あやうし!タイガー寅吉
注意!
この話は原作コミック38巻「呪い好きサンダーロード!!」を読んでからでないと分からない可能性が有ります。そちらを読んでからをおすすめ致します。
某高校 一匹のトラが2人の若者を壁に追い詰めていた。
いや?追い詰められているのはトラの方か。
その証拠にトラの目は捨てられた子猫がすがるかの様だ。
2人の若者は嫌なモノでも見るかの様に顔を背け壁に張り付いている。
「横島サン、ピートさんどうかワシをたすけてツカーサイ!」
「んな事いわれてもな〜」
「僕にいったいどーしろと・・」
何故こんな事になったか。
それは1人の中学生が原因だった。
彼を仮に少年A君(14)とする。
A君はいわゆるイジメられっ子で幼稚園の頃から十何年もの間ツラ〜イ日々を送ってきた。
だが彼はやられっぱなしではなかった。
必死でオカルトの勉強をしながら小遣いを溜めてヨリシロをコツコツ買い集め何年もかかって気を溜めて。
なんと手製の式神を造り上げた。
なかなかどうして大した奴である。
この式神で苛めっ子(というよりチンピラ)に天誅を下すハズだったが。
たまたま通りかかった「金で雇われて悪人に味方する悪徳GS」の「用心棒アタック!!」なる攻撃によってA君の式神は倒されてしまった。
その後も色々あったがその辺はマンガを読んで貰って。
A君はその事件の後
「シ・イ・タ・ゲ・ ラ・レ・シ・
モ・ノ・ノ・ウ・ラ・ミ・
ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カーーッ!!」
と言うアツイ思いを抱きGS協会の門を叩いた。
協会の方ではA君の年令を理由に適当な事を言って帰って貰うつもりだったが彼の余りにもアレすぎる決意にウッカリある事務所の名前を教えた。
事務所の名前は
「OGASAWARA GHOST SWEEP OFFICE」
少年A君(14)は事務所の所長小笠原エミに長年の苦労と怨念と痛みと決意を語り弟子入りを頼み込んだ。
意外にも簡単に「弟子見習い」として許しを得た。(もしかしたら恐かったのかもしれない)
エミの方にも事情があった。
タイガー寅吉彼は間違い無くエミの弟子だが「霊能者小笠原エミ」の弟子であって「呪術士小笠原エミ」の弟子ではない。
エミは日本最高の「呪い屋」である。(多分)
「呪い」というのは存在はメジャーであるがGSとしては極めて特殊な部類に入る。
エミの目から見てA君は逸材だった。
「呪い屋」として。
タイガーには無い資質を持ちやる気も執念もある。(ちょっと多い?)
だが足りないモノもある。
プロのGSつまり「仕事」として霊能を行うには精神的にも肉体的にも未熟なのだ。中学生なのだから当然だが。
精神の方は自分の指導とこれからの年月に任せるとして肉体的な部分は本来の業務がある為
「そこまでメンドウ見切れないワケ」
となったので。
タイガーの仕事となった。
本当なら後輩の指導を任されたと素直に喜べるハズだが「呪い屋」の弟子見習いではそうもいかない。
タイガーがGS免許を持っていれば別だったろうが。
彼はいまだにGS免許を持っていない。