これの続き。 パラレル注意。うっすらエロス風味注意。 「もうへーき?」 「え…?」 息を短く吐きながらぼんやりとしている男にすりよるように、地蔵男が身を寄せました。 おかげで足が引きつれ、しかも異物の存在をありありと感じさせられて息が詰まります。 平気かと問われれば、平気であるはずもないのですが、どうしてかこの物の怪にはそう告げることが出来ませんでした。 そんな事をすれば心配されてしまいそうな気がしたからなのですが、だからといって実際青息吐息のこの状況で平気なフリもできません。 縋るような視線を向けるのが精一杯でした。 「ま、へーきじゃなくても動くんだけど」 「うご…?っあ!」 「最初は、ゆっくりね?」 地蔵男にゆるゆると揺さぶられて、体が震えだすのを抑えることができませんでした。 自分の中にそんな所があるとは知らなかったのですが、腹の中にこすられると目の前で星が弾けるような感覚を生む箇所があって、はじかれるように背が引きつるのを押さえられなかったのです。 それが快感だということを、男は受け入れることが出来ませんでした。 目を見開いて暴れ、もがき、そのせいで却って快感を拾ってしまうことに戸惑い、男は涙を流しました。 「や、ぁ…やめ…んぁ…っ!中、なんで…!」 「ここ?気持ちイイでしょ?怖くないから」 流石の男もこの台詞には腹を立てました。 怖いものは怖いし、何が起こっているか理解できていないのに、持ち主を無視して勝手に反応する身体はまるで自分のものではないようです。 食うならさっさと食えといったはずなのに、これではまるで…そう、まるで。 「こ、れ…?」 今更ながら気がつきましたが、これは普通であれば男女の、というか夫婦が行う行為ではないか。 それを思い当たってしまうと、顔が勝手に紅潮するのを止められません。 怒っていたことも忘れて、体を硬直させました。 「あ、ちょっ…!そんなに締めないで?」 「や、あぁっ!なに、なんでですか…!こ、これ…!」 なぜ食うといいながらこんな行為をしているのか、男は潤んだ瞳で問い詰めようとしました。 地蔵男が強引に与える熱に震えながら、噛み付くような視線を向けると、そこには満面の笑みをたたえた顔がありました。 「あー…流石にちょっとは知ってた?」 笑いながら気持ち良さそうな顔で男が腰をひときわ強く突き入れました。 「んっふぁ…!こ、こここれ…!」 「末永く宜しくね?もう食われちゃったんだから諦めて?」 一方的な台詞です。 こんなことになるなんて予想もしていませんでした。 でも…受け入れたのは確かに男自身です。 それから、一方的に誓われた永遠に喜びを感じたのも。 「すえ、なが…く?」 「そ、自分ものも誰かにくれてやるほど心広くないの。だからずーっとずーっと俺のね?」 頬を摺り寄せながらうなじに口づけを落とす地蔵男は、どうやらこれからずっと男の側にいてくれるようです。 それならいいか。 男はそう思いました。 「お、俺も、俺も、あ!」 …地蔵男は答えを待ちませんでした。 「ごめ…限界。なんて顔するのよ…!」 「あっんっや、や、まっ…!」 「待てないに決まってるでしょ!」 叩きつけられるように押し入られ、引き抜かれ、激しく揺さぶられて、あっという間に頭が真っ白になりました。 後はその嵐のような快楽の波に流されて、幾度も熱の奔流を受け入れることしかできませんでした。 覚えていることといえば内側に注ぎ込まれた熱いものに怯えていた時に、地蔵男が心配そうに、それなのに熱に浮かされたように嬉しそうに微笑んだことくらいです。 それから、結局その行為がいつ終わったのか、男が覚えていることは出来ませんでした。 ***** そうして、男の家には新たな住人が増えました。 「うかうかしてると浚われちゃいそうだから」 そういってずっと側にいてくれて、今まで埋まらなかった心の隙間を埋めるどころか溢れるほどの愛を注いでくれます。 時折というか、毎日のように他のものも注がれて、足腰が立たない日々が続いてるのは問題だと思わなくもないのですが、すまながってせっせと世話を焼く男に甘えられるのでそれはそれでいいのかもしれないとも思っています。 二人でいる家はとても暖かいからです。 ただ一度だけ地蔵に化けていた男の正体が気になって問うたことがありました。 「んー?ま、確かに人間とは言いがたいけど、だめ?」 その台詞に特に素性にこだわることもないと思っていた男は必死で首を横に振り、結果的にその男が何者なのかは謎のままなのでした。 いつの間にかかわいらしいけれど人語を解する犬たちを呼び寄せ、男では到底敵わない山の獣をあっさりと退けることもあるので、人ではないのだろうということに納得した程度で、男にとってはあとはどうでもいいことでした。 「好き。大好き。あったかくしてくれてありがと」 「あああの!俺も、その…好き…わぁ!?」 こうして男と男の拾った地蔵は、末永く幸せに暮らしたということです。 ********************************************************************************* 適当。 おわりーにしてみる(`ФωФ') カッ! ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |