これの続き。 「で、どうだった?」 「えーっと。大名の娘が相手だったみたいですね。依頼に来たのは乳母で、依頼人は父親です。絶対に手を出してこない相手っていうのが条件でした。それで選ばれたんですね」 「ふぅん?ま、そんなことだと思ったけど」 「格下とはいえ、相手があからさまにヒヒ爺だったら、そりゃあ父親だって協力しますよね…。かわいそうに」 「そ?ま、その辺はどうでもいいんだけど」 「ああ、それと。全く接点がない相手だと不審がられるってことで、うみの中忍は以前護衛任務についた経験があるって辺りも選ばれた理由のようです」 「…へぇ…?」 「殺気立たないで下さいよ…!うみの中忍は子守が上手いって定評があったみたいですから!」 「なにそれ?」 「ですから、相手はうみの中忍より五歳かな?年下です。当時二十歳だったから…十五歳位ですね。人見知りする性格だからと、うみの中忍が花見の宴って名前の見合いもどきの護衛に引っ張り出されてます」 「で?」 「その相手とは結局上手く行かなかったみたいです。逃げた相手とは別人で…」 「なら、誰と?」 「乳母の息子ですね。逃げても追われなかったのはそのせいもあるかと」 「それなら逃げなきゃよかったのにねぇ?適当に養子縁組でもしちゃえばなんとかなったでしょ?」 「ヒヒ爺が諦めなかったんですよ。ちょっと流石の僕も退きました。気持ち悪い手紙送り続けられて、脅しに近いですね。あれは」 「で、どうしてる?あと大名は?」 「今はちゃんと子どももいて仲良くやってましたよ。大名もヒヒ爺が死んでほとぼりが冷めたら呼び戻すんじゃないですか?一人っ子ですから」 「…なら、殺したらマズイよねぇ?」 「やっぱりそんなことを…!ダメです。ばれたら被害は先輩だけじゃすまないんですよ!第一うみの中忍だって傷つきます!なんだかんだで気にして…」 「ん。だから腹立つの。俺のご主人様なのにねぇ?」 「うみの中忍は僕に会うといつもそれはもう先輩の自慢をされますよ。ボス猫だとか毛並みがいいとか…」 「かわいがってもらってるの。いいでしょ?」 「…僕まで猫扱いするのもやめてもらえないですかね…」 「無理じゃない?でもあんまり他所猫かまわれると腹立つんだよね?」 「だから僕まで猫だと思わせるのを…!…って無駄ですよね…。それにあれは不可抗力…ひっ!」 「クリスマスの話したのって、お前なんだってね?」 「だ、だから!あれはですね!ただ単に外で見つかっちゃって、商店街の福引の話になって!」 「そういえば福引当てたんだよね?すっごく喜んでてかわいかったから食っちゃったっけ」 「それです!…それでその、それであんまり喜んでるから、先輩と一緒にお祝いたっぷりできますね!っていっただけで…!」 「んー?冬の鍋セットの話じゃないの?」 「ああ、それは僕が上げた方ですね。そっちじゃなくて、おんせ…っく!」 「お前、そんなに死にたがりだったっけ?」 「笑顔が怖いです!た、ただ単に僕はすぐ任務で食べられないって分かってたから…!温泉は期限長いから交換って言われたけど、そんなのできないでしょう!あんなに喜んでたら!」 「ん。そうね。すっごく嬉しそうだった」 「先輩がそんなだから、絶対怒ると思って、僕が内緒にしてくれっていったんじゃないですか…!」 「そ?」 「たいした温泉じゃないですけど、中忍クラスじゃ結構いい方に入ると思いますよ?あの宿。一緒に行って上げれば…」 「温泉か…いろいろできるねぇ?」 「…ぼ、僕、もう帰っていいですか…?」 「ん。お仕置きはまた今度ねー?」 「うぅ…!うみの中忍泣かさないで下さいよ!」 「お前に言われる筋合いじゃないねぇ?」 「だ、だって!すごくすごく先輩のこと心配してるんですよ!猫扱いだったけど!」 「そうね。…ご機嫌な猫はご主人様にいっぱいイイコトしてあげないと」 「…じゃ、じゃあ僕はこれで!」 「黙ってたってことに関しては、お仕置きしちゃうけどね?」 ********************************************************************************* 猫の日クリスマス編こっそり続いてしまった…。 続いちゃった…。 ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |