穏やかな狂気4(適当)


これの続き。

明日は休みだ。
つまりは上忍の犯行予告によれば、今日、俺は大事に…というわけでもないが、一生排泄以外では使用しない予定だった所にとんでもないものを突っ込まれてしまうかもしれない。
恐ろしい…なんでこんなことになったのか、今でもさっぱり理解できないと言うのがまたさらに俺の恐怖を掻きたてる。
戦場で男に声を掛けるほど困ってる奴は稀だ。たいていは自分の欲望は自分で押さえこめるし、それ位できないと忍なんてやってられない。
どうしようもなくなったって、固い野郎のケツを使うより女がいいし、木の葉のくノ一に無理強いなんてしたら集団で報復されかねないから、そうまでしてスルより自分で出すほうがましだと思う奴のが多い。
大体にして、戦場なんていう切羽詰った状況で、咥えろとか言い出すのはエロビデオ位だ。
…噛まれたらどうなるかなんて火を見るより明らかで、たとえ強引に従わされそうになっていても、気が立っている相手がそんなチャンスを逃すわけがない。
女顔でもないし、体もしっかり男のものである俺に、そんな機会が発生する確率は毛の先ほどもない。…はずだった。
つまり俺のケツはまっさらで未使用。
…前の方もほぼソレに近いって辺りはまあ…くそっ!モテ上忍のせいで不愉快な気分に…!
戦場で薬でも入っていれば別だが、里で過ごすことが大半の俺に、まさかこんな災難が降りかかるとは、きっと火影様でも予想できなかったに違いない。
とにかく、逃げることは当然考えた。
だが夏休み前のこの時期は何かと忙しく、任務を入れるには無理がある。
それにいつの間にかそっと寄り添って俺をあたたかーくありがたくない視線で見つめる上忍のせいで、不審な行動は取れなかった。
見つめられるだけで背筋が震えるほどの視線。
その瞳には優しさなんかじゃなく、きっともっとタチの悪いものが宿っているに違いない。
怖いくらいに俺を射抜くそれは、家に帰り着いても続いていた。
目で犯されるってのは、こういうことを言うんだろうか。
さりげなく触れられるだけでぞくりと這い上がる感覚が恐ろしく、視線だけで熱を孕む体なんてまるで自分のものではないようで。
じりじりと近づく運命の日を前に、俺はしっかりきっちり憔悴していた。
美味い飯を与えられても、男の視線に晒されて、寝るときなんか…いたずらなんてレベルじゃない行為を仕掛けられて、最終的には抱き込まれたまま失神に近い眠りに落ちる生活を続けていればそうなるのも当然か。
…今日は、まだ外ではあの男にあっていない。
といっても一緒に家を出るのが日常と化している今となっては、何の救いにもならないのだが。
「うぅぅ…!」
もう帰らなければいけない時間だ。
出掛けに俺の頬に口付けながら、男が囁いた言葉を忘れてはいない。
「今日明日、俺も休みをとりました。だから…早く帰ってきて下さいね?あんまりじらされるとおかしくなっちゃいそうだから」
微笑みはいつも通り穏やかでも、ギラリと光る瞳は俺への欲望を序実に伝えてきすぎて、それを振り切るように出勤したのだ。
男の言葉、それはつまり…遅くなればなるほど俺の身は危険に晒されると言うことに他ならない。
何で俺は上忍にやんわりとはいえ脅されなきゃいけないんだろう。
そもそもなんで俺にあんな行為を仕掛けてくるんだろう。
ロッカールームに響く俺の呻き声は、自分の耳にも酷く哀れっぽく響いた。
*****
結局逃げると言う選択肢は捨てた。そっちの方が何をされるか分からないからだ。
やる気になったら監禁洗脳お手の物な上忍相手に、その選択は自殺行為だしな…。
…家に帰ると上忍がにこやかに俺を待ち構えていた。
「おかえりなさい。…ちゃんと帰ってこれましたね?」
よくできましたと言わんばかりの笑顔とは裏腹に、その手はいつの間にか俺の背に回され、当然のように尻を撫で回している。
「っ…!あ、やめ…!」
「そうね。最初だし、ベッドで」
そういう意味じゃないと言うまもなく寝室に運ばれて、息ができなくなるくらい激しい口付けに喘いでいるうちに、すっかり下半身が剥かれていた。
「ふえ…?」
状況についていけない。何で握ってるんだよ!動かすんじゃない!
…しかも毎度の事ながらなんでこんなに上手いのか…!?
急所を掴まれて潤む瞳に何を勘違いしたのか、ふぅっと男がため息をついた。
「あーあ。かわいい顔しちゃって。…めちゃくちゃにしたくなる」
もうとっくにめちゃくちゃだといいたい。なんでこんなことに。
「うっうぅ…!もういやだ!あんた何なんですか!何の恨みがあってこんな…!」
股間を隠そうにも足の間に居座る男のせいで足を閉じることもできず、手で覆っても、持ち主の意向を無視してすっかりその気の愚息は隠せそうもない。
「泣かないで…?慣れてないの、忘れてました。好きな人泣かせるなんて、恋人失格ですね…」
「へ?」
今この男は何て言った。
「大丈夫。怖くないし、痛くもしません。だから、俺に任せて…?」
俺は呆然とするあまりするりと絡みつく腕を拒み損なった。…それが大きな間違いだと気付くこともできずに。
*****
「ひっぁ…!やっや…!」
「ああ、逃げちゃだめですよ?ほら」
「ぅあっ!は、あ…っ!」
後ろからのほうが楽ですからとか訳の分からない分かりたくもないことを言われて、言葉通りに貫かれてからもう何時間経ったんだろう。
痛くないってのは大嘘だ。あんなでかいものねじ込まれたんだから当たり前だけど。
…そして悲しいから気持ちよくするっていうのは本当だった。あんなに痛かったのに今は中を抉られる度にそそり立った先端からよだれをこぼし、それが怖くて身をよじっても簡単に引き戻されて逃がしてもらえない。
「…っ!しめないで」
「でき、るかぁ…!
男の胸なんて弄って何が楽しいんだ。もう触るな。
そう叫びたいのにひいひいとみっともなく鳴く声だけが俺の口から零れていく。
「ん、俺ももう駄目かも。一回、出すね」
「ぇ…?あ、やぁっ!」
ぐんと奥まで突かれてまぶたの裏に火花が散った。
そして。
「く…っ!」
「ひっ!あ、あ…!」
中が熱い。腰が溶けてしまいそうだ。
「ああ、一緒に行けましたね」
酷く嬉しそうな声が癪に障る。その声にすら反応するからだが恨めしい。
「ぅ、うぅ…!」
「かわいいなぁ?びっくりしちゃった?…ま、一回目だし」
涙ぐむ俺の顔を無理やり引き寄せて舐め取って、男が囁く。
「ん…っ!ふぇ…?」
「もっともっと、気持ちよくなりましょうね?」
「あぁっ!な、もう…!」
いきなり抱き起こされて揺さぶられて、力のすっかり抜けた体につきたてられた熱い杭の存在をありありと感じさせられる。
怖いのに。…それなのに抜くなとばかりにその肉を締め付けているのは俺自身なのだ。
「好きなだけ俺を欲しがって…?」
後はもう男の言葉通り、すっかり腰が抜けてどろどろのぐちゃぐちゃになるまで抱きつぶされた。
*****
「ん…?っ…!」
目覚めると何かが絡み付いて動けない。もっというならきっと絡みつく何かがなくても多分動けない。
腰が痛い。尻になにか挟まったみたいな感触がまだ残っている。
「ああ、起きたの?…じゃ、もう一回…」
「や、やだ!もうやめ…っ!」
ゆるりと男が腰を回したおかげで、まだ突っ込まれたままなんだということに気がついた。
散々やったのになんでこんなに元気なんだ…!
「もうちょっと寝ましょう?夕飯抜いちゃった分、たっぷり朝ごはんも作るし、お風呂にも入れてあげます。…続きするのはその後で。…ね?」
恐ろしい台詞だ。まだやるっていうのか。化け物かこいつ。
…その台詞に腰が疼いたのは、抜かずに眠ろうとしてるっていうこんなとんでもない状況のせいだってことにしておきたい。
「なんで、こんなことに」
こぼれた涙を無意識にかぬぐった手が、また俺を抱きこんで。
「これで全部俺のものですね」
俺は、うっとりとした囁きが事実になってしまったのだと思い知らされたのだった。


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適当。
こんなんでましたけど!
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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