▽レス始▼レス末
「もうひとつのGS美神IF 後日談(GS)」テルヨシ (2004.12.15 20:31)
ルシオラが泣き止み、横島が辺りを見渡すとそこには誰もいなかった。
皆気を利かせ立ち去った後だった。

そんな彼等に感謝しつつ、横島とルシオラはとりあえず横島のアパートへと移動しそのまま眠りについた。
ルシオラは復活したばかり、横島は元々体調が万全で無い状態での先ほど全力以上の力を使った為体力・精神の限界だった。




ちなみに先ほど横島に協力した男性陣はカオス以外全員横島達と似たり寄ったりな状態である。
雪之丞、タイガーは自宅に帰り彼女への電話が終わるや否や。
唐巣、ピートは教会に帰るなり夢の世界へと旅立った。
西条は残していた仕事に取り掛かろうとしたが疲労感と眠気には勝てず机に追いかぶさるように寝てしまった。


閑話休題

横島とルシオラは二人寄り添うように並んで寝ている。
いつもは寝相の悪い横島も、今夜はおとなしく寝ている。
これは疲労のせいか、それとも隣にルシオラがいるという満足感の為だろうか?






もうひとつのGS美神IF 後日談







あけて翌日の午後。

横島の姿を美神事務所で見ることが出来た。
横島が応接間に入るとそこには美神親子とおキヌがいた。

「どうしたの横島クン? 当分仕事は無いから休んでいて良いのに」
アノごたごたで自宅が崩壊し、事務所に泊まり込んでいる令子がそう横島を出迎えた。

「ちょっと美神さん達に紹介したいやつがいまして・・・」
「誰なの?」
「今この事務所につれてきていますから」
横島はそう言い一度応接間から退室しもう一人を連れて再び応接間に姿を現した。
横島がつれてきた人物の姿を見ると美神達は驚きを隠せなかった。


「「「ルシオラ(さん)!?」」」



彼女達が落ち着くのを待ち、横島は昨日の出来事を話始めた。


聞き終えたとき、おキヌは思わず叫んだ。

「何でそんな大事なことを相談してくれなかったんですか! 直接力にはなれなかったでしょうけど何か出来ることがあったはずです!」
それに対し横島は短く
「ゴメン」
と謝る。

それでも興奮が収まらないのか、おキヌは横島になおも詰め寄る。



おキヌがいち早く興奮してくれたおかげで令子は冷静に二人の会話を聞くことが出来た。
そして理解した。

横島が相談しなかった訳。
それは自分達を心配させたくなかった事。
それ以上に不退転の意思でこの計画を考えていたこと。
あの時はルシオラを選べなかったが今回はルシオラを第一に考え、行動したのだろう。




一方美智恵のほうは安心した顔をしていた。

実は横島から事前にこの話を聞いていたのだ。
ルシオラ復活の為に計算に土偶羅の協力が必要だった為、美智恵に土偶羅を貸してもらっていたのだ。
兵鬼といえども今回の事件の重要参考人。
おいそれとは許可できないはずだが美智恵は許可した。
横島・ルシオラ両名に関して負い目を感じていた為もあるが、横島に幸せになってもらいたい気持ちがあったからだ。

そんな気遣いが分かった横島は
「ありがとうございます」
と深々と頭を下げ、土偶羅の協力を得たのだ。






そんな訳で美神親子は
「おキヌちゃんもそれぐらいで許してあげなさい」
「この業界は結果がすべてだからまあ結果オーライでしょうね。でも横島クンも反省はしなさいよ」
と二人をとりなした。



そして五人は今後のこと――――万が一のことを考えヒャクメにルシオラの診断をしてもらう。
それに伴い小竜姫やパピリオ達にルシオラ復活の連絡を取る事など―――――を話し合った。



これらの話し合いが終わった後、皆でお茶にしたのだが横島とルシオラは自然と隣同士に座った。
特段二人に見せ付けるという意思は無い。
それだけに二人が深い絆でつながっているように周りのものに思わせる。



このような事、そして横島の行動。
分かっていたことだが、横島のルシオラへの想いをまざまざと見せられた感じがする。
令子もおキヌも少し寂しい気もするが、あの慟哭を見ていただけに素直に二人を素直に祝福したいと思った。


そんなこんなで皆がくつろいでいると人工幽霊一号が来客を告げた。


美神事務所を訪れたのは昨日ルシオラ復活に協力した面々だった。

「どうしたんですか皆さん?」
「横島クンと約束があってね。来ているんだろう?」
「西条お前仕事はいいのか?」
「横島クンがおごってくれるんだ。仕事を抜け出しても来る価値があるだろう?」
「西条さん、これはどういうことなの?」
西条と横島がいつものように軽口を叩き合っていると、話にまったくついていけない令子が口をはさんだ。


「ああ令子ちゃん。昨日の件で横島クンに食事をおごってもらう約束をしてね。
でそろそろ出かけるには良い時間だろ? こちらから迎えに来たのさ」
時刻はいつも何かそんな時間になっていたのだ。

それを聞いた令子はどこか悪戯っぽい顔をすると
「横島クン、私たちにもおごってもらえるわよね?
心配かけた償いとして」
と「さも名案」という風におキヌにチラリと見ながら横島に聞いた。

そうこられては嫌だとも言えず、皆で出かけることとなった。








皆で出向いた先は魔鈴の経営しているレストラン。
アシュタロスとの最終決戦での影響で夕食時にもかかわらずあまり客はいなかったが、横島達にしてみれば好都合だった。

そして皆での食事会――――というよりは宴会に近いものがあったが――――が始まった。



その最中、横島は昨日協力してくれた雪之丞達に改めて礼を言っていた。
「皆のおかげでルシオラを復活させることが出来た。本当にありがとう」
「気にするなよ。飯もおごって貰ったんだしな」
「そうですジャー」
雪之丞達は口々にそんな横島に対して言葉を返す。
彼らは横島に対して感謝しているのだ。


今まで以上の、全力以上の力が出せたことによる充実感、達成感。
つらい出来事を今まだ何度も味わってきた。
でも今回は自分達の力でそれを覆すことが出来た。
今までの自分、これからの自分のなすことに迷うこともあるだろう。
でも今回のことは間違いなく自分達を支えてくれるだろう。




一方のルシオラは今まであまり時間が無くて話せなかったのもあるのだろうか、美神親子やおキヌと色々楽しそうに会話していた。
時折カオを赤くしているのは横島との事をからかわれているのだろう。

「寂しいけれど彼女なら横島を任せられる」
そんな気持ちを再確認した令子とおキヌ。
それを温かく見守る美智恵の姿がそこにはあった。



そして楽しい時間はあっという間に過ぎ、食事会は解散となった。


横島はルシオラを美神の事務所に送り届けた後(勿論美神親子やおキヌも一緒にだが)一人自分のアパートへと帰っていった。
自分の部屋のドアの前に立ち、鍵を開けようとするとうまくいかない。
どうやら最初から開いていた様だ。

