なぜなら・・・・
「死ぬぅぅっっ！！死んでしまうぅっ！！勝てるかぁ!!こんなもんにっ！！」
彼の名は横島忠生、かの「アシュタロス大戦」において、重要なキーパーソンとなった男であり文殊使いでもある。そして、もう一人は・・・・
「横島先生っ！！置いてかないで欲しいでござるぅ！！」
赤いメッシュが入った銀髪をなびかせて横島と走っているのは犬塚シロ。
横島の一番弟子である人狼族の少女だ。
彼らがなぜこうして走っているかというと、（視点を彼らの後ろに向ける）
『ウオオオオオオオオオオオオオオンンンンッッッ！！！』
と、巨大な黒い闇ともいえる謎の影に追われているからだ。
事の起こりはこうだ、
いつもどうりの美神除霊事務所の朝に何時ものメンバーが揃い、仕事の分担が始まる。
「横島君、ここの除霊をシロと一緒に頼むわね。」と、横島に資料を渡す美神。
「あのー、美神さん？」
「どうかしたの？」
「この仕事って結構高いんですけど、俺とシロだけで大丈夫なんですか?」
「まあ、さすがにね場所が場所だけに口止め料も入って５千万、そろそろあんたもコレぐらいの仕事を任せてもいいかなと思ってね、手取りは２％でいいから。」
「マジッすか?、５千万の２％・・・・てことは１００万もっ！？」
驚く横島、何故なら彼の時給は255円のまま、多分これからも変わらないだろう、その分彼一人に任せる仕事の以来料は（大分美神に取られてしまうが）
彼の懐に入る事になる。
「あああっ今日の夕飯は牛丼屋で特盛りツユダクに決定じゃあ！！行くぞっ！シロっ！」といってすぐさま駆け出した。
それをシロが「先生、まつででござるよ！」とか言ったりして追いかけていった。
他のメンバーは、タマモは我関せず、おキヌちゃんと美神は呆れた顔をして見送った。
そして、依頼主から事情を聞き、あたりの探索をしていた矢先に襲われて、命からがら逃げている最中だった。
「畜生っ！文殊はさっき逃げる時使ったやつで打ち止め！霊波刀やサイキック・ソーサーじゃ、暖簾に腕押し！・・・・てことは！」
「先生！？何かいい案が！？」
「てことは・・・・・もう駄目じゃー！！死んでしまうー！！」
ずっこけそうになるシロ、逃げる途中でも冷静な判断はできるようにはなったが、所詮は横島、ソレを生かすことができないのだった。
「先生！諦めないでください！」
「ううっ、わ、分かってらい！えーと、えーと」
なんとか立ち直ったシロが励ますが、そうこうしているうちに・・・・
ズボッ!!
「え？」
「あれ？」
途轍もなく深く暗い穴に落っこちてしまった。
「ぬうわあああああああああっっ！！！」
「ひえええええええええええっっ！！！」
ドップラー効果を残しながら黒い影とともに堕ちていく二人、そしてそのどこまでも深く暗い闇はすうっと消えてしまった。まるで、何かに満足したかのように・・・・
そのころ美神除霊事務所では、美神が書類仕事をしていた。
「あの、美神さん・・・」
「なに？おキヌちゃん」
「横島さんたち大丈夫でしょうか？」
お茶を入れてきたおキヌちゃんが心配そうに美神にたずねるが
「だいじょぶ、だいじょぶ。あの二人が簡単にやられる訳が無いでしょう？」
と軽く返す。
「そうよ一応シロもいるんだし、そんなに心配する事無いって」
タマモも心配なさげに言う。
いつも喧嘩ばかりするような二人だが
「それより、さっき言ってた『場所が場所だけに』ってどういう意味？」
「ああ、それ？その場所って寺なのよ、しかもそこそこ歴史のあるね。」
「「寺？」」
「ええ、なんでも自分たちの面子にかかわるからとかいってね、口止め料コミで１億。」
「あれ？さっき横島さんには５千万って・・・」
「あらっ！？そ、そうだったかしら？」
そう言って顔を背けた。
「美神さん・・・・」
ああ、またかという顔をして美神をみるおキヌちゃん。
「や、やーねぇ！ちょっと言い間違えただけじゃない。」
「もういいですよ。ところで、そのお寺って何ていうんですか？」
さすがにこれ以上はやめておこうと話を変えた。
「え？ああそうね、なんでも柳洞寺って言うらしいわ。」
そうして、運命は重なり合う・・・・・
二人のイレギュラーがこの先どのような影響を与えるのか・・・・
まだ、誰も知らない・・・・・・
あとがき
いかがでしたでしょうか？「ＧＳ横島 ＩＮ Ｆate」
ブルが初の投稿作品となりますこの作品、なにぶん初めてなもので、 色々と至らぬ点も御座いますでしょうが、呆れずに付き合ってください 感想、突っ込みなどよろしくお願いします。皆様のご意見などで、私も 成長できるかも知れませんので。
では 失礼いたします。（なお、続編も近いうちに出す予定です。）
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