これの続き。 「っ…!」 ちりっと、痛みともかゆみともつかぬ感覚が走り、また痕を残されたのだと知った。 宣言どおりつま先から指先に到るまでそこら中に口付けてくる男のせいで、きっと今俺の体は皮膚病にでもかかったかのように赤い痕でいっぱいだろう。 触れて、痕を残すだけ…それだけならまだ耐えられた。 触れられるだけで少しずつ染み込み、俺の中の何かを刺激する熱に耐えるだけでよかったから。 だが俺に異常な執着をみせる男がその程度のことで満足するはずもない。 身にまとう服を剥ぎ取ったあと何を思ってか執拗に痕を残すことに執着した男は、それだけで十分に育ってしまった性器ににんまりと口の端を吊り上げて笑った。 赤い赤いそれがゆっくりと開くのをただ見ていた。 女の持つ裂け目よりずっと深く熱く…恐ろしいそこに己の雄としての急所を飲み込まれていくのを。 「っは…っ!…っく!」 「んー?声、出さないの?」 先端を抉るように舌で抉り、あふれ出た先走りをこすり付けるようにその白い手が握りこんで上下する。 自由にならない体で唯一己で制御できる声で、この行為が望んだものじゃないことを突きつけてやるつもりだった。 体はくれてやる。だが心は…男の意のままになどなってたまるものか。 じゅるり、くちゅっ 男に嬲られている所から響く水音に飲まれないように、必死になって耐えた。 かみ締めすぎた歯がぎりりっと不愉快な音を立てて軋む。 抜き取られていなければ、この瞬間にでも俺の意識だけはこの行為から逃れられたのに。 「中も、外も、全部俺の匂いつけてあげる」 指を、押し込まれた。 男と同じ作りのこの体に、元々雄を受け入れるための所などない。 それをこの男は無理やり変えようとしているのだ。 「男でも、ここを弄ると感じるの。ほら、気持ちイイでしょ…?」 「っ…!ぐぅ…んっ!」 腹の内に蠢く細く長い指は、望まぬ快感までつれて来る。 雄同士で混ざり合った所で何も生まれないというのに、自分がこんなにも快楽に従順で貪欲なイキモノなのだと突きつけられた気がした。 女のように雄を受け入れるために、体を変えられていく。 孕むこともできない腹の中を弄られて、快感を拾う体が疎ましくてならなかった。 滴る欲の迸りは、頂点が近いことを否応なく突きつける。 痛みを感じないのは男の術かそれともこの手の行為に慣れているのか。 どっちでもかまわない。 俺が望むのはただ一つ。 …この嵐が早く過ぎ去ってくれることだけだ。 「そろそろ、イく?」 「っんっ…!」 卑猥な舌が根元から先端まで見せ付けるようにねっとりと舐め上げ、中に居座った指がぐっと内側からそこを押して、耐え切れなくなった性器は欲望をはじけさせた。 「んっ…あはは!たくさんでたねぇ?そんなに気持ちよかった?」 ああ、そうさ。確かに体は快感の飲み込まれかけている。 白く白く、いっそそのまま意識さえ飛ばしてしまいたくなるほど悦かった。 …こんな男に好きにされてるって言うのに。 「ふっ…うぅ…!」 「強情だねぇ?気持ちイイのに泣いちゃうの?」 性器を嬲っていたのと同じ指が、俺の髪をくしゃりとかき混ぜ、恥ずかしい言葉ばかり紡いだのと同じ唇で、あやすように顔中をついばんでいく。 「あ…っ」 やがて男の望むままにされた体は、持ち主である己の意思を置き去りにしたままその口を開けた。 ずるりと抜け落ちたものに、ぽっかりと穴が空いたように感じるほどに。 「入れるよ」 その言葉さえ遠く、突きつけられた熱く尖る凶器がなにもかもを切り裂いて押し入ってきたのを最後に、俺はまともな思考を手放した。 ********************************************************************************* カカシてんてーおたおめ適当小話7。 エロってどの程度必要だろうか。もうちょい必要? ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |