「なぁ、キーやん。最近ひまやな」
その片方が相方に声をかける。
「ひまなことはいいことじゃないですか。アシュタロス戦役は二度とごめんですよ。せっかくデカント協定も成立し、ハルマゲドンも次のミレニアムまで延びたんですから」
声をかけられたほうは呆れながら声をかけた方に言い返す。
「…まぁ、アシュタロスには結果的には悪い子とした思てるが、今まで小競り合いでも何かしらの騒動があったんやからさすがにひまになってもうてな」
「…サッちゃん。人間時間でたった半年でそんなこと言うんですか、あなたは。少しは落ち着いて下界の様子でも視察でもしていたらどうですか?」
半年前。三界(天界、魔界、人間界)を巻き込んだ大きな抗争が起きた。主犯格は魔王の一人、アシュタロス。世界の破滅と再創造を目論んだ大事件である。後にアシュタロス戦役と呼ばれるその戦役においてアシュタロスの目論見は人間界において最強のGSと呼ばれた美神美智恵、令子親子と横島忠夫の手により撃破されている。
「…まぁ、あいつらの様子見てたら暇つぶしにはなるんやけどな」
サッちゃんと呼ばれた存在が指すあいつらとは先に上げられた美神令子の興したGS事務所、美神除霊事務所である。
「少なくともわれわれの間での抗争も和平に持ち込めましたから千年は平和なはずですよ。何ならどうです?転生でもしてみたら。いろいろと経験ができますよ」
「そりゃちと心が動かされる提案やな。でも協定が結ばれたとゆーても、片方がいなくなればここの重石が軽うなる。そんならせっかく封印されてるやつすら目覚めかねんぞ」
「まぁ、確かにそうですな。冗談で聞き流し…」
そこまで言ったところで二人の近くに姿をあらわしたものがいた。羽付き帽子をかぶり、杖を片手にした青年である
「どうしたんや、ヘルメス。なんぞ連絡でもあるんかい」
サッちゃんがそう切り出しすと青年、いやオリンポス族の連絡などを引き受けているヘルメス神は
「あれが動き出しました。どうやら封印から力が漏れているようです」
と返す。
それを聞いた2柱の神は顔から笑みが失われた。
「封印は完全に解けたのではなく、一部の亀裂から幻影を生み出しております」
「それで、黄竜王のところは?」
「先に向かったところ、この前のゴルフでのギックリ腰が響いて戦闘に出れないそうです」
「まずいで、特殊な力を持っているあいつにゃそれに対応する力を持っている黄竜王以外の神魔はわいら以外ではなんともならんし、わいらがここを動けばやつは完全に封印が解けよる。動けへんで」
「参りましたね…ここに進退窮まりましたか」
「あの。彼らにやらせて見てはいかがでしょうか?」
ヘルメスが提案する。
「彼らとはまさか…」
「はい。美神令子、横島忠夫。おそらく現状で最も奴に対抗できる力を持つのは彼らかと」
戦いの幕はこうして上がったのである
本編へ…
あとがき
どうも、投稿者としてははじめまして。2次SSのほうは初心者のドンペリです
実は某SLG制作キットでのゲーム作りに考えていたねたですが、SS形式の方が話が書きやすいと気づき、SSとして投稿することにしました。
内容を読めば気づかれるでしょうが、ベースがGS美神でさらに伝奇系2作品(一応タイトルにヒントが)を入れております。
あまり長編にするつもりはありませんが、予定は未定です。それでは皆様しばし私のつむぐ物語を楽しんでください。
…序章長すぎて、美神たち出せなかったよ、ママンorz
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