痛み8(適当)


これの続き。


「どっろどろ」
「っ…!っぅ…ふ…!」
散々汚された。
押し入ってこられただけでも苦痛だったというのに当然のように中に出されて、奥の奥まで他人の熱で満たされた異様な感覚に悲鳴すら上げられなかった。
一方的な蹂躙は一度では終わらず、中で出すだけでは足らないとばかりに、腹にまで欲望を叩きつけられ、今も嬉しそうにそれを塗り広げてキスを落とす男と繋がったまま必死で息を殺している。
逃れようのない快感は苦痛でしかない。…それが気まぐれで為されるせいで余計にそう感じるのだろうか。 手足は未だに自由を失ったまま、執拗に痕を残す男のされるがままになっている。
「ね、何で声噛むの?」
そんなの決まってる。
…声なんかだしたらきっと止まれなくなるからだ。
自分の腹を汚すものは確かに男に掛けられた分もあるが、大半は自分の吐き出したものだ。
そしてそれは、頂点まで追い詰められて逃げ切れなかった自分の、陥落の証でもある。
他人の体温。…教え子以外のそれを感じたのは遠い昔の話だ。
それをいい訳にするわけじゃないが、こんなにも近くにある熱を、柔らかく触れてくる指先を、心地よく思わなかったといえば嘘になる。
強い視線に、抗うことを許さない手。
その全てに守られていた昔を思い出して、その滑稽さに笑うしかない。
これは、違う。
何もかもから守ろうとしてくれた暖かい手じゃない。
奪い取り、己のものとすることにためらいのない捕食者の手だというのに、その意のままにされたばかりか、それを受け入れてしまうかもしれない自分を嗤った。
…こんなにも飢えていたのかと。
「っあ…!」
「ねぇ。強情張らずに全部俺に頂戴よ?」
誰よりも何よりも大事にするのに。
そんな囁き、毒にしかならない。
つなげられたままの体から、心まで侵食されていく。
…もういっそ、今だけなら溺れても構わないだろうか。
抗うには心地よすぎ、溺れるには激しすぎて恐ろしいこの熱に。
「あっあぁ…!」
一瞬の魔を狙ったように男が中を抉って、ついに耐え切れずに快感に溺れきった声を溢れさせた。
その瞬間、男が確かに嬉しそうに笑ったのを見た気がした。
「ああ、やっとくれる気になったの?」
俺の何がそこまでこの男の執着を呼ぶのかは分からない。
こんなに欲しがっているのなら、もういいか。
どうせすぐに飽きるだろう。
…そうでなくては困るのは俺の方だ。
寂しさなど忘れられる。忘れてみせる。
だから、今は。
「…これで、全部俺のだ」
うっとりと目を細め、俺の胸に頬ずりする男の好きにさせてやろうと思った。


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カカシてんてーおたおめ適当小話8。
意思の疎通がない話。もうちょいのはずだがおわっておくれ(´;ω;`)
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