温泉に浸かってのんびりしている清麿。
横にはサンビ−ム氏も頭にタオル乗せてくつろいでいる。
「で、状況を説明してもらえるかね。清麿」
「とりあえず、三人娘が思う存分食って皆元君と一緒に寝てからです。
あの子ら巻き込みたくないですから」
多分もう遅いのではないかとか思いながらも納得するサンビ−ム氏。
もしかしたら久しぶりにウマゴンに会えるかもしれないな。
一方こちらは女湯。
詳しく描写する筆力が無いので皆様ご勘弁ください。
「納得いかぁ−ん!」
「お、落ち着いて薫ちゃん。気持ちは分かるから」
「恵にあたしらの気持ちが分かるかぁ!!!!」
「『あたしら』って、ウチを一緒にせんといてんか。薫よりちったぁ大きいで」
「点5ミリの差でデカい面するな!
大体恵も相当なモンだがアレは何なんだアレは!」
「あまり人を指差すものじゃなくってよ、おチビさん」
彼女の示す先に居るのはベルモンド家当主、シェリ−・ベルモンド。
「巨大」と称したくなるサイズと、にもかかわらず絶妙のバランスを保った見事な形を持つ彼女のプロポ−ションは
密かに自信を持っている恵も正直羨望というか嫉妬というか殺意というか・・・
とにかくそういうモノを抑えられない。
「まあまあ、落ち着くあるね」
横でくつろいでいるリイェンは、もうそういう方面で競う気を失っていた。
「ほう、あれが上位進出者らのパ−トナ−どもか」
温泉でゆっくりくつろぐ彼女らを少し離れた岩山から見下ろす影ひとつ。
「全員殺すか・・・取り込んでやってもいいな。
長の言葉が真なれば、さぞかし溜め込んでおるだろうな・・・アレを。
全てを献上する必要もあるまい。
わが物とすればこのデモラク どげしっ びゃぼっ
いきなり後方から蹴飛ばされ、岩山から転げ落ちる。
(何だ?気配など全く感じなかったぞ!?)
背中から地面に叩きつけられ、状況を把握する前に上から落ちてきた何かが腹部を直撃する。
「ぐめりょっ!」
とりあえず二三回転がって場所を変え、それから立ち上がる。
周囲の状況を把握せねば、暗殺者として特化した彼の本能がそれを命じる。
そして、彼が見たモノは・・・
「覗きですか。
あの『鬼』が引き起こした殺人事件のせいで最近めっきりお客減っちゃいましてね
その上覗きをされたとあっちゃ信用というかマジで死活問題なんですよ」
眼前には人間の・・・人間・・・人間なのか? まあとにかく人間の雌の外見をした存在が立ちはだかっていた。
「とりあえず、噂になる前に覗きは滅殺しましょう、おねえちゃん」
横合いから聞こえた声に目をやると、眼前のと同様の存在が居た。
慌てて周囲を見回すと、もうふたつほど「ソレ」は居て、しかも自分は包囲されている。
なんというか・・・もう恐怖を感じる事すら出来ない。
フと気付く。
少し離れた場所にこの人間の雌モドキと同質の、しかしきっぱり異なる存在に。
中身はそう変わらないようだが、外見は人間の雄に酷似しているし、この四体と違って殺気を放っていない。
助けてくれ おもわず視線に懇願をこめておくるが、その雄モドキは悲しそうな表情で首を振るだけだ。
「おねえちゃんの手料理食べてもらいましょう」
「その前に、体に自分の罪を知らしめないとね」
頼む 助けてく
「『ザケル』」
電撃がデモテリアのパ−ツの幾つかを討つが、まったくダメ−ジを受けた様子は無い。
「ウヌ、こうなればもう一度」
再び目を閉じて意識を集中するが・・・
「無駄だと言った」
「があああああああああ!」
一斉攻撃に吹き飛ばされるガッシュ。
「こういう場合はあんな風に精神集中すれば悪のエネルギ−とかを見切れて
力と技と心を極めた超必殺技を使えるようになるのではないのか、稲田先生?」
どこかすこしだけ遠くで『オオン オオン オオオオオオオオオン』『キキ−』『どっかあん』
などいった音が聞こえる。
「もう一撃!『ザケル』」
その一撃はかすりもせず、花壇の土を掘り返すだけだった。水道管に穴が空き、周囲に水が撒き散らされる。
しゅるるるとパ−ツが集まり、体を再構成する。
「正直期待外れだな、魔界の宰相よ。
今日は退こう。次は楽しませてくれよ。はははははははははははははははは」
足元の影の中にするりと姿を消していくデモテリア。
「強い・・・の・・・しかし・・・」
ドドォン
パム−ンの一撃に、こんがりと焼けてなにやらいい匂いすらさせて倒れこむデモデロス。
「ふう・・・確かに強ぇ。久々に楽しい戦いだったぜ」
「お・・・おおおお・・・おで・・・負けてじまっだだ・・・
もう・・・がえれねぇ・・・」
「帰る?」
「おで、おさざまのめいれいこなせなかっだ・・・かえっだらおさにごろざれる・・・」
「ならあたしにつけばいいのよ」
突然横合いから聞こえた声に振り向く両者。
「女王陛下、危のうございます」
彼らの前に姿を見せたのは、ひょっとしたら魔物だったのかもしれない真っ黒いケシズミを引き摺ったティオ。
庇おうとするパム−ンを横に押しやる。
「ぢょうおう・・・ずるどおめがディオだか?」
「そう。でもいまさらパム−ンかわしてあたしさらえるとは思わないでしょ」
「でぎねぇ・・・ごいつ強ぇだ・・・でもごのままじゃおでころさりてしまう・・・」
「だから、あたしに付きなさい。
あたしに付いて、あたしの言う事を聞けばあなたをあいつらから守ってあげるわ。
そう!あなたはあたしに出会い、あたしに仕えるために生まれたのよ!!」
「お・・・おで・・・ディオに・・・ディオぢょうおうに・・・」
「そう。仕えるため!それが真実!それが真理!それこそがあなたの運命なのよっ!」
「デ・・・ディオ・・・」
「『ティオ女王陛下』よ」
「ディオ・・・じょうおう・・・へいが・・・」
「そう。それでいいのよ」
「おづかえいだしまず・・・・」
なにやらヤバげな宗教勧誘のような感動的風景でした。
続きます
さて、理由がまったくもって想像出来ないのでガッシュの「呪文打つ際意識ふっ飛び」は無視しています。
それにしても、ウォンレイが敵に回るとは・・・おそらく「この戦いが終わっても二人で居られる方法がある」
とか言われたんでしょうね。
しかしそれより、バオウを撃てる魔物の情報を連中が入手したってのがヤバいですね。
あと「鍵」となれる力を持つ、既出の魔物といえば・・・ガッシュにブラゴにア−スに・・・ティオ?
原作はホント先が読めません。
BACK<