かわいいもの
猫
ウサギ
子犬
但し、雌の
虎さんは強いんだぞ!!
第三話 汚されるもの 後編
天井から護衛セイバーと御庭番・玉三郎、梅幸が飛び降りた。
「将軍様には指一本触れさせはしない!!」
「覚悟しろ!!ふとどきものめ、成敗してくれる!!」
だが、パンターは落ち着いた動きを見せた。
護衛セイバーをあっという間に蹴散らし、玉三郎と梅幸を一撃でふっ飛ばした。
突如出現したセイバードールス・パンター。
たった一人で攻め込んできた実力は伊達じゃない。
主君を守るために登場した護衛セイバー隊はことごとくスクラップにされ、護衛の要たる玉三郎と梅幸もその攻撃の前に為すすべもなく倒されてしまった。
「フンッ!!たかが護衛セイバーごとき、あたしの敵じゃないんだよ!!」
パンターは足元に転がっていた護衛セイバーの頭部を踏み潰した。
凄まじい破壊力とパワー―
これだけの戦闘能力を持ったマリオネットは、まず存在しないだろう。
「まいったね・・・こりゃ・・・・」
小樽はあせった表情を浮かべ、攻めあぐねている・・・フリをしていた。
先ほどの戦闘を見て、すっかりパンターの戦闘能力が分かってしまったのだ。
幼いころから、施設で日々超一流の戦闘訓練を受けてきた小樽からすれば、パンターの能力はアリ同然だった。
それ以上に興味があったのは、パンターの容姿と言動にあった。
一般には見られない自然な動き、しなやかに動く肢体。
そして、雌が放つ特有の甘い香り。
どれも、これも欲望を駆り立てられてしまう。
だが、それを表に出すのはまずいのでさっきからどうやってこの雌を捕まえようかと、それだけを考えていた。
事実、このとき小樽の発情メーターはすでに限界に達していたため、パンターの“破壊”ではなく“調教”をどうするかのほうが大切だったのだ。
そうすれば家安を助けられるだけでなく、“雌”も情報も手に入って一石二鳥―
最低だな、オイ・・・・
「死ねぇ!!家安!!」
「んっ?!将軍様!!」
小樽は家安を助けるために、服を引っ張って逃がそうとした。
それに倒れていた梅幸が反応し、家安を保護した。
「梅幸!将軍様たちを安全な場所へ避難させてくれ!!」
「お主はどうする?!」
「分かりきったことだろ!!こいつを叩きのめす!!」
小樽は真っ直ぐにパンターを見た。
パンターは思わず吹き出した。
「何がおかしいんでぃ!!」
「はーーっはははははは!!これが笑わずにいられるか!!何を馬鹿なことを言っている!生身のクローンがあたしを叩きのめすだぁ?!ふざけるのもいいかげんにしなっ!!」
「ん?!ぬおっ!!」
ドカァァァァァァァン!!
『あちゃ!!気を抜きすぎたか。典型的な速攻パワータイプだな、へっ!だが、これで面白くなってきやがった!!』
襖を突き破って吹っ飛ばされながら、小樽は冷静に状況を分析していた。
そんなこととは知らず、パンターは狙いを小樽の脳天に定め一気に振り下ろした。
「くたばれ!小僧!」
「小樽!!」
ズッドォォォォォォォォォォン!!
だが、次の瞬間パンターは横からの攻撃を受けて吹っ飛んだ。
「何ぃ!!誰だ!!」
それは、襖の奥から飛び出してきた。
紫色の髪を簪で止め、慎ましい着物姿のマリオネットが現れた。
そのマリオネットは小樽の前にちょこんと正座して、丁寧なお辞儀をした。
「お初にお目にかかります。私、JSM―02T・チェリーと申します。以後、お見知りおきを」
「へ?!は、はぁ・・・・こちらこそ」
『ふむ・・・こいつからも“雌”の香りがする、今日は大安吉日だな』
おいおい・・・
続く・・・!!
まことに申し訳ありません!!
我が愛しき愛機のデータが、飼っている猫の一撃により吹っ飛んでしまいました!!
明日は必ず18禁モードに突入しますので、どうかお許しください!!
BACK<