「は、はい。」
幻海に腹を殴られたダメージから立ち直った横島は幻海に続こうとして・・・・・こけた。
「あ、あれ・・・・た、立てない?」
すぐに、起き上がろうとするが立てない。そんな横島を見て幻海は言った。
「んっ?あー、霊力が尽きたのかい。こいつはあたしとした事がうかつだったねえ。しょうがない。」
そう言って横島に近づくと・・・・・・・いきなり口付けた。しかもディープで。
(☆◇?!○△お、俺、幻海さんにキスされてる?幻海さんは美人で・・・・でも、本当は75歳で、いや、でも今は若いよな・・・・・・・・・いい、俺は行く!!実年齢なんか気にするもんか!!それを言ったら小竜姫様なんか数百歳以上じゃないか!!)
その行動に対し横島は混乱した思考の後、開き直った。そして幻海にそのまま“どばっ”と行こうとしたその時。
「横島さん!!幻海さん!!雪之丞さんのほう・・・・・・・・・・・・・・。」
そこにおキヌが入ってきた。目の前の光景を見て、そして見られて、おキヌと横島は硬直した。
「はあはあ・・・・・・。」
息をつく雪之丞、先ほどまで戦っていた魔族は死んではいないが、もう動けないようだ。そして、雪之丞の方も霊力の大半を使い果たしてしまっている。
「まだまだだな。」
ある意味、不意打ちみたいなものとは言え、べスパすら一撃で倒した横島と比べ、その差を実感する。
「けど、いつか超えてやるぜ。」
そう、決意する。それに、目の前の魔族は本当に強かった。勝った事は誇っていい事だと感じる。だが、その時、その場にもっと強い魔力の持ち主が近づいてくるのがわかった。そしてその魔力の持ち主が現れる。
「あら、ボルフィード、負けちゃったの?」
「くっ。」
それは先日横島と戦った女魔族の一人、ルシオラだった。ルシオラは雪之丞の戦った魔族、ボルフィードを見て馬鹿にしたように言う。
「それにしても何でパピリオが使った使い魔を使わなかったの?あれを使えば勝てたでしょうに。」
「ふん、あんなものに頼れるか!!それより貴様何故こんなところにきた!?」
「あなた一人じゃ、頼りないからよ。神族の拠点は全部つぶしたしね。」
神族の拠点を全てつぶしたというルシオラの言葉に驚く雪之丞。そして、ルシオラはボルフィードの懐をごそごそあさると何かカプセルのようなものを取り出し、割った。そこに5000マイトクラスの蛇のような魔物が出現する。
「さて、片付けちゃいましょうか。」
そしてルシオラは雪之丞の方に向き合う。絶対的に不利なその戦いに流石の彼も冷や汗が流れた。
「な、何をしてるんですか!?」
横島にキス?している幻海の姿を見ておキヌが悲鳴に近い叫びを上げる。それに対して幻海は冷静だった。
「心配しなくても今のは一瞬の人工呼吸だよ。別にあんたの男を取り上げたりはしないさ。」
「お、男って、よ、横島さんは別に・・・・。それに人口呼吸って・・・・。」
顔を真っ赤にして否定しながら、同時に疑問を発する。それに幻海が答えた。ちなみに横島はいまだ硬直したままである。
「こいつが霊力切れをおこしちまったもんでね。体液を通して霊力は供給しやすい。房中術なんかもその辺の原理を利用してるのさ。で、あたしの霊力を注ぎ込んでやったっていう訳だ。」
「り、理由わかりますけど・・・・・。」
理由はわかったが感情では納得できない。それでも、ここに来る前のおキヌだったならばなんだかんだで我慢してしまっていただろう。だが、ここに来るに当たって“色々と”決意し、またクマタカと契約できたことで少々興奮状態にあった彼女は勢いもあって、以前なら考えられないような行動にでた。
「でも、だったら、私も霊力を供給します!!」
そう言って横島に近づくと、彼女も口付けづけたのだ。流石に舌をいれたりはしなかったがかなり濃厚に。その行為によってさきほどまで硬直状態だった横島は目を白黒させている。
「おや、思ったより独占欲が強いんだねえ。」
幻海はそれを面白そうに見ている。そんな事をやっている頃、外では雪之丞が死に掛けていた。
「くっ・・・・・・。」
「がんばったけど、もう終りね。」
力尽き、倒れた雪之丞を見てルシオラが見下したように言う。そして止めをs刺そうとしたその時だった。
「ぬうははははははははは。」
「えっ、何この霊圧!?」
怪しい笑い声と共に人間とは思えない霊圧を持った男が現れたのだ。
「はははははは、雪之丞待たせたな!!今の俺は誰にも負ける気がせーーーん!!!」
美人二人にキスと言う形で霊力供給された横島は煩悩全開で極限近くまで霊力が高まり、男に対してもちょっぴり優しくなれる程、心が広くなっていた。
「このGSにして霊光波動拳継承者・横島忠夫の力をみせてくれるわ!!」
「あなた、この前べスパを傷つけた奴ね!!許せないわ!!いきなさい!!」
横島の顔を見て憎しみの表情になったルシオラは蛇の魔物を横島をけしかける。いつもの横島なら大蛇の如き、その凶悪な姿に強くなろうとびびってしまっていたかもしれない。だが、今の横島は無敵だった。
「ふん、無駄!!アチョ、アチョ、アチョ、アチョ、アチョ、アチョ!!!!!!!
どこかで聞いたような叫びと共に蛇に次々と突きを見舞っていく、そして。
「お前はもう死んでいる。」
その言葉と共に蛇の魔物は、媒体になった蛇と力に分離した。
「なっ!?」
「相変わらずでたらめな野郎だぜ。」
それを見て驚愕の表情を浮かべるルシオラと何処か嬉しそうな表情をする雪之丞。
「くっ、なら私が相手をするわ!!霊力が強いとは言っても所詮人間!!」
「ふっ、お嫁にいけない身体になる前に大人しく帰った方がいいぜ。」
と、必死な形相のルシオラに対し、言葉では紳士的?だったが、非常にいやらしい目をする横島。それを見てルシオラはちょっぴり嫌な顔をする。だが、気を取り直し彼女は強力な霊波砲を放った。
(後書き)
ルシオラの性格がちょっと悪く見えるかもしれませんが、横島と振り合う前の彼女ってこんなもんでしたよね?って、言うか横島の方が性格悪い?
現段階の霊力
横島 666(笑)マイト(煩悩全快ブースト中)
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