2日目 1380系と中央本線 -3-
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もともと1992年、名鉄の看板特急「パノラマSuper」の1030・1230系の4本目として登場した。JR東海道本線と闘うため、名鉄のフラッグシップとして、連日大活躍だった。
しかし2002年9月のこと、特急豊橋行きとして名古屋本線を走っていたところ突然、列車の前にクルマがよたよたと走っていたのです。 間違えて踏切から線路に入ってきてしまったらしきクルマに、なすすべもなく猛スピードで追突。クルマは見るも無惨に潰され、ドライバーは死亡。
このとき先頭にたっていた特別車(モ1134)は、衝突した反動で脱線、架線柱をなぎ倒しながらめちゃめちゃに壊れる。それでも電車に死者はいなかった。 あのとき全国ニュースでながれた凄惨な映像は、今でもよく憶えている。 命をささげた1134-1184は、やがて解体されていった。
それ以来、相棒を失ってのこされた4両は、悲しい過去を背負いながらも生きのびた。モ1384には運転台取り付け改造が行われ、4両は新たな人生を授かった。 だけど、その命は特急車としてではなかった。塗色はスカーレット一色、ミュージックホーンもついていない。これは名鉄の方針なのでしょう、でももしかすると真っ赤な急行は この4両の意志なのかもしれない。そう思っています。 それでもかまわない走り続けられるなら。
1380系は、今日も名鉄のどこかで仲間の思い出をのせて、安全を願いながら走っているのです。 また名古屋の地でこの車両を見たら、心の中でそっと旅立った2両の冥福と、4両の安泰を願ってあげたいのです。
これが現在の先頭車、モ1384。
事故で失った相棒にかわって、先頭車をつとめる。
モ1384の新設された運転席部分。
窓のない部分がすこし広いんです。
豊橋よりに残されたこの車両にちなんで、
1380系という新たな名が与えられたのです。
それは託された、新たな責任と使命
華やかな特急からは退き、のどかな広見線の各駅停車。
ゆるやかな朝とともに 発車のときを待っていました。
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