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「皆の笑顔の為に・・・ 第十八話(GS)」ファリス (2004.12.20 17:43/2004.12.20 18:12)
リポート1 さあ、始めよう!皆の笑顔を守る為の戦いを!!



横島が過去に戻ってきた瞬間、ある所でその事を感知している存在がいた。
そこは何処までも続く漆黒の闇。その闇の中で蠢く影がある。

【クックック・・・遂に来たか、俺と対なる者よ。俺は貴様が憎い。憎くて、憎くて仕方が無い。
出来る事なら、俺が直接貴様の大切な者どもを殺したいが、それは『今』は出来ないな。
・・・俺が『ここ』でも干渉するのを、首を長くして待っているがいい】

そう言うと、影は闇に溶けて姿を消した。




さて、そんな事を考えている存在がいるとは露知らず、
過去へと無事に戻ってきた横島は、
中学生の時に自分が生活していた部屋で目を覚ました。

「ここは・・・中学生の時の部屋か?・・・あれ?雪菜は何処だ?」

過去に戻る時まで一緒にいた雪菜の姿が見えず横島は辺りを見回したが、
部屋の中に雪菜の姿は無かった。


雪菜だけ失敗した?
そんな考えが横島の脳裏を過ぎると横島は顔を蒼白にして、
下の大樹達に知られない様にしながら雪菜の名前を何度も呼んだ。

「ゆ、雪菜?雪菜!?おい、何処にいるんだ!雪菜!!」

最後に一番強く雪菜の名前を横島が呼ぶと、
頭の中に直接話し掛けてくる人物がいた。その声を聞き間違える筈がない。
雪菜だった。

『忠夫様、忠夫様』
『雪菜か?今何処にいるんだ?』

雪菜も無事にこっちにこれている事を知った横島は、
安堵すると共に雪菜が今何処にいるのかを聞いた。

『私は今、赤い塔の上にいます』
『赤い塔?・・・光ってるか?』
『はい。それはもう、綺麗に』
『(東京タワーか。でも、何でそんな所に?まあいい)
わかった、今から俺もそっちに行くからそこで待っててくれ』
『分かりました』

横島は雪菜が返事をしたのを確認すると、
魂の中に仕舞われている神龍神刀に話し掛けた。

『刹那、今の俺の霊力はどれ位だ?』
『おお、気が付いたか横島。お主の霊力値か?大体、80位と言った所だな』

刹那にそう言われた横島は、顎に手を当てて考え出した。

『と言う事は、小竜姫様の一回目の修行を終えた時の美神さん位か。
この霊力で文珠はいくつ創れる?』
『そうだな・・・多く見積もって三個が限界だな』
『ストック数は?』
『二十六個だ』
『仕方ないな。暫くはストックで如何にかしていくしかないか』

横島は刹那との話し合いを終わらせると布団から起き上がり、
自分の持っている服の中から黒っぽい物を選び着替えた。

そして、ストックの中から二個取り出すと『転』『移』と刻み、
その姿を一瞬で部屋から消した。


姿を消した横島は雪菜が待つ東京タワーの展望室の上に降り立つと、
雪菜の姿を見つける為に辺りを見回した。

「忠夫様、ここです」

すると横島の背後から自分を呼ぶ声が聞こえ、
そちらの方を向くとそこには雪菜が自分を見ていた。

「雪菜、心配したぞ」
「すみません、忠夫様。ただ、最高指導者様達が忠夫様に言い忘れた事があったらしく、
私に伝言を頼みたかったらしいんです」
「伝言?」

横島が雪菜に問い掛けると、雪菜はゆっくりと頷き一枚の封筒を胸元から取り出した。

「ど、何処にしまってるんだよ・・・。まあいい。
俺に伝えておく事ねぇ〜、何だろう?」

そう言うと、封筒を開けて手紙を読み出した。
暫く黙って読み耽っていた横島は、ある一点の所に読み至ると吹き出した。

「ぶーーーー!!」

「ど、どうしたのですか、忠夫様!?」
「い、いや何でもない。(ぜってぇ〜後でぶん殴る!覚悟してろよ、二大馬鹿!!)」


横島がそんな事を考えた時、某所の光る部屋では二人の男が同時にくしゃみをした。
【【クシュンッ!!】】



さて、横島が読んだ手紙の内容だが、こんな内容だった。

拝啓 親愛なる横島君へ
この手紙を読んでいると言う事は、無事に過去に戻れたんですね。良かった、良かった。
・・・コホンッ。さて、実は私達は貴方に伝え忘れていた事があるんです。
その伝える事ですが、貴方の抑止力としての権限と注意事項ですね。それでは、
一つ・抑止力として、世界に危機が訪れると独自に判断した場合、
   全ての権力を撥ね退け、その原因となる物を排除せよ。

一つ・抑止力としての貴方に、依頼できるのは最高指導者のみである。

一つ・貴方が世界を滅亡させようとした場合、神界・魔界の全武力を持って、
   身近な者もろとも排除する。

一つ・独自の種族を創る事を認める

こんな所です。
ああ、そうそう。何人でも貴方の種族に入れていいですからね?
前の世界で大切な人を一人に選べなかった横島君へ
敬具 最高指導者の二人より


つまり横島は、最後の部分で吹き出した訳である。

その直後、横島が読んだ手紙の内容が気になったのか、
雪菜は横から手紙を覗き見ると最後の部分に多大に反応し、
少し潤んだ上目使いで横島を睨み付けていた。
そんな雪菜を可愛く思った横島は雪菜を抱きしめ様と近づいた時に、
ここの近くから、結界で気付き難いが膨大な魔力を感じた。

「なっ!何でここまででかい魔力を持った奴が地上にいるんだ!?
・・・そうか!今日がエミさんと使い魔が戦う日だったのか!」

横島はそう言うと雪菜を抱き寄せ、ストックから文珠を再び六個出すと、
それぞれに『魔』『力』『探』『知』、そして『転』『移』と刻むと全て同時に発動させた。
文珠の発動の光が収まった時、展望台の上には誰もいなかった。



横島が東京タワーの上で、雪菜から受け取った手紙を読んでいるのと同時刻。
ある倉庫で死闘が始まろうとしていた。
その倉庫には二人の男女と、一匹の小悪魔がいた。

『キィキィキィ!後、数分で封印が解けるキィ!
そしたら、真っ先にエミ!お前を殺して喰ってやるキィ!』

封印魔方陣の上に浮かぶ黒い小悪魔が、
小麦色の肌の女性・・・小笠原エミにそう言うと、エミはそれを鼻で笑って言い返す。

「ハンッ!ベリアル、あんた今の状況が分かってないの?
あんたは今、私と師匠の特性封印魔方陣の上にいるのよ?
いくらあんたが、封印が解けたら中級以上の力を持っているって言ったって、
それは破れないワケ!」

エミの言葉をせせら笑いながら聞いていたベリアルは、
最後の言葉を聞いた途端、腹の底から笑い出した。

『キィッキィッキィッ!!お前馬鹿だキィ!
高々、それ位の霊力の二人が併せて作った結界が、俺に敗れない訳が無いだろう!?』

ベリアルがそう言った瞬間、結界の中で小悪魔の体が弾け飛び、
今までの何十倍もある魔力を撒き散らしながら、巨体を再生した。

『やっと束縛が解けたぜ。ここまで長かったキィ!
束縛が解けた俺様は上級悪魔クラス!こんな結界、紙屑だキィ!』

ベリアルはそう言いながら結界に少しずつ歩み寄って行く。
その魔力に中てられたのか、エミが師匠と読んでいる男はエミにこう言って走り去って行った。

「ふ、ふざけるな!エミ!お前がこいつは封印が解けても中級程だと言ったから俺は付き合ったんだ!
相手が上級クラスなら俺は知らん!お前の卒業を今ここで認めてやる!
GSになろうがなんだろうが勝手にしろ!」

・・・最低な男である。
しかし、その言葉を聞いたエミは愕然としてしまった。
こんな男でも、GSの中ではそれなりに力があった。そんな男が悪魔を目の前に逃げ出した。
自分がなろうとしているのはこんな臆病な男でもなれる職業なのか?
あんな男の子を出さない為に絶対になろうと思ったが、別の方法でなった方が良いのではないか?
エミはそう考えてしまっていた。

