これの続き。 「おきた?」 「う…あ、れ?」 俺はどうしたんだっけ? 確かカカシさんと話してて、それから…それから。 そうだ。この人を閉じ込めなきゃいけなかったんだ。 「ご飯にしましょ?一杯運動したし」 そういえば腹が減った気がする。 食うこととそれからこの人に抱かれること以外していないことに、今更ながら気がついた。 今日は、休みだっただろうか。 閉じ込めるためにどうにかしなきゃいけないのに、どうして俺の手は自由にならないんだろう。 「カカシさん」 縛められた手をもぞつかせながら視線で開放を訴えると、何故か知らないがすごく嬉しそうに笑ってくれた。 「かっわいいなぁもう!どうしよ!もう歩けないでしょ?でもしたい」 そういえば足に力が入らない。腰が岩でも括りつけたように重くて、人に言えないような所がジンジンと熱を持ってひりついている。 何が原因って、この爛れた生活のせいなんだが、恥ずかしいと思うより嬉しさの方が勝る。 ずっと欲しいものを我慢してきたから、それがいざ自分のモノになったら、どうしたらいいかわからなくなった。 だからまずは閉じ込めなきゃいけないんだ。 それから、大事に大事にしなきゃいけない。 でも、どうやって? 「歩けない…」 しかも印も組めない。これじゃ閉じ込めるのが大変だ。 はやく、早くしなきゃいけないのに。 誰かにとられてしまう前に。 「ご飯食べたら連れてってね?その部屋に」 俺はこの人に話しただろうか。そうか。この人が自分で一緒に入ってくれるなら最高だ。 …鎖は外せないけど、自分から望んで閉じ込められてくれるのなら…きっとあの人のように悲しい顔をさせないで済む。 「はい…!」 早く食事を済ませて、それから急いで連れて行かないと。 ベッドはいつも手入れを欠かしたことはないし、掃除もしたばかりだ。 食事の好みも調べて…後は。 「うーん。正気じゃないのは分かってるんだけどかわいすぎてどうしよ?部屋に入ったら悪化するのかねぇ?」 困っている。カカシさんが。どうしよう? 「カカシさん…?」 「んー。へーき。だから、そんな顔しないで?」 「でも…!」 だってそんなに辛そうじゃないか。 俺にできることなら何だってしたいのに。 「火影様にも話は通しておきました。二人っきりでいちゃいちゃしてもいいって」 それが本当なら夢のような話だ。 好きで好きで、大事すぎてどうにかなりそうなくらい好きで、そんな人を本当に俺だけのものにしていいなら、もうなにがあってもいい。 …この人を失うことの他は。 「何が食べたいですか?ベッドはやわらかいのと硬いのとどっちが?それから服は…」 「イルカ先生が食べたいんですけど、その前にご飯食べましょ?」 そうだった。ちゃんと食事してから、一緒にあの部屋に帰ればいい。 これからはずぅっと一緒だ。 まだ油断できないけど、こんなにも楽しそうにしてくれているのが嬉しい。 「ごはん」 「ん。食べて?」 動けない俺に鳥の雛にでもするように食事を与えてくれる。 どうしよう。幸せすぎておかしくなったんだろうか。このままここにいたいと思い始めている。 そんなの。ダメだ。だってここは外だから、奪われてしまうかもしれない。 「ごはん、食べたら…」 「そうね。…ああもう腹が立つけどかわいいから許してやりたくなっちゃう!下種がもう死んでるのが残念すぎるじゃない!」 よく分からない。でもなんでもいいや。カカシさんが楽しいならそれで。 もうすぐ二人っきりで過ごせる。 蕩けそうに緩む顔を、白く長い指が優しく撫でていった。 ********************************************************************************* 適当。 ご意見ご感想お気軽にどうぞー |