記念日7(適当)

前のお話はこれ⇒記念日5の続き。


微スカ注意。

「温泉の素、選んでっていうの忘れてたねぇ?」
「ん、や、やめ…!」
洗ってはくれた。それこそつま先から頭のてっぺんまでそんな風にしなくてもいいからと泣き出したくなるほど丁寧に。特に髪は使ったことのないとりーとめんととか言うのまで使われて居た堪れないなんてものじゃなかった。
何もできない子供のように扱われる恥ずかしさに耐えかねて、どんなにわめいても懇願しても、ガタの来た足腰じゃろくに動けもしない。
抵抗しようにもこの人を傷つけることなんてできやしないから、ある程度諦めて受け入れたのに…それだけなら耐えられたかもしれないのに。
「だーめ。ま、垂れ流しになったって面倒見るけど、それはそのときでいいでしょ。ほら、出てきた。もう一回ね?」
「ひっ!あ、やめてくれ…!」
そっくり同じ姿をしたうちの一人に抱きかかえられて、もう一人に尻を突き出すような格好で、温い何かが少しずつ腹を膨らませていくのに耐えるしかない。
腹を満たす温かい液体が何なのかわからない。尻に突っ込まれているのはさっきよりずっと細くやわらかいモノだが、ゆっくり少しずつ、だが腹が割かれるんじゃないかと思うほど際限なく注ぎ込まれるソレのせいで肌が粟立つような違和感と、内臓が押しつぶされそうな吐き気を感じる。おそらく裂けていたはずのそこに何を施したのかしらないが、何故か殆ど痛みを感じない。それよりもずっと、この腹を無理矢理広げられる感覚の方が耐えがたい。屈辱を感じることさえできないほど、圧倒的な苦痛だった。
「あ、あ。っも」
気持ち悪い。もうだめだ。
縋るものなど満足げに笑いながら呻く姿を眺めている男しかいない。それに縋ったところでやめて貰えもしない。
限界を訴えて痙攣したように震える体を、なだめるつもりかゆっくりとその手が撫でる。
「ん。いいよ。出して」
ギリギリまで注ぎ込まれ、耐え切れなくなって半狂乱になって懇願してやっと、吐き出すことを許される。排泄にも似た、だがそれよりずっと強烈な開放感と、吐き出した瞬間から襲ってくる恥ずかしさと情けなさにいっそ意識を手放したいとさえ思うのに、確かめるように触れてくる手がそれを許してもくれない。
こんなこと、何度もされたら気が狂う。
「かわいいからもっとしたいけど、もうきれいになったみたいだし、これくらいにしとこうか。…今日は」
「ふ、うぅ…」
今日はってことは次があるのか。乱れた呼吸が戻る前に唇をふさがれて、苦しい。
でも、この 顔が見られるなら耐えられるだろうか。
里を、子供たちを、この人にとって大事なものを見るときのあの視線に、今自分に向けられるものはよく似ている。
いや、それよりずっと飢えて肉を貪る獣のように鋭くて、それから、甘い。
今ならごまかせるだろうか。すがり付いて抱きしめて、この人を腕の中に閉じ込めても。
「傷は塞いだけど、初めてなのにがんばらせちゃったし、ちょっと寝よ?」
ほんの少しだけ意識をそらしている間に体をぬぐわれて、何も身にまとうことなく布団に押し込められる。
もう一人はどこへ行ったんだろう。ここはあのどろどろにしてしまった寝床だろうか。
寝ろといわれた途端に眠気が襲ってくる素直な体に、俺は抗いきれなかった。
「…かかしさん、おれ、は」
「ん。眠って」
急速に沈んでいく意識をいぶかしむ余裕すらなく、ブツリと記憶が途切れている。
「あ、うそ。もう寝ちゃった?」
「意識があると負荷かけすぎちゃうしね。あーあ。もっといろいろしたい。でも、ま、寝てるの見るのも楽しいしね」
二人のそっくり同じ声が至極幸せそうに笑い合うのを聞きながら。


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適当。
ちょうきょうてきなあれ。
時間的な都合で、中途半端でもあげちゃうことにします。

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