エミが愕然としている間に、ベリアルは結界を紙屑の様に引き裂くと、
足音を立てながら歩み寄って行く。

『残念だったな、エミ。あんな男にも見捨てられて。
所詮、お前はその程度の女だったって事だキィ!
そんな人生に意味は無いだろう?今、俺が楽にしてやるキィ!』

そう言ったベリアルは右手を大きく引き、エミに向かって突き出した。
エミはそれを、ベリアルから発せられる膨大な魔力で朦朧とする意識の中で避け様とする。
しかし、金縛りにでも掛かった様に体はうまく動かず、
このままでは脇腹を削り取られるだろうと、エミは何処か他人事の様に感じていた。


しかし、ベリアルの爪はエミに届く事は無かった!!
エミとベリアルの丁度中間に、黒っぽい服を来た男の子が日本刀を持って立ち、
その刀によってベリアルの爪は防がれていた。

『お前誰だキィ!!』

突然、屋根から飛び降りて自分達の間に割って入ると、
手加減していたとは言え、自分の爪を止められた事に驚愕しながらベリアルは問い掛けた。

「俺か?俺はよ・・ま ただ・だ。ここで貴様を殺す者だ。
冥府に行っても覚えておけ。これが六銭の変わりになる!!」

エミは何故か、自分を助けた者の名前だけがうまく聞き取れなかった。
その時に、意識が朦朧としている所為だと思ったが、
何時の間にか体が自由に動き、意識もしっかりしている事に気付いた。

「ちょっ!おたく、逃げなさい!そいつは、おたくみたいな子供が勝てるような相手じゃ!」
「大丈夫ですよ。あの方は絶対に負けませんから。そう、絶対に」

エミが後ろ姿しか見えない男の子に言った言葉に答えたのは、
何時の間にかエミの横にいた雪菜だった。

「おたくは!?それに負けないって、あいつは上級魔族なのよ!
おたくはあの子供を連れて早く逃げるワケ!」
「私は、雪 とでも呼んでください。それにもうあの方は戦いを始めてますよ?
見て御覧なさい。後学の為に」

雪菜が偽名を教え、既に横島が戦い始めている事をエミに言うと、
エミは雪菜に向けていた目を、再びベリアルに向けた。

『何だこのガキ!何で俺の攻撃が当たらないんだキィ!』
「『我は柳の如し』・・・神龍拳の歩法だ。今位の速さなら、貴様の攻撃は俺に当たる事は無い」
『俺様を嘗めるんじゃ無いキィ!』

ベリアルはそう言うと、今まで以上の魔力を体から吹き出させた。
そして、一瞬で横島との距離を詰めると腹部に爪を刺そうとした。

「っ速い!ちっ、神速!」

しかし、横島がギリギリで発動した一瞬のみの神速によってそれは当たらなかった。

『刹那!このままじゃ辛い!今の身体で全力はどれ位の間出せる!』

ベリアルの攻撃を何とか避け続けるが、少しずつ掠り出した横島は頭に中で刹那に呼びかけると、
どれ程の時間全力を出せるのかを聞く。

『今のお主の身体だと持って十秒!それ以上は肉体が耐えられん!』
『たった十秒かよ!自分の体ながら脆弱だな!?』
『仕方が無い!六式封印一式・神(しん)の封印を五秒だけ解除する!
いいか、五秒だ!その間に奥義を使い、決着を付けろ!!』
『わかった!!』

横島と刹那が頭の中でした会話は、現実にしたら二秒にも満たない。
しかし、上級魔族と相対する場合二秒とは大きい。

『ボンヤリしている暇は無いキィ!!』
「しまった!」

横島は遂にベリアルの爪を左腕に大きく掠めてしまった。
その傷からは、裂傷の為か血が流れ続けている。
それを見た雪菜は飛び出したいのを必死に堪え、エミの周りに結界を張り続ける。
エミも最初の時とは打って変わって、横島が傷を負ったと言うのに、
何処か彼なら何とかしてくれる。そう言った気持ちで横島の戦いを眺めていた。

そして、その気持ちは直ぐに現実となる!!

『行くぞ!六式封印一式・神を五秒間解呪!』
「行くぞ魔族!これが最後の一撃だ!!
神龍剣奥義!龍爪三連!!」


横島は身体に霊気風を纏うと、先程まで数秒も使う事が出来なかった神速を使い、
ベリアルとの距離を真に一瞬で詰めると、神速の三連斬を放つ!!

しかし、その三連斬をベリアルはそれぞれ片手ずつで弾くと、
最後の頭への一撃を両手で防いだ。

『これで、お前の攻撃は終わ「まだだ!!」ッキィ!?』

「派生奥義!龍牙滅砕!!」

派生奥義龍牙滅砕。
龍爪三連が防がれた場合、神龍神刀に一気に霊力を集束させ敵を押し潰す技である。

カッ!!ズドオオオオォォォォォンンンンンンン・・・・・

『なっ!俺が人間如きに負ける!?そんな馬鹿な事がある訳無いキィ!!
これは何かのまち・・・ギャアアアアアアアアア!!』

ベリアルから距離を取り油断無く見続けていた横島は、
ベリアルが完全に消滅したのを確認すると、バタッと倒れてしまった。
気絶する前の横島の言葉は

「もう駄目・・・疲れたぁ〜〜。チ○○も元気にならねぇ〜〜」

だった。
と言っても、横島がベリアルを倒した後急に倒れ、
そんな横島の元に走る雪菜とエミにこの言葉が聞かれなかったのは幸いだろう。


十九話に続く



あとがき〜
過去編一話目終了!!
長かった〜。ここまで来るのに、十七話も使ってしまった。
自分の文才の無さが恨めしい。
とまあ、愚痴はこの辺にしておいて。
今回はベリアルを使って、横島が全力(と言っても、未来に比べればかなり低いですけど)で
どれ位戦えるのかをやって貰いました。
この後、ニ・三話は身体を鍛える話と雪菜をどうするのかの話を書きます。
それではこれからもお付き合い下さい。


レス返し〜
D,さん、ありがとうございます。
>最後に!雪菜は何か能力はないのだろうか?
あります。多分、次回の話で出るかと思います。今回の話で一つ出ましたしね。

とさかさん、ありがとうございます。
>どんな女難に襲われるのやら。フフフ・・・
そりゃあ、もう。口では言い表せない様な物になるかとw

李白さん、ありがとうございます。
>横島最強主義にはやや食傷気味です。
そうですか・・・それは申し訳ないです。

九尾さん、ありがとうございます。
>誰かがどうこうしたとかじゃないですからねえ。
いえいえ、介入者がいたんですねぇ〜。
それが誰だかはまだ言いませんが、相手は今までの作品には無かった相手かと思います。

大神さん、ありがとうございます。
>エミってベリアルと戦った時、一歩間違えば死んでた
>かもしれないんですよね
結構気になるんですけど、エミって原作だと誰の弟子として試験受けたんですかね?
それに、どうやってベリアルを倒して封印したんですかね?

砕牙竜さん、ありがとうございます。
>すごく面白かったです
>これからもがんばってください
ありがとうございます。頑張らせて頂きます!!


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△記事頭
  1. 過去編一話めおつかれ様でした。
    このあとの展開も楽しみにしております。
    あと語学の為にではなく、後学の為にだと思います。
    ダブルソフト(2004.12.20 18:09)】
  2. 横島の対!いったい誰?!今までの作品になかったとのことですが、原作にいるかいないかははっきり言わないとこがにくいっす!もしいないなら考えるだけアホや〜ん!!でもいるかもしれないし〜。
    エミさんは何故名前を聞き取れないんですかね?なにか重要な意味がありそう。とりあえず想いが届いたのは確認できましたね。
    九尾(2004.12.20 18:17)】
  3. いや〜横島君封印されても十分強いですね
    之で修行して元の力を得たらアシュタロス程度楽に倒せるでしょうね
    横島君が作る新種族果たしてその名は如何に
    紫竜(2004.12.20 18:33)】
  4. いやはや横島君お強いですな〜まあただ強いだけでは無く
    ちゃんと制限掛かってますから、バランス取れてて良いですね^^
    次回も楽しみです頑張って下さいね。
    大神(2004.12.20 19:12)】
  5. 新種族の名前…「横島族」?w

    それはいいとして、エミさんフラグを中学生にして立ててしまいましたか〜。
    良きかな良きかな♪
    このままハーレム人口を伸ばして行って欲しいですね〜

    む?「横島と愉快な仲間達」族ってのも良いかもw
    Dan(2004.12.20 20:34)】
  6.  取りあえずバカ男がベリアルを倒したとかぬかしたらこのよ・・・・・・GSとか霊能活動が出来ないように社会的に潰してやれ」・・・・

     最後に!抑止力にはやっぱり反抑止力が働くのですかねぇ・・・・
    D,(2004.12.20 21:06)】

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