▽レス始▼レス末
「異能相談所説話 1(GS+いろいろ)」raibu (2004.12.13 02:23)
「…どういうこと…ですか?」
「あなたをGメンのほうで身柄を保護します。
 質問、そのたは受け付けません」

 話は文字通り唐突に始まった。
 某日。
 アシュタロス戦の記憶もだいぶ薄まった今日この頃。
 横島はGメンの隊長…つまり、美神美知恵のところへ。

 そして、唐突に命令されたのだ。

『Gメンに入り、以後、西条の管轄下に入れ』と。

「明確な理由を聞かせられない限り、その命令には応じられませんよ!」
「…いわなかった?質問も、何も受け付けるつもりはない、と」

 横島は理解できていない。
 なぜ、こんな強引な手をとるのか。
 自分をGメン直轄において何の利点があるのか。
 そのあたりを思考し…ひとつ、思い当たった。
 贖罪とかそういうものでは確実にない。

 確実にないとすれば…

「文殊か…要するに文殊供給をGメンで完全管理しようと。
 そのために…俺の行動を完全管理しようというわけか…」
「…………ええ。その通りよ?
 ハッキリと言ってしまえば、あなたの力の中、見るべきところがあるのはまず際立ってそれだけ。
 それ以外を考えても…見つかる?自分が『価値がある』と胸を晴れる要素が。」

 沈黙。
 それが支配するかのようだった。
 周囲には目の前にいる美神美知恵。
 それ以外にはだれもいない。

「だったら何だっていうんですか…」
「…単純よ。
 最近…あの戦いで肩身の狭い思いをした人たちがいてね。
 東京で言えば…神凪とか。
 西のほうだと…神城とか。
 正直に言えば、そっちからの影響力もあって。
 こちらとしては挽回するカードがほしいの。

 そのカードが、あなたよ、横島クン」

 (他人の都合かよ…)
 そう、内心でつぶやけば。
 横島の内心それを拒絶する思考が浮かび上がる。

 ただひとつ。
 
 それは、別れをも意味するが。
 今まで、共にいて。
 一緒に笑って。泣いて。

 心を、満たしてくれていた人たちとの別れ。

「お断りだ。傀儡になるつもりはない!」
 
 叫び、横島は彼女のテーブルを思いっきり叩いて叫んだ。
 彼女の、要求に対する否定を。
「そう、美神令子除霊事務所所属員としてのGS免許剥奪を申請しておきます。
 罪状は、先達の戦役。
 あのときの魔族に対する協力。いえ…寝返り。
 またこちらに寝返った、という扱いにしておきます」

 (それだけでこの女との縁が切れるんだったら…文句はない…
  そう、認識する)

 美知恵は続ける 
 
「事務所に戻ることは許しません。
 あそこは、美神令子除霊事務所員と、その依頼者が赴くべきところ。
 部外者の入っていいところではないわ」

 淡々と、動じることなく彼女は続けていく。
 別れさえ言うことも許されず。
 いや、従う理由もないのかもしれないが…

「出て行っていいわ。
 ここにくることも…もうないでしょうけど。」


 横島は無言で出て行く。
 そして…そのまま姿を消した。
 事務所の人間はそれないに探したようだが、やがて、諦めていった。
 
 横島忠夫。

 その名が彼女らの口に上るのは、それから2年ほど後の事。

 その時間を修行と、研究に費やした横島は、とある都内のボロビル。
 地脈的にはそれなりに優秀なそこに、ひとつ、城を構える

『横島異能相談所』

 元来人間以外に好かれやすかった彼が、その特性を生かして、共存できるところは共存していこうと考えた結果らしい。

 ビルの中から、二人、人影が出てくる。
「小僧…いや、所長か。
 モグリとはいえこんなところを作ったのだ。
 かぎつけられるかも知れんぞ?」
「心配性だな、カオス。
 若返ったというのに…まあいい。
 安いものだが、祝いといこう。マリア?買い物頼めるか。」
 
 若かりしころ、700年前の姿そのものになっているカオス。
 香港戦などの功績で若返らせてもらったらしい。
 いろいろ実験台風味だったようだが。

 マリアはうなずくと、カオスからそう多くはない資金を受け取り、コンビにまで歩いていく。少々の、買い物をするために。

「掃除だ、手伝え。」
「ん。」

 二人はそんなやり取りをして中に入っていく。
 奥多摩のとあるボロビル。
 そこが物語にクロスするのは、もう少し先の話。

 



えと。
三作品ほどこの後かかわらせる予定のを出しておきました…
チャットばっかりやっていたせいかな。いろいろ問題が。

三年近くぶりに書くSSですので…お許し…を?


>NEXT


△記事頭
  1. なかなか、興味をそそられるスタートでした。
    なんせ、横島の心を踏み躙る美智恵の悪役っぷりがいい!
    横島&カオス&マリアの活躍がどうみれるのかが楽しみです。
    いろんな作品と絡むそうですが、ついていけるのか俺?
    二郎三郎(2004.12.13 03:01)】
  2.  神凪と神城ですか・・・・スティグマとまぶらほがまざってますねぇ・・・・和麻とか和樹とかが登場するのだろうか?

     最後に!美知恵の言葉は、令子を守る母親故の台詞か、たんに上に逆らえない故か、本心からの同意かきになりますねぇ・・・・・
    D,(2004.12.13 10:08)】
  3. ・・・・・・『母親』としてか『Gメン』としてかによって美知恵のセリフは意味が違ってきますね・・・

    >事務所の人間はそれないに探したようだが、やがて、諦めていった。
    ・・・自主的に探すのを諦めたのか、それともどこからからの圧力で諦めたのか・・・気になりますね・・・

    「横島異能相談所」に変な圧力がいかない事を願いつつ、続きを楽しみに待つことにします。
    (相談所の四方に四聖獣、上空に麒麟、すぐそばに黄龍を置きつつ退場・・・)
    放浪の道化師(2004.12.13 13:24)】
  4. なんというか・・事務所の皆が創作を諦めた理由が気になります。
    横島にそれ程執着がなかったか、外部からの圧力か。
    それにしても、Gs美神を描くのならば、事務所を離れた後、残された人たちの動向は、大きな注目事項だと思うのですが、
    それが今の段階では全くないのが、アッサリ過ぎて味気無さ過ぎると
    思うのですが。

    それと横島の喋り方、ダーク展開でよくある”ぶっきらぼうタイプ”
    は使い古されていて、言い方は悪くなりますが、もはや陳腐になっていると思います。
    くれ(2004.12.14 05:52)】
  5. 是怨戦に参加した上であゆみちゃんを助けるために行動しそう。(ルシオラと自分を重ね合わせて)

    性悪オバハンはさっさと消えて欲しい。

    次回を楽しみにさせていただきます。
    (事務所内の人間に害意を持ったものを一切通さない結界を張り退場……)
    タカちゃん(2004.12.14 17:17)】

▲記事頭


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