これの続き。 「母ちゃんただいまー!父ちゃんは?」 「お帰りなさい。まず手を洗ってらっしゃい」 今日も母ちゃんは元気だ。それにやさしい。ご飯だって作ってくれてる。 そういえば今日は珍しく任務がないんだった。 ほっこりするなぁ。 …でも。 「母ちゃん…」 「大丈夫よ。さ、おやつもあるわよ」 「…うん」 台所の隅っこでうずくまってたのって…しかも何で上脱いじゃってるんだろう。 今日は一段と父ちゃんの様子がおかしい。 サクモさん。俺と話してる時はちょっと天然入ってるけど普通なのにな。 「ほら、早く」 「はーい」 今日のおやつは母ちゃんの手作りドーナツみたいだから、食べてから考えよう。 父ちゃんが魂抜けたみたいな顔してるけど、おいしいもの食べたら元気出るよな!きっと! そんなわけで俺はいそいそと手を洗いに走ったのだった。 ***** 「父ちゃん。大丈夫?」 「あ、ああ。もちろんだ!いいから食べなさい」 いつの間にか台所の隅っこから食卓に設置しなおされてた父ちゃんは、やっぱりまだ顔色が悪い。 うーん。どうしよう? 「はい。あなた」 ドーナッツと一緒に差し出されたのは、ふわふわと湯気を立てるおいしそうなお茶だ。 うまそうだよなー。俺のよりちょっとでっかい気がするし。 ホントはずるいっていいたいけど、今は…うん。ゆずってあげないとな! なんだかんだと父ちゃんは大事にされてると思う。 俺もいろいろがんばるつもりだけど、母ちゃんに任せたほうがいいのかなぁ…? 「父ちゃん。そのドーナッツすっげぇうまいから、いっぱい食べて元気出してね!」 「…イルカ…!」 ドーナッツを勧めただけなのに、唐突に父ちゃんが抱きついてきた。 「わっ!どうしたの?父ちゃん!」 ぎゅうぎゅうされるとちょっと苦しい。それに父ちゃんまたちょっと泣いてるし。 どうしたんだろう? 「俺は、負けん…!かわいいかわいい一人息子を銀髪小僧にくれてやるつもりはないし…あんの獣上忍めの餌食になどなるつもりもない!」 なんかかっこいいなぁ!相変わらず。意味はあんまりよくわかんないけど。 母ちゃんもニコニコ笑ってお茶注いでるし、俺も母ちゃんみたいに優しくてかわいい嫁さんもらうんだ! …まあもう決まったようなもんだけど、美人は横から掻っ攫われることがあるから、気合入れないとダメだって、じいちゃんも言ってたもんな。 おやつはこっそり包んだし、やっぱりまた後でカカシに会いに行こうっと。 家でいっしょに食べたいけど、カカシ見ると父ちゃんがいきなり大声出して意味がわかんないこというからなあ。 なんでだろ?カカシは別に悪いことなんてしてないのに。 ちょっとほっぺたにちゅーするくらいいいじゃん。 「父ちゃん!がんばってね?」 「おお!もちろんだ!」 にかっと笑う父ちゃんと男と男の握手を交わしつつ、俺の心はカカシとの時間へと飛んでいたのだった。 ********************************************************************************* とりあえず子カカイル祭り継続中。 つづいちゃった(/ω\)イヤン。 ニーズがありますように…! ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |