これの続き。 川原でカカシとまたちょっと話して、ドーナッツも結局半分こして食べた。 父ちゃんがおかしかったって話したら、カカシまでなんだか困った顔してて、俺まで悲しくなってきた。 最初に会ったときはあんまり思ったことを顔に出さなかったけど、今はカカシも笑ったりすねたりしてくれるようになったから、すぐにわかった。 思ったよりつらそうなのが心配だ…。 カカシ、やさしいもんな。父ちゃんをこんなに心配してくれるなんて…。 父ちゃんも心配だけど、父ちゃんは大人だし、父ちゃんだし! カカシはなんか白いし細いし守ってあげなきゃって思うんだよな。 「ごめん。イルカ。うちの父さんが…」 「ううん!だってカカシは悪くないじゃん!」 だってカカシの家にたのもーって怒鳴り込んだのは父ちゃんだし、カカシは悪くないと思う。 サクモさんだっていきなり父ちゃんが入ってきたらびっくりするよな。 父ちゃんは俺的にはかっこいいって思うけど、友達と遊んでて迎えに来てくれたときとか、すっごくびっくりされたことあるからなー? 温泉一緒に入ってたら、でたーって叫ばれたこともあるし…。 なんでだろ?かっこいいのに。 それにしても、サクモさんがどうしてプロレスごっこにハマったのかはわかんないんだよな。 表情に出さないヒトだから、余計に。でも父ちゃんと戦ってるときはすごく楽しそうに見える。 「父さん…。どうしよう」 カカシの落ち込みはそれに比例するようにして悪化してるんだけどな。 「うーん…」 これに関しては俺にもどうしたらいいかわからない。 あんまりしゃべらないもの静かな人だし、でもカカシのことをすごく大事にしてるのは知ってる。 時々ふわって笑うと、ああカカシの父ちゃんなんだなぁって思う。 すごくやさしい顔するんだよなー。俺にも優しいし。 だから別に父ちゃんをいじめたいとかじゃないと思うんだ。ちょっと父ちゃんにはつらいみたいだけど。 「まあきっとなんとかなるって!」 今度またカカシの家に遊びにいってみようかな。 そんでちょっとサクモさんにも聞いてみよう! 「イルカがいうと、ほんとになる気がする」 そういって笑ってくれたカカシのためにも、なんとかしないといけないよな! ***** これから任務だっていうカカシとちょっといちゃいちゃしてから見送って、でもなんとなく名残惜しくて川原に座り込んでたら、よろよろしながら歩いてくる姿が目に入った。 「あれ?父ちゃん!」 「イルカ!無事か!」 いきなり駆け寄ってきてくれたけど…どうしたんだろう? 「なにかあったの?」 「いや…あの銀髪のクソガキにどうこうされてるんじゃないか心配で…!」 「カカシはクソガキじゃないもん!」 なんで父ちゃんはカカシのこと悪く言うんだろう。あんまりいじめるんじゃ将来的に心配だ。早めにガツンといっとかないと! 「だが…あの獣上忍が…!とにかく無事でよかった…!」 ぎゅーってされた後、父ちゃんがへたり込んだ。 「えーっと?父ちゃん大丈夫?」 「あ、ああ」 うーん。絶対大丈夫じゃなさそう。 家に帰るにしても、ちょっと休んでからのがいいよね? 「ねぇねぇ父ちゃん!ちょっと座ろうよ!ここすっごくきれいなんだよ!」 水面に夕日が映りこんで、きらきらしてる。 カカシの髪みたいだなーって思うとちょっと寂しいけど、父ちゃんはどうだろう? 「そう、だな。最近落ち着いて話もできてないか…。母ちゃんの晩飯に間に合うように帰るぞ?」 「うん!」 よし!どうにか休んでもらえそうだ! 父ちゃんの横に座ったら、父ちゃんがちょっとだけ撫でてくれた。 あとは色々話さないとな!とりあえず…カカシとの出会いとか語ってみたいけど、それはまた今度にしよう。 隣に座る父ちゃんはまだまだ追い越せないけど、俺だっていつかでっかい男になるために、そこは大人にならないとな! 夕暮れの川原で、俺はそうひそかに決意したのだった。 ********************************************************************************* とりあえず子カカイル祭り継続中。 つづいちゃった(´・ω・`) ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |