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『スク水の妹が性欲を滾らせるお兄ちゃんにお風呂場でご奉仕しちゃうぞ』





   ≪1≫

 廊下から軽い足音が響いてきた直後、扉がバタンと開いた。
「アニキー! マンガ貸して、マンガ!」
 大きな声とともに、愛らしい少女が部屋に飛び込んでくる。そのまま脇目も振らず、本棚に駆け寄っていく。騒がしことこのうえない。
 それまで机にむかって本を眺めていた梶木将一は、眉をひそめて振り向いた。
「おいおい。ノックぐらいしろよな」
「え? したよー。ボク、ちゃんとノックしたもーん」
 将一の妹、野々子が棚に並んだマンガに手を伸ばす。
 二歳年下の妹は、見るからに元気いっぱいな年頃だった。
 タンクトップにデニムのホットパンツ。夏らしい涼しげな服装のせいもあって、見た目は少年めいた雰囲気だ。軽い天然パーマでウェーブがかかった髪は、耳元あたりまで伸びたボサ髪風のボブカット。くりくりとよく動く目がたいへん愛らしい。溌剌とした健康的な容姿のおかげで、ボーイッシュな格好がとてもよく似合う少女であった。
 それでも兄にしてみれば、やや男らしすぎる感じがする。あまりに活発なせいで、ときどき妹というよりは弟ではないかと思うほどだ。ノックもせずに部屋に入ってくる、傍若無人な性格のせいもあるかもしれない。
(もうちょっと、おしとやかにしろとは言わないけど……せめて、女らしさってものを身につけてくれないかな……)
 将一にとって、悩みの種が尽きないところである。
 まだまだ子供っぽさの抜けきらない野々子ではあったが、華奢な体にはほんのりと女の丸みが備わってきている。手のひらを被せれば隠しきれてしまう可憐な乳房や、本棚の前で前屈みになったときにツンとつき出る生意気そうなヒップ。細くくびれたウエストから続く腰つきはやはり女で、ラインの見える薄着のためか男をムラムラさせる扇情的な雰囲気があった。
 優美な肢体から、みずみずしい手足がスラリと伸びている。ほっそりとしたラインでありながら、水泳部に所属する妹の体はスポーツでよく鍛えられてた。ほっそりとした美脚を彩る、艶めく肌にはムッチリと張りがある。たまらなくセクシーな脚線美であった。発育途上まっさかりの肢体から、ふいに馨しい女の色気を感じて将一も思わずドキッとしてしまうほどだ。
(いかんいかん……俺はどこを見ているんだ。自分の妹なんかじゃ興奮しねえっての……)
 妹の腰回りを眺めていた将一は、鼻の下をずり下げていた。自分の目線がいやらしくなっていたことを自覚して、思わず首を振って気を取り直す。
 見られている野々子自身はと言えば、兄のひそかな下心などどこ吹く風といった様子である。本棚から取り出したマンガをパラパラとめくっては、中身にざっと目を通して満足そうに微笑んでいる。
「あ。これオモシロそう! アニキ、これ借りてくね」
「好きなの持って行けよ。汚すんじゃないぞ」
 犬でも追い払うみたいに手をパタつかせる将一。
 よそよそしい仕草を見ても、やはり野々子には気にした様子もない。むしろ、ほがらかな明るい笑顔を浮かべて、あたりの空気を華やかに変えていく。
「サンキュー! アニキやっさしーい。でも、マンガばっかり読んでちゃダメだよ」
「余計なお世話だ。だいたい、おまえが言うなっての」
「エヘヘ。冗談だってば」
 笑いながら舌をペロリと見せたあと『ちゃんと返すからね』と念押ししてから、野々子は部屋からさっさと出ていく。
 妹の性格はじつにさっぱりとしていた。用事が済めば、兄と話し込むこともなく帰っていく。だいたいいつも、そんな感じなのだ。
 けれども今の将一にとっては、そのことがたいへんありがたい。
「ふう……危ないところだった」
 大きく息を吐いてから、とっさに机の引き出しに隠した本を取り出す。
 本といっても、正しくは写真集であろうか。
 半裸の女体がドンと面積を占める表紙。グラビア誌だ。タイトル部分には、大きな書体で『こってり熟女アラフォー☆ナイト』と書かれている。
 友人から借りてきたばかりのエロ本であった。
「……むぅ。これは、なかなか……」
 鑑賞を再開した将一はページをめくり、一人黙々と作業にうち込んだ。
 わりと変わった性癖の持ち主、としか言いようがない。自分の母親ぐらいの年齢の女をオカズにすることで、たまらなく興奮するのだ。世間的に言えばダメ人間。
 しばらくしてきたところで、腰の奥に熱いものがこみ上げてくる。
 己の欲望に任せて、将一は滾る体液を迸らせた。
「うっ、うぅぉっ……ふぅー……」
 大量の精液が広げたティッシュの上に飛んでいく。
 どびゅっ、どびゅっ、どびゅっ……ドクッ、ドクッ、どくん……。
 異常な量の白濁液だった。
「んん? な、なんだこれ!?」
 十秒たってもまだ射精が終わらない。
 将一はようやく異変に気がついた。
「お、おい。止まれ。止まれって……」
 太い竿肉のつけ根から裏筋が波打つ。股間で別の生き物が暴れ狂っているみたいに、陰茎がビクンビクンと震えながら子種汁を吐き出し続けていた。
 いくらなんでも量が多すぎる。
 自分の体に起きた異変が理解できると、なんだか不安になってきた。
(……さすがに多すぎないか? 精液ってこんなに出るもんじゃないだろ。どうしちまったんだ、俺の体……!?)
 すっかり焦っている将一の耳に、廊下をトタトタと走る足音が聞こえてくる。
「マズい……!! 野々子か?」
 迫ってくる妹の気配に、将一は顔色を青くした。
「こんなところを見られたら……や、やばい! えっと、なんか……なんか隠せそうなところは……」
 とっさに目ついた足元の筒。
「───これだぁーっ!」
 円筒型のクズカゴに精液まみれのティッシュを放り込み、腰をかぶせる。
 その瞬間、扉がいつもの勢いで開いた。
「……アニキ! やっぱり別のマンガ貸して。これつまんないや」
 入ってきたのは、将一が予想した通りに野々子である。
「あ、ああ。マンガなら、どれでも好きなのを持っていっていいぞ」
「え、あ。う……うん」
 妹がひきつった顔で将一を見ていた。
 どうやら兄の異様な姿に、驚きを隠せないらしい。
 今の将一は、あきらかに不自然なポーズをとっていた。
 ひと言で説明するなら、アメンボだろうか。
 ただし五本足の。腰を押しつけている高さ四十センチほどのクズカゴは筒状で、いかにも太い足のように見える。そのうえガニ股での四つん這い体勢。ぱっと見た感じ、気持ちの悪い虫か宇宙人といったところだ。
 怪しい体勢をとっている将一だが、その怒張はいまだ汚液を吐き出し続けていた。
(ま、まだ出てる……? いつになったら……止まるんだよ、これ!)
 クズカゴの底に敷いたビニール袋が噴出したザーメンを受け止めるたびに、ガサゴソと音が鳴る。
 妹の目線で見てみれば、怪しい構えをした兄がときおり腰をビクッと震わせては下半身あたりから怪しい物音を響かせる、といったところだろうか。
 ごまかしようのないくらい、不審な状況だ。
 野々子は訝しげな目つきになった。
「アニキ、ナニしてんの?」
 妹の冷ややかな目線から、思わず顔をそむける将一。
「ナニって……いや、特に何も……してない、かな。だろ?」
「ふーん」
「しいて言うなら、そう……自分の部屋でリラックスしてる……自然なくつろぎの時間を満喫中ってところかな」
「リラックスしているようには、見えないんだけど」
 野々子の口調は、兄の言葉を露骨に疑っていた。
 将一は妹と目を合わさずに口笛を吹いて、ごまかそうとする。
(マンガでもなんでも持って、さっさと出て行ってくれ! ……ううっ、ま……まだ出てる……)
 野々子の小さく愛らしい鼻が、ヒクヒクと動いた。
「なんか……ヘンなニオイ、する」
 室内に広がる異様な臭気を嗅いで、妹が鼻と口を手で覆う。
「なんだろ? すごく生臭い……よね。この部屋」
「そ、そうか。気のせいだろ」
「気のせいじゃない。絶対に」
 眉間に小さな皺を浮かべながら、兄に向けた目をさらに鋭くさせる野々子。
「そっ、そんなことより……マンガならそれがいいぞ。上から二段目の左端にあるやつ。それ持って、部屋に戻れ……な。ゆっくり読んでていいから……」
 妹のジト目を無視して、将一は本棚にアゴをしゃくってみせた。
 そうしている間にも、いまだに射精現象が続いている。腰がビクッ、ビクッと軽く跳ね、四つ這い姿勢を保つだけ精一杯だった。
(止まれっ……!! 落ち着け、俺の荒ぶるものよ! なんだかよくわからんが、これ以上は出ないでくれっ……頼むから……)
 連続射精の快感をこらえて平常心を維持する。とてつもなく困難な心の制御に挑んでいる将一の額から、脂汗がたらりたらりと流れ落ちていく。
 どうにか表情を崩さないようにするのが、やっとのことであった。それ以上はどうしようもない。
 何事もなくやりすごそうとする兄の努力の甲斐もなく、野々子はきっぱり言い放った。
「アニキ。ちょっと、そこどいて」
 将一はぎこちない笑みを浮かべた。
「……え? な、なんで……かなー」
「ナニか隠してるでしょ? そんなヘンな格好してさ」
「ななな、ナンニモ隠してナイヨー」
 奇妙な口調で答える将一。動揺しすぎているせいか、声のトーンが高くなって尻上がり。
 そこで妹が、一歩だけ前に足を踏み出す。
 将一は、腰にクズカゴをひっつけたまま虫みたいに手足を操る。日常であれば決して見せない器用な動きで、その場からわずかに退いた。
「あ、あとでこづかいやるから。な……な! とりあえず、その……今は兄ちゃんを一人きりにしてくれないか。その……あれだ。兄ちゃん、ちょっと……えっと、恋とか勉強のことで悩みがあってな!」
「そう。わかった」
 野々子が後ろ手で扉を閉める。
 そうして、揃えた両足を床につけ、膝をまっすぐ伸ばしたまま上半身を前に倒す。その体勢で腕を垂らすと、指先がつま先にくっつく。常日頃からしっかりとストレッチを行なっていないと、ここまで見事な前屈姿勢はできないだろう。
 笑顔をたもとうとする将一の額に、大粒の汗が浮かんだ。
「な、ナニしてんだ……よ」
「ボク、こういうのイヤなんだよね」
 水泳部に所属する妹は、飛び込みのポーズで構えたまま兄に答える。
「気になることって、ほっとけないんだ」
「きき、気にすることないよ。やめなさい! 頼む、頼むから……」
「それ。無理だから」
 上体を下げたまま首だけを仰がせ、野々子は兄を見据えた。
 少女の黒瞳がキラリと光る。
 獲物を狙う、獣の目だ。
「おいおい。なにそんなマジになってんだよ。なあ……や、やめろって。な……」
「いくよっ!」
 野々子の体が跳び上がり、バネで弾かれたように空中をすべった。
「……よせっ! やめろ! やめるんだぁーっ!」
 将一の悲痛な叫びが響く。
 飛びかかってきた妹は、すこぶる本気だった。




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