夏のおでかけ3(よめばなし)


これの続き。


密室で二人っきり。
…そしてなによりその状況を進んで受け入れてくれている。
これで冷静でいられる男がいるだろうか?
いる訳ないよね?
そんなヤツいたら不能か、よっぽど特殊嗜好の変態だ。
しどけない姿で眠る愛しい愛しいイルカ先生。
俺のオネダリに応えるために、一生懸命仕事をこなして休みを取ってくれたのを知っている。
ま、俺もとーぜん根回しはしたけどね?
一番の難関は最近俺を見ただけで錯乱するから問題ないっちゃないんだけど。
「何せいきなり孫が生まれる夢を見たんじゃ…」とか言い出して、顔色真っ青って言うかなんかもう緑色っぽい位に変色してて、「せめてイルカに似ると良いのう…」とか空ろな目で言い始めたから暗部にちゃんと面倒みとくように言っておくだけでよかった。
ここを選んだのは二人っきりで誰にも邪魔されずに過ごしたいと思ったからだ。
宿の離れとかでもいいんだけど、温泉好きのイルカ先生に温泉を与えるとそっちにばっかり集中しちゃうしね?
それに人の気配で集中が途切れちゃうのも嫌だ。恥ずかしがるイルカ先生も勿論かわいいけど、恋人が自分の手で奔放に乱れる姿が見たいってのは、大抵の男にとって当たり前の願望だと思う。
つまり俺だってみたい。それも…他の誰にも邪魔されずに。
そうして選んだここは、俺の優秀な後輩たちによって管理された完璧な俺の…いわば別荘だ。
要するに家ごと買い取ってみただけなんだけど。
そんなこといったらイルカ先生が気にするかもしれないからその辺は伝えずに、宿が押さえられたってことだけ教えておいた。
少しずつ近づく二人っきりの夢の時間…思わず気がせいて我慢しきれずに宿の敷地内でおそっちゃったくらい、俺にとっては楽しみなものだったんだ。
散々鳴かせて、声もかすれ、多分体だってきついはずなのに、それでも微笑んでくれる俺の大事な大事な旦那様も同じ気持ちでいてくれるといい。
そう思いながら、今にも襲い掛かりたいと訴える己の理性に、少しだけ説教をしておいた。
…少しだけ…後、ほんの少しだけなら待ってあげないとね?
少しでも休ませて…それから後の時間は全部俺と二人でぬりつぶすつもりなのだから。
ほくそ笑む俺を知ってかしらずか、肌蹴た胸元を晒しながら寝こける愛しい人がうっとりと目を細めて「愛してる」なんていうもんだから、ついつい我慢できずに襲い掛かっちゃったんだけど。
それすらも笑顔で受け入れてくれるから…結局俺の歯止めになるものはないのかもしれない。


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よめ。
よめー。
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