「かぎ閉め忘れたっけな?」と思いながらも部屋に入っていくとそこに人影を発見した。
月明かりでシルエットが明らかになると、横島はその人物を確認することが出来た。

「ル、ルシオラ。何でここに?」
月明かりに照らされているルシオラ。
素直に綺麗だと横島は思う。

「来ちゃった」
そんな横島にルシオラは微笑みながら答える。

言いたいことも色々あったが、そんなルシオラの微笑みに何もいえなくなり―――正直に言えば来てくれて嬉しいのだし―――
「そろそろ寝るか?」
横島はそう告げた。



そして二人は昨日と同じように仲良く並んで眠りについた。
つながれた二人の手。
これが二人の絆を示す様でもあり、彼らが日常に帰ってきた証でもあるかのようだった。










ギャグバージョンからのオマケな続き





すし屋から横島の住んでいるアパートへと帰ってきた二人。
部屋に入るなり横島は
「そういえばルシオラ。なんでもしてくれるんだったな」
といきなり切り出した。


「え、ええ」
いきなりのことに若干驚きながら答えるルシオラ。

「じゃあこっちに来れくれ」
ルシオラが横島に近づく。
そしていきなり抱きしめた。


「!? ヨッ、ヨコシマ。まだ心の・・・」
とそこまで言いかけてルシオラは気づいた。
横島の体が震えていることに。

「どうしたの横島」
落ち着くように背中をなでてやりながらルシオラは優しく問いかけた。

「ここにいるんだよな」
「えっ?」
「お前はここにいるんだよな? このぬくもりは幻じゃないよな?」

ルシオラ復活。横島の願いがかなっただけに冷静になると不安になったのだろう。

ルシオラは横島をぎゅっと抱きしめると
「ここいるわ。私もお前も」
横島の不安を吹き飛ばすように微笑んだ。


そんなルシオラに対し、横島は
「そうだよな。俺もお前もここにいるんだよな」
と抱きしめ返した。









あとがき

いかがだったでしょうか?

蛇足っぽい感じがしますし、余韻を楽しんでいただいたほうがいい気もしないでもないですが、一応後日談なんかを書いてみました。







さて次に投稿させていただこうと思っている話は企画モノです。
その名も何と『GS美神if外伝 レアカップリングを目指して』
あまり見かけない(私主観ですが)カップルをつくってみようというこの企画。
どんな組み合わせのカップルが出るか楽しみにしていただけたら幸いです。


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△記事頭
  1. 両方の後日談が見れてよかったです。基本的には、シリアスだろうとギャグだろうと最後には祝福する気持ちはみんな同じみたいですね。それに横島たちの安堵も。これから始まる毎日を知ってるだけに感慨深いです。
    次回からの企画は『レアカップル』ですか。冥子ちゃんと鬼道、パピリオと天龍あたりは横島とくっついてなければわりとポピュラーですからそれ以外ですかね?何か思いつくかな〜?
    追いやられて魔族になったということでアシュに共感できベスパの癒しとなれるか!?ジーク×ベスパ!!
    浪速のペガサスに憧れる気持ちが先生ラブ娘と意気投合するか!?ミニ四駆の兄弟どっちか×シロ!!
    横っちばかりにおいしいとこを取らせるな!失恋したおキヌちゃんを癒せ!銀ちゃん×おキヌちゃん!!
    さあお客さん!!どれでも好きなのとってけーー!!
    九尾(2004.12.15 21:21)】
  2. うーん、レアなカップルですか・・・・
    レアじゃないけど、横島とタマモとか、横島と魔鈴とか、横島とメドーサとか見たいですねェ。

    >ジーク×ベスパ

    確かにレアかも。
    接点も作れなくはないし・・・・・
    LINUS(2004.12.16 03:51)】
  3. 良かった良かった、と優しい笑みの浮かぶ後日談でしたv皆は二人の事ちゃんと祝福して、嬉しく思って、喜んで。二人共、お幸せにv二人共、ずっとそこにいて下さい。ずっと、お互いの傍らに。
    次回の企画、レアカップリングですか〜・・。どんな組み合わせになるのか楽しみにしてます。
    柳野雫(2004.12.16 04:51)】
  4. 皆さんレスありがとうございます。

    >九尾さん
    どちらの展開にしてもあんまり変わらない結末でしたね。私がこういう話が好きだから仕方ないんですが。
    レアカップルの予想については、『汗』。
    なにはともあれ楽しみにしてくださるとありがたいです。

    >LINUSさん
    基本的にGS美神ifの外伝という位置づけですので、横島がらみのカップリングはありません。ご了承ください。
    ジーク×ベスパ。面白そうな組み合わせですね。私には思いつきませんでしたが。

    >柳野雫さん
    GS美神ifのほうでは書きませんでしたが、美神とおキヌ、二人の気持ちなんかも書いてみたかったので書いてみました。
    次回もお楽しみに。期待にこたえられるように頑張ります。
    テルヨシ(2004.12.16 19:33)】

▲記事頭


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