前回、黒い闇に飲み込まれてしまった横島とシロ、彼らはこの先どうなってしまうのか?第一話の始まりでござーい。
「・・・っ痛、あれ?生きてる?俺どうなったんだ?」
目を覚ました横島はあたりを見渡す。穴に落ちたはずなのにそこは広い焼け野原だった。しかもいまだに燃えているようだ。
「おっかしいな?俺とシロはなんか穴に落ちたと思ったのに・・・てシロっ!?おーいシロっ!」
一緒に落ちたはずのシロの姿が見えない事に気づいた横島は辺りを見渡すが
シロの姿はどこにも見えなかった。
「畜生、シロと離れ離れかよ・・・こうしてても仕方ないし、探索しに行くか・・・・・て、あれ?」
と腰を上げたがある事に気づく横島。
「なんか視点が低いような・・・・ははは、まさかな」
と思ったが、
「服もなんだかでかいし・・・・のわっ」
歩こうとした横島は自分の靴に躓いた。
「嘘だろ・・・・ち、縮んでるっ!?」
そう、彼の体は約10年前の姿になっていたのだった。
「なんでだっ!?何かの呪いか?それとも・・・・」
ぶつぶつと考える横島だが、彼のそんな様子に気づいた者がいた。
「君?君は大丈夫なのかい?」
「・・・・まさか天罰?・・・・ははは、まさかだよなあ・・・」
「おい!大丈夫かっ?」
「て、うっさいなと・・・・て、えーなんでしょう?」
声をかける人物に気がついて、顔を向ける。
声をかけた人物は何でこんなところにいるんだろうというような普通の格好をしていた。ただ、その腕に今の自分と同じような年頃の子供を抱いている事を除けばだが・・・
「君もこの火事に巻き込まれたみたいだね、僕と一緒に来ないかい?」
とやさしげに聞く。
「へっ!?いいんですか?」
これからいく当ても無い横島にとっては渡りに船だった。
「ああ、もちろんだとも」
にっこり笑う男。
「それじゃあ、お願いします。」
「ああ」
そして、二人は病院へ行った。
病院にて・・・
「はあ、退屈やなあ・・・・」
病院のベッドで退屈がる、横島は外傷こそ無かったものの、あんな火事だったのに無傷ではおかしいなどという事で検査入院していた。
彼はヒマな時間に新聞などを読み、あの場所で何があったのかということや、ここが自分のいた世界でわ無いということを知った。
「こいつが起きてりゃまだマシだったんだけどなぁ」
ため息をついて隣のベッドで眠る少年を見る。
隣のベッドには、あの日、男が腕に抱いていた子供があの日から眠り続けていた。
「・・・・あ・・・・」
「え?」
隣の少年を見ている途中でいきなり少年は目を開けた。
「おお!目、覚めたか!?ちょっと待ってろよ今ナースコールすっから!」
「・・・え、あれ?・・・」
目覚めた少年はどうしてここにいるのか分からない様子であちこちをキョロキョロ見回していた。
『どうしたの?横島君?』
スピーカーから若い女性看護士の声が響いた。
「あ!その声は美雪さんっすね?いやー相変わらず美しいお声で、ぼかーっもう!!」
用件も忘れて口説きにかかるが、悲しい事に今の彼の体は小学校低学年頃の肉体である。つまり・・・
『駄目でしょう?用も無いのにナースコールしちゃいけないわよ』
全く持って相手にされてない、まあ元の体だったとしたらセクハラで訴えられるだけでなく、女性看護士に代々伝わるサブミッション(関節技)を決められていただろうが。
(ちなみに開祖曰く、『人の治し方を知っているという事は人の壊し方も知っているという事だ』は、全看護士の恐怖の言葉として伝えられている。)
「いえいえ、用ならありますとも美雪さんの美しいお声を聞くっていうね」
『ブツッツ』
切られた。
「ああっ!!美雪さんっ!待った!待った!」
ようやく用件を思い出し再度ナースコール。
『もう、横島君用も無いのにナースコー・・・』
「違うんすよっ!俺の隣のベッドのヤツが目、覚ましたんすよ!」
『何ですって!?わかったわ、先生!先生!』
そこでやっと物語が進む。
先生が来て検査を終えて帰る頃になって一人の男が見舞いに来た。
「こんにちわ横島君、それに君が士郎君だね」
そうフレンドリーに挨拶する男
「あ、ども」
「うん、率直に聞くけど。孤児院に預けられるのと、始めて会ったおじさんに引き取られるの、君たちはどっちがいいかな?」
「「へ?」」
二人はハモった。
横島は
(どちらにせよ行く当てもないし、後ろ盾はあったほうがいいよな)
士郎は
(孤児院とどっちも知らないことに変わらないし)
「いいっすよ」
「僕も」
どちらもYES
そしたらそいつはにっこり笑って
「そうか、良かった。なら早く身支度を済ませよう。新しい家に、一日でも早くなれなくっちゃいけないからね。」
そう言って慌てて荷物をまとめだした。
「おっと、大切な事を言い忘れた。うちに来る前に、一つだけ教えなくちゃいけない事がある。」
そうして気軽に
「初めに言っておくとね、僕は魔法使いなのだ。」
本気でそんな事を言った。
「へえ」
「うわ、爺さんすごいな」
と二人はそう返事した。
「一ついいか?」
横島がたずねる。
「うん?なにかな?」
「おっさんの名前は?」
「ああ、言い忘れていたね、僕の名前は衛宮切嗣といんだ。」
こうして、横島と士郎は衛宮切嗣の息子となった。
横島忠夫と衛宮士郎という兄弟として・・・・
あとがき
えー第一話です。横島退行そして切嗣の息子にという展開
この先二人はどうなってしまうのか?次回にご期待ください。
手元にはGS美神ワイド版全巻とFateのゲーム、怪しいところが無い様 に頑張ります。(次からFateの本編に入る予定です。)