。大好き」
抱き寄せた体にキスをひとつだけ落として、俺も眠りに落ちるべく努力することにしたのだった。
…残り少なくなった蜜月を最後まで味わうために。


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よめ。
どろどろでろでろ
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