これの続き。 父ちゃんの様子が最近おかしい。 この間からおかしかったのに、さらにおかしくなった。 多分、この間父ちゃんがカカシの父ちゃんちにまた殴りこみに行って、それを母ちゃんが散歩がてらにって追っかけていった日からだと思う。 どうしてそうなったんだかわかんないんだけどなー? カカシが言うには、父ちゃんがモテモテだからなんだって。 父ちゃんよりずっと母ちゃんとかカカシの父ちゃんの方がモテモテなのに。 だって母ちゃんにって花束とか持ってくる人いるもんね。 …父ちゃんがいるときは絶対こないけど。 でもなー?母ちゃんそういうの嫌いだからなー? 本気で怒った母ちゃんはめちゃくちゃ怖い。 にこーって笑ったまま…うん。なんていうかさ。父ちゃんより本当は母ちゃんの方がずっと…。 父ちゃんもめちゃくちゃ強いけど、母ちゃんは普通に怒っても怖いのに、そういうときは笑顔のまんまですごいことするからもっと怖い。 父ちゃんを怒らせるのも怖いけど、母ちゃんを怒らせたら、何が起こるかわかんないもんな。 うめき声も上げられずに転がった人が、黒い服着た人たちに連れて行かれるのを何度かみたことがあるけど…母ちゃんはなんでもない顔で笑ってたっけ。 …イルカはちゃんと相手を選びなさいね?って言って。 とりあえず、カカシは母ちゃんに気に入られてるみたいだから安心してたんだけど。 どうやらカカシの父ちゃんもそこそこ気に入られてるみたいだ。 あの日から、カカシもだけど、カカシの父ちゃんもよく俺の家に飯を食いに来るようになった。 最初はものすごーくそれはもう警戒していた父ちゃんも、サクモさんがいきなりわざを仕掛けたりしなくなったせいか、そこそこ普通に過ごしている。 たまーにトイレにいった父ちゃんにすーって着いていって、その後悲鳴が聞こえることとかはあるけどな! あんまり騒いでると、母ちゃんが何とかしてるみたいだから、一安心だ! カカシがお泊りすることになって、それなら一緒に入ろうって二人でお風呂で遊んでたら、父ちゃんが入ってきて、その後サクモさんが入ろうとして大乱闘したときは、母ちゃんがすごーくすごーく怖かったけど。 子供はおとなしく寝なさいね?って言われたときは、ちゃんということ聞かないと怖い目に遭うんだってカカシにもちゃーんと教えておいた。 「イルカ。そこのしょうゆをとって…」 「どうぞ」 「…あー…その。あ、ありがとう…?」 「どういたしまして」 うーん?おしょうゆ渡すだけでどうして手を握るんだろうなー? サクモさん変わった人だよね。やっぱり。 「父さん。俺にもソースとって?」 「ああ」 でも、カカシの手はにぎらないんだよなー? …なんとなく、ホッとするんだけどな。 だって俺のカカシだし。 時々助けを求める目で母ちゃんを見そうになって慌てて下を向いてる父ちゃんが心配だ。 でもカカシが側にいてくれるし、母ちゃんが何とかしてくれると思うから、あとちょっと様子を見ようかな。 毎朝カカシにおはようって言ってもらえるの、すっごく嬉しいもん! 「イルカ。ほら、ちゃんとお野菜も食べなさいね?」 「あ、うん!」 こういうのって、なんかいいよな…! 父ちゃんと母ちゃんとも違ってて、にこって笑って言われると、嫌いなピーマンも美味しい気がしてくる。 見詰め合ってにこって笑ってくれるカカシにちょっとだけくっついてみたら、なんだかふわふわした気分になって、思わず俺も笑った。 「…ぐぬぬ…!」 「ウミノサン?」 「あなた?ほら、あなたもピーマン残しちゃダメよ?」 「あ、ああ」 まあ一時期よりはずっと顔色も良くなったし、あとで一緒におでかけしようっと! 「ねぇねぇ。カカシ。美味しいね!」 「うん!」 とびっきりの笑顔で笑ってくれたカカシと、ずっとこうして一緒にいたいなって、俺は改めて思ったのだった。 ********************************************************************************* とりあえず子カカイル祭り継続中。 おわり?のような。 ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |