塔のある異界空間の中に取り敢えず逃げて来た為、色々と免れたシロタマとタイガーであったが──
塔から出て来た横島達とぶち当たり。
「ああっ先生っ!!ご無事でーーーっ!!」
「あ、シロ!!タマモ、タイガーも!!ワリ!!今あの魔体止めなきゃなんねーから!!」
「ちょっ・・ちょっと、横島!?」
「因みに横っち鬼道さんとくっついたんで諦めた方がええで!!」
「「ええーーーーーっっ!!?」」
「む、そうか、知らんのか、外にいた者達は」
「何故アシュタロスがココにいるんジャーーー!!?」
「おう、アンタもちと来ぃや。魔体が暴走しててな。中に取り込まれとるハニワ助けなあかんのや。アンタの精神感応で呼び掛けてくれ。少しは魔体の制御が楽になるかもしれん。頼むで!!」
「いきなり危険の真っ只中にダイブですカーーーーー!!?」
虎が一名巻き込まれました(爆)
「何してるの!?ヒャクメ!!早く私達も──」
「・・きっ・・来たのね〜!!!」
「えっ?来たって・・」
「何がでちゅ!?」
「どうしたのじゃヒャクメ!?」
「ってゆーか・・来てるのねーーーっっ!!!」
悲鳴に近い叫びの直後。
『はっ!?』
気付いた。
全員が。
自分達より遥かに上の存在の、来訪に。
「で、どーやってあそこまで行く!?空飛べねーとキツイぜ!?文珠使ってもいーけど、残りがあんまり・・」
「私は飛べるからな・・一番重そうなその虎っぽいのを持っていこう」
「虎っぽいって何ジャー!!ワッシにはタイガー寅吉という立派な名が・・ってあああっ!!アシュタロスに持ってかれるのは嫌ジャーーー!!!」
どうでもいい事だが、今アシュタロスは人間形態。それをアシュタロスだと看破しているタイガー、何気に凄いのかもしれない。
それはともかく。
「取り敢えずホーキ持っとるけど使うか?・・ハッキリ言って俺は気乗りせんのやけど・・」
「・・ホーキて・・」
「銀ちゃん・・それは・・」
「・・またあの『ヨーロッパの魔王』のモノか?」
「いや、とある『魔女』からの買い物や」
「魔女て・・」
──同時刻。
「あらあら、皆さん元気ですねぇ♪」
異界空間の自宅には。
どこから受信しているのか、南極の様子が鮮明に映し出されたTVを眺めつつ、のんびりと茶を飲む魔女がいたりして。
そしてその横には。
「ちょっと!!どーいうつもりなのっ!?」
「銀一さんに頼まれまして。邪魔なんで、預かってくれと転移されてきたんですよ」
「あんのガキャーーー!!!」
拘束された美智恵が転がっていたりした。
「使用目的(姫の守護とか)話したら、格安で売ってくれたで♪」
その時黒猫が姫を軽視する発言をして、魔王に(失神する程)睨まれたのは余談だ。
「ってアンタは待っとれ!!一応・・つーか、多分、きっと、人間の範疇には入っとる筈なんやから!!」
確かに、種族的にはその筈である。
・・周りがどう思うかは知らないが。
「何かそこはかとなく失礼な気もしますが・・俺は仲間外れですか!?こないな虎も連れていくのに!!」
「酷いですジャーーー!!!」
シロタマ置いて、わいのわいの言ってる横島達。
しかし、その間も魔体の暴走は続いており──
ドオオオオォォッ!!!
『こっち来たぁぁっ!!?』
狙いなんぞ定めていない、乱発されていたビームの一発が、こちらへ向かってきた。
「くっ・・!!」
「チィッ!!」
「はあぁっ!!」
「ぬぅっ・・!!」
バシュアァァァッッッ!!!
横島の文珠、銀一の相変わらずな怪しげアイテムとハリセン、神器なハリセンと共に符を散らす鬼道と、力の大半を失っているとは言え、魔神の力を振るうアシュタロスにより凌ぐ。
しかし──
「や・・やばいっ・・!!何とか一発は防いだけど──」
「・・もう一発きたら、ヤバイなんてもんやないな・・」
「アシュ、結界は張れんのか!?」
「・・流石に結晶の力を持つ攻撃だからな・・今の私では──」
「もう一発きますジャーーー!!!」
「って此処一応異界空間だろ!?此処の空間閉じるのは!?」
「時間が足りん!!それに一度閉じてしまったら開けるタイミングが──」
「塔の中でやっとった攻撃範囲の空間閉じて卵に流すんは!?」
「塔の内部でならともかく、外ではできんっ!!」
「チィッ、あの指輪魔女に渡して複製品でも作ってもろといたら良かった!!」
「とにかくもう一発、どうにか防ぐで!!気張りや!!」
「何でござるかこのまとまりっぷりはーーー!?」
「・・えっと・・敵じゃなかったの?」
「何故ワッシはこんなにも巻き込まれ人生なんジャーーー!!!」
シロタマ、タイガーも強制的に加わる事になり──
『ぽーーーーーっっ!!!』
「あっこら!!お前達はまた!!」
「やめいアホッ!!」
「アレはシャレにならんっ!!」
「戻れっ!!ハニワ兵達!!」
またもや盾になろうとするハニワ兵達。
無論夜叉丸も共にいるが──
あのビームは、狙いも定まっていなければ収束も満足になされていない、結晶の暴走による乱発の内の一つ。
本気での完全な一発とは比べるべくも無い程度の威力ではあるが、それでも結晶を得た魔体の放つ、一発なのだ。
ハニワ兵達には、攻撃を防ぐ術等があまり施されてはいない。
単純な耐久力ならば、そこらの魔族以上かもしれないが──あの一発を受ければ、後ろの姫達は辛うじて護れても、自身達は間違い無く──粉砕される。
『ぽーーーーーっっっ!!!!!』
覚悟完了の叫びが上がる。
だが。
「むうぅぅぅんっっ!!!」
バギャアアアァァッッ!!!
『・・へっ?』
──結論を言えば、ハニワ兵達が砕かれる事は無かった。
突然一同を庇う様にして現れた影が、棒を一振りし──・・ビームを砕いてしまったのだ。
それは、ハリセンからの神気だの何だの、横島達の霊力等で威力の軽減がされていたお蔭なのだが──
「・・全く、どこまで"上"を引っ張り出すつもりじゃ?お主等は」
唖然とする一同に、その影から呆れた様な声が掛かる。
「なっ・・老師っ!?」
その影──妙神山に送り返された鬼門達に自らを運ばせてやって来た、斉天大聖老師──猿神(ハヌマン)は。
横島達に向かって、苦笑を浮かべた。
一方、未だに暴走を続ける魔体だったが。
唐突に、動きが止まる。
いや、止められる。
途方も無いプレッシャーを受けて。
真上から、抑え付けられた様に。
「ぽ?」
首を傾げつつもホッとする、魔体の額から出ているハニワ兵。
・・その一瞬後。
「「うおりゃあああああああああぁぁっっっ!!!」」
ドゴオォォォンッッ!!!
・・ドブシャアァァッ!!
ゴボボボボボッッ!!!
打撃音と、その衝撃に海に叩きつけられる音、そして──沈む音。
一同、呆然。
現れたのは、二人。
魔体の沈んだ真上の海面に浮かぶその二人は、はふぅ、とかなんとか、一仕事を終えた後の様な息を吐き。
「「・・と、ゆーワケで──」」
何が、『と、ゆーワケで』なのかは知らないが。
「「お前の罪を許そう、ハニワマン」」
「「「「待てぇぇぇっっ!!?」」」」
横島、鬼道、銀一、アシュタロス、絶叫。
──ハヌマンに続いていきなり現れ、その際に暴走する魔体を霊圧で止め、更に真上より一直線のダブル踵落としで完全に黙らせ、トドメに魔体を沈ませて。
とっても満足そうに、清々しく。
・・あの台詞であったりする。
「ってハニがぁっ!!ハニが沈んだぁぁぁっっ!!?」
「おっ、落ち着き、横島っ!!夜叉丸、潜れーーーっっ!!!」
「アシュ!!オドレの部下やろっ!!助けてこんかいっ!!」
「にゅあーーー!?私にどーしろとっ!?潜るのか!?潜るのか!!泳げたか私ーーー!!?」
・・大パニック。
「落ち着かんかお主等っ!!」
ハヌマンの言葉も届かない。
──が。
「・・おお、ちょっとヤバイな」
「だから刺激が強すぎると言ったじゃないですか」
「何言うてんねん、ノリノリやったやないか。思いっ切り足降り下ろしとった癖に」
「・・そんな昔の事は忘れました」
「何や、ボケ始まったんか?」
「・・ハルマゲドン、起こしてみます?」
「冗談やがな。カルシウム足りてへんでー」
その横島達の様子に流石にマズイと思ったのか、何やら危険な会話をしつつも、その二人の手で魔体はアッサリ引き揚げられて。
ぽよん、とハニワ兵も取り出されて。
「何だよアンタ等ぁぁぁっっ!!?」
横島、シャウト。
「いやまぁ、ちょっとしたお茶目やないかー。ホレ、返すでー」
フレンドリーにハニワ兵を渡してくるその軽い態度と台詞に、戸惑いと胡散臭さを感じて少し眉を顰めたが、気絶してはいるが他にダメージのなさそうなハニワ兵の無事を確かめ受け取って。
「・・あの、えーと・・よく解んないけど、一応・・有難うございます」
幾分落ち着き、戸惑いながらも素直に頭を下げる横島。
先程は気付かなかったが、何か神々しい波動も感じたし。
しかも何かデカイし。
「おう、ええてええて。今まで何もできんかったせめてもの罪滅ぼしや」
「は?」
「・・何か・・霊力と魔力・・物凄いんやけど・・もしかして・・」
「ああ、ワイは魔の最高指導者、サッちゃんやで♪」
「私は神の方で、キーやんと申します。宜しくお願いしますね♪」
「・・ぐはっ!!」
軽い御二方に、色々な意味でダメージを受ける鬼道。
横島も目を丸くしている。
「・・ああ・・横っち放置を決めた『お偉方』ですか・・」
そんな御二方を睨むのは銀一。
身体は凄まじいプレッシャーに押し潰されそうになってたり、本能は危険信号を出していたりしたのだが。
それらはサッパリ無視して、御二方を睨み続けている。
「「・・あうー」」
思わず御二方も汗ジトな感じで目を逸らしてみたり。・・いや、後光か何かで顔とかちゃんと見えなかったりするが。
シロタマ、タイガーは直立不動で動けない。
ハヌマンは苦笑したまま。
ハニワ兵達はぽーぽー言いつつオロオロと。
そして──
「・・ワーナニコレー」
逝っちゃった感じでアシュタロス。
何せ目の前に、神と魔の最高指導者参上である。
全ての事柄は己のせいだという自覚がある為、魂の牢獄逆戻りの滅びを受ける覚悟を無意識のまま完了。
(・・すまん、ベスパ・・)
自分でも何故かは解らないが、ベスパへの謝罪の言葉が浮かぶ。
しかし──
「アシュタロス・・」
「・・はい」
両最高指導者の口から出た言葉は──
「お前、魔神やのうなったから」
「もう、ちょっとばかり力の強い魔族レベルに降格しましたからね?」
「・・へあ?」
アシュタロスが、間抜けな声を漏らして呆ける様なものだった。
「・・あ゛ー・・死ぬかと思ったぜ・・」
「・・なんかもー巻き込まれまくりで海の底・・。流石に僕でもあれ以上あそこにいたら余裕で死ねましたよ・・」
「・・私は今正に死にそうなんですけど・・」
勘九郎をボコってた最中、魔体の暴走に巻き込まれ。
海の底に沈んでいた面々は、西条とマリアに救出されていた。
「・・君達も暴走しすぎだよ・・」
溜め息をつきながら唐巣。
魔体暴走とか最高指導者出現とかもあって、お疲れモードである。
「・・おキヌちゃんもどこからか呼んだ雑霊纏わせて、身体護りつつ引き揚げて、自分は幽体離脱して身体冬眠状態にして・・凄いね」
どこか呆れた様に西条。
「ノー・プロブレム。ミス・おキヌの身体・これ以降の生命活動に・問題ありません」
おキヌの身体を調べていたマリアがそう判断を下す。
まぁ、カオスのアイテムの数々もあるのだし、心配する事も無いだろう。本人(霊体)もその場にいるし。
「しっかし、バカばっかりじゃのー」
悲しくも正しい現実を、カオスが一言に纏めた。
カオスに言われちゃおしまいな気もするが、その通りなので仕方が無い。
「・・で、勘九郎君は?」
「・・こんなサイズになってました」
取り敢えず色々スルーして、話を進めようとする唐巣の言葉に、何とも言えない表情で手に握られた"それ"を見せる西条。
「きいぃっ!!離しなさいよっ!!ああっメドーサ様ぁーーー!!!アタシは貴女のお役に立てませんでしたーーー!!!そして消える事もできませんでしたーーー!!!此処にいてもあんまりいい事なさそーだからとっとと消えたかったのにーーー!!!」
・・人形サイズの勘九郎が、何やら悲しい事を吠えつつ大泣きしていた。
本来ならば、コスモ・プロセッサ破壊時に消滅する筈だったのだが──メドーサに少しばかり力を与えられていたらしく、消滅するまでには至らなかったらしい。
「・・なんとゆーか・・哀れだね・・」
「・・ええ・・哀れです・・。で、どーしましょーか、コレ・・」
この状態の勘九郎を退治するのも何か抵抗あるし。
本人はそれを望んでいるかもしれないが──まぁ、神魔族に渡すのがベターか、とか思っていると。
「ふむ・・実験材料として引き取ってやろうか?」
にやり、とかタチの悪そうな笑みと共にカオスが言ってきた。
「何する気ですか貴方は!?」
「却下です、ドクター・カオス・・」
「何じゃ、つまらん」
((危険人物・・))
思わず心の声をハモらす二人。
「ぽー!!」
「ぽぽー!!」
「ぽーっ!!」
「ん?どうしたんだい?」
西条の所に、ハニワ兵達が寄ってくる。
先程までぽーぽーと何か相談していた様だが、ハニワ兵達の会話は聞き取れず。
「ぽ!!」
「ん?」
びしっ!!と指の無い手で指すのは人形サイズの勘九郎。
「ぽー!!」
「あっ?」
そして、ぱっ、と西条の手からそれを奪い。
「ちょっ・・何よ何よーーーっ!?」
「ぽーっ!!」
ぽてぽてぽてっ ぽいっ
ぱくっ♪ もっしゃもっしゃもっしゃ・・ ぐげー♪
『・・・・・・喰ったぁぁっっっ!!?』
正確に言えば、バイクの形をした"何か"に喰わせたのだが。
ハニワ兵達、何か色々とご立腹だったらしい。
「・・魔族も喰うのかアレ!!ルシオラ君凄いな!!しかも鳴いたよ!!嬉しそうに!!怖!!」
「いやちょっと待ちたまえ西条君!?いいのかいコレ!?喰われたよオイ!?」
「ほほう・・是非あの嬢ちゃんとじっくり話してみたいのー。面白いモンが作れるかもしれん」
「か、勘九郎・・哀れすぎっぞ、お前・・」
「え、えーと・・。て言うか何ですかあの・・バイク?は・・?」
「た、愉しそうですね、ハニワさん達・・」
「ぽぽー♪」
「ぽー♪」
「ぽ!!」
おキヌの言う通り、愉しそうに嬉しそうにしてやったりな感じでくるくる回るハニワ兵達。
「・・生命反応・消えてません。消化されるまでの・予測時間・八百六十二秒」
『うわしぶとい』
『ぽー!!』
・・何か皆酷ぇ。
その時バイク?の中からは、しくしく泣く声が聞こえていたりした。
話を要約すると──散々"人間"にやられまくり、その力も吸い取られまくったその身。
──神魔は人々の信仰や認識により、その存在の在り方を左右される。
・・さて、ここで重要なのは──"魔神"が"人間"二人に"へたれ"と認識され、その下にいた事。
その人間二人が、魔神より強いと、"魔神本人"が認識してしまっていた事。
その上、宇宙の卵内へとその力の大半を散らされた事により──アシュタロスは、本来の力を元通りに持つ事はできなくなってしまったと。
それによって崩れるパワーバランスは、こちらでどーにか調整すると、最高指導者の御二方は約束した。
何だかムリヤリな気もするが──流石にここまでのへたれっぷりを晒した魔神を、そのまま魔神としたままでいるのも・・無理と言えば無理だろうし(爆)
大体、何だかんだと究極の魔体やらコスモ・プロセッサやら、危険な代物を持っていたのだから、このまま魔神の地位にいさせるのもマズイだろうと判断した為に。
・・何だかんだ言って、結局の所。
「まぁ、一魔族として一定期間、馬車馬のよーに働いてもらってー」
「次には人間に転生してもらいますから。色々やってくれた罰ですよー♪」
「・・!!」
・・まぁ、そういう事である。
全てを知って。
愕然とする。
答はもう出ていて。
しかも、そんなにも強い想い。
──それでも。
こっちだって、譲れなかった。
そんなこんなと合流したのは雪之丞達。
「横島ぁ!!考え直っ・・ぶっはぁ!!短パン!?」
「なっ・・なまあし・・!!」
「私を誘っているんですか横島さん!?」
・・出鼻を挫かれる阿呆三人。
まぁ、此処に来てから生の横島と対面するのは初めてなので、こうなるのも仕方無いのかもしれない。
・・短パンだし。
「はぁっ!!塔ではいつもこんなんだったから忘れてた!!・・ってゆーか改めて気付くとムチャクチャ恥ずっ!?」
「むぅ!?問題無い!!眼福眼福ぅ!!」
「かわえーしえーやないか♪・・あ、でもあないな連中の穢れた視線に晒すのは・・眼ェ潰すか?」
「・・帰ったら取り敢えず着替えやな」
こちら側はマイペースだった。
その横で。
「ああっアシュ様またあんな事言ってー!!」
「ベスパちゃん、落ち着くでちゅー!!」
「うむぅ・・余の家臣を邪な眼で見おって・・」
「・・魔王さんが相変わらず恐ろしい事を言っているよーな気が・・」
「それは言っちゃいけないのね〜、小竜姫〜!!」
「おや、随分とお疲れだね、メドーサ。・・相手が悪かったねぇ」
「ふ・・ふふ・・ふふふ・・もう真っ白さぁ・・」
「えーと、勘九郎君、こんなんになっちゃったんだけど・・引き取ってくれるかな?」
「・・何故コイツは胃液の様なモノにまみれているのだ?」
「・・で、横島の事、皆して諦めた訳?・・ま、解るけど」
「間に入れないって痛感しちゃいましたから、僕達は・・」
「先生・・先生のお決めになった相手なら仕方無いでござるが・・寂しいでござるよぉ・・」
「とにかくワッシは早く帰りたいですジャー!!」
「そういえば帰る為の乗り物が無いのー。マリア、ヘリと船の手配じゃ!!」
「イエス・ドクター・カオス」
「・・こ奴等・・相変わらずじゃのー・・」
横島を諦めた者達と、元々参加していなかった者達がわいのわいの言っていた。
因みに鬼門は、ハヌマンを送り届けた瞬間にパワー切れで既に妙神山に帰っていたりする。
冥子は未だお昼寝中。・・皆も忘れてるっぽい。
「ま、取り敢えず──横っちと鬼道さんは、迎えに行ってあげた方がええやろな」
「「え?」」
唐突な銀一の言葉に、横島と鬼道が疑問の声を上げる。
「・・私の娘達か・・。そういえば、あの場にいたな。・・そのままか?」
「ぽ!!」
「え?娘達って・・はっ!!そーいや美神さんとルシオラいねぇっ!?」
「・・いや、あの場て何や、アシュ?・・まさか・・」
「血塗れ説教と姫の惚気告白現場にだ!!・・ううっ、可哀相に」
気付いていたらしい。一応父親の自覚はあるのだろうか。くうぅっ、とか拳を握り締めて涙を浮かべてたり。
「出てこれんかったんか、隠れてたで?泣き声聞こえてたんで、そっとしといたけど」
ぶっちゃけ、面倒なので放置したくさいが。
「・・・・・・・・・・いたんかい」
鬼道、その場の状況と自身の状態の凄まじさのせいか、全く気付いていなかったらしい。
その事実を知って疲れが出たのか、今更ながら、血の足りなさに貧血気味で倒れ掛けてみたり。
「・・・・・・やっべぇ・・・・・・忘れてたぁぁ!!!」
・・酷い話である。
「てゆーか聞かれてたって・・泣いてたって・・あううぅ〜〜〜!?」
横島、混乱。
顔は真っ赤でゆでダコ状態。
そんな二人に苦笑しつつ、指示を出す。
「とにかく行ってき!!ハニ達、頼むでー!!」
『ぽーーー!!!』
「「またかーーー!!?」」
ハニワ兵に運ばれていく横島と鬼道。
「・・モニターから遠ざけた時の再現か。・・と言う事は──・・」
ちらり、と銀一に目をやるアシュタロス。
「ククッ・・」
笑いが漏れていた。
(・・見るんじゃなかったーーー!!!)
顔は俯いているせいか、陰になって見えないのだが・・それが尚の事怖い。
「テメー!!俺の横島に何する気だ!?」
「僕の横島さんです!!」
「私の横島さんをどうする気なんですか!?」
状況を解っていないのか、馬鹿──雪之丞達が吠える。
「・・横っちは物やないし、ましてやオドレ等なんぞのモンでもないわ、アホ。知っとるんやろが、横っちが誰を選んだのか」
冷ややかに銀一が突き放す。
その内容に詰まる雪之丞達。
「くっ・・!!だがっ・・まだ終わっちゃいねぇ!!」
「終わっとるわ、阿呆」
「なっ・・」
「諦めんのは構わん。それはオドレ等の自由やからな。俺にそれを止める権利なんぞない。・・けど、横っちを困らすんは許さん」
「てめぇっ・・何様のつもりだっ!!!」
「・・んー・・そうやなぁ・・」
怒りに荒れた声で吐かれた雪之丞の叫びに、少し考える素振りを見せてから、にぃっ・・と、笑う。
「魔王様、かな?」
軽く、しかし、恐怖を抱かせる笑みと共に、言った。
「・・ふ・・ふざけんじゃっ・・」
思わず引く雪之丞だが、それでも反論しようとして──
ドゴオォォォッッッ!!!
銀一が振るったハリセンに床が抉られた轟音に、沈黙させられた。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
一同、無言。
(・・何故ハリセンで床が抉られマスカーーー!!!)
アシュタロスは心の中で律儀にツッコミを入れていたが。
そうして、銀一は三人へ。・・一同へ向かって。
「・・ええか。あの二人に手ェ出したなら・・」
眼光鋭く。
「俺が、敵に回る」
断言。
「そして・・必ず潰す」
演技なんて欠片も見えない、絶対的に真実の響きを伴った、本気の言葉。
「それは、覚えとき」
気圧される。
それに真正面から向かっていける者は──いない。
既に諦め、認めている面々でさえ、引き攣り、後退る。
ハヌマンでさえ汗ジトで見守るその場で、口を開いたのはアシュタロス。
「・・本気で横島クンが良ければそれでいいのだな、貴様は」
「当然や。横っちが幸せに笑ってられればそれでええ。横っちの望みは俺の望みや!!」
けららっと軽く笑いつつ、それも断言。
──本当は。
傍らに。
自分へ向けて、笑って欲しかったのだけれど。
今の言葉だって、本心に他ならない。
(・・ああ。これでは、駄目な筈だ・・)
理解する。
改めて。
・・完全に。
愛の形は、色々あって。
しかしまず相手の事を考えなければ、その先など無いのだ。
自分も、救出部隊の面々も、己の幸せを求めただけで。
相手の色々を、無視していて。
・・そんなんで、誰が想いを受け入れてくれるものか。
そして、誰が認めてくれるものか。
(・・その点・・)
思う。
息を吐き、天を仰ぎながら。
その一生を賭けて、護ると誓った最強保護者。
手段を選ばず、恐怖を振り撒き己を抑止力とした腹黒魔王。
全ては、相手を想って。
愛している事を告げ、選ばれる事が無くても、それでも一生味方だと言った者。
本当の意味での想いは告げず、あくまで大切な友人として、見守る事を決めた者。
「・・敵う訳があるか」
自嘲に近い、呆れにも似た呟きが漏れる。
愛の女神だったらしい自分だが、ぶっちゃけその頃の事は余り覚えていない。
どうもそのせいか、そこらは疎く・・。きっちり覚えていれば、結果も違っていたのかもしれないが・・今更だ。
・・まぁ、いい。とにかく今は──
「取り敢えずオドレ等・・少し大人しくしとれや♪」
(・・理解、大事!!!)
・・今の所は魔王に潰される対象ではない己の幸運に、感謝してみる元魔神だった(爆)
──宇宙の卵内──
「「ふえええええええええええんっっ!!!」」
「・・いやあの・・すんません・・」
泣き喚く二人に、困った様に謝るのは横島。
一応、この二人が自分を想ってくれていた事は、流石に知っている。
・・それと共にあのポスターの数々で撃沈しまくっていた様を見ているので、対応に困っていたりもするのだが。
「・・すまんけど・・横島は、ボクが護らせてもらう」
鬼道が二人に言う。
泣き声が止まり、鋭い視線が向けられた。
「・・抜け駆けしたんも同じやからな、ボクは。・・せやから、殴り。・・そんで、諦めてもらう」
横暴だ。
身勝手だ。
それを解って尚、鬼道は言う。
瞳は逸らさない。
顔は真剣そのもの。
そして、待つ。
「・・ふざけんじゃないわよ・・!!」
声を発したのは、美神令子。
殴ったら、それは認めるという事。
そんな事は──できなくて。
ただ、キツイ瞳で、鬼道を睨むだけ。
「・・美神さん・・ルシオラ・・」
横島が、心配そうに、悲しそうに、顔を歪ませる。
「・・ヨコシマ・・」
それを見て、ルシオラが表情を変える。
鬼道をキツく睨んでいた瞳は悲しそうな色に染まって。
そして、柔らかく、儚いながらも、悲哀を滲ませながらも、微笑みを浮かべる。
諦めの含まれた溜め息を漏らす。
(・・だって、知っていたもの)
自分達は、聞いたのだから。
(・・解ってたもの)
何よりも。
横島の想いを。
だから。
「・・とにかく──皆と合流しましょう。いつまでも此処にいる訳にもいかないし」
「ちょっ・・ルシオラ!?」
「・・私は、後で殴らせてもらうわ。・・鬼道さん、だったかしら?」
「・・ああ。鬼道政樹や。よろしゅう」
「・・そう。私、力が強いの。・・死んじゃっても、恨まないでね?」
にっこりとルシオラ。
「・・心配あらへんよ。横島置いて死ねる程、ボクはクソやないつもりやからな」
こちらも、にっこりと鬼道。
「・・そう」
「・・ああ」
柔らかい。
空気も、笑みも。
ルシオラはこの瞬間に、鬼道を認めたのかもしれない。
「ちょっ・・ルシオラ!?」
「・・さ、行くわよー」
「ちょっ・・それで良いの!?こんな奴にっ・・」
「美神さん」
言い募ろうと美神を押し止めたのは、横島。
「なっ・・何よ・・」
「俺・・鬼道が、好きです」
「・・ッ!!」
言葉に詰まる。
「・・だから・・鬼道の事、悪く言わないで下さい。・・俺が、殴られますから。・・だって、美神さんに殴られんの、俺の役目っしょ?」
にぱっ、と笑って、そう言う。
「・・横島クン・・」
「・・それはずっと、俺の役目です。・・美神さん」
「・・何よ」
「・・俺は皆の事、大切です。でも、その中でも・・鬼道の傍で、鬼道と一緒に生きていきたいと思います」
静かな、真摯な言葉が紡がれる。
「・・・・・・・・・」
「良いですか?」
「・・何で私に聞くのよぉ・・」
「俺、美神さんの丁稚じゃないですか。許可は取らないと。・・後々怖そうですし」
苦笑しながらの言葉。
気遣いなのか。本気なのか。無意識なのか。
どれであろうとも──結局は。その言葉に、嘘は無いのだろう。
そんな横島へ、美神は。
涙声で、無理をして。
「・・勝手にしなさい・・!!もう、あんたなんて・・そいつにくれてやるわよ・・!!」
そう、言い放った。
──別れの時が来る。
「ふ・・私は、ベスパと共に、魔族としての役割に徹する事になった。・・祈っているよ。横島クン。・・君の、幸せを」
「・・アシュタロス・・」
優しい眼差し。穏やかな空気。
何だか吹っ切れた様である。
・・で。
「と、ゆーワケでっ!!長く遠く離れてしまう前にっ!!せめて最後に一発ーーーーーっっ!!!」
伝説のルパンダイブの如く、横島に飛び掛かるアシュタロス(人間形態)!!
「何でそーなるっ!!」
「このド変態がぁーーーっっ!!!」
「最後までそんなんかオドレはっ!?」
「アシュ様のアホーーーッ!!」
ずっぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっっ!!! ×4
「お約束とはいえベスパまでーーーーーっっ!!?」
・・横島、銀一、鬼道、ベスパのハリセンを受け、元魔神は空へと消えた。
襟首引っ掴まれてずるずると。
引き摺られつつ思うのは。
(・・なんだか・・)
近くに聞こえる、騒がしくて、賑やかで、優しい、声。
知らず、浮かぶのは。
穏やかな、微笑。
・・これから、償わなくてはならないだろう。
その我を通した為に傷つけた、愛すべき者へ。
その幸せを、何が何でも護ると、誓う。
・・某魔王とは、違う力、違う方面で。
──ただし。
「・・ベスパ」
「・・何ですか?」
「・・"来世"が、楽しみだな」
「・・諦める気、サッパリありませんね」
「無論だ。大体、最高指導者達の『指示』だぞ?私の人間への転生は」
「・・まぁ、いいですけどね。付き合いますよ、『父さん』」
「ふふふ・・今回は最強保護者に譲るが、次こそはっ!!」
「・・多分あの腹黒魔王もいるでしょうけどねー」
「ああっ何てコワイ事を言うのだ我が娘っ!?それは考えない様にしてきた事なのにっ!!」
「・・ヘタレ定着しすぎです・・」
何だかんだと。
「大体記憶、残しての転生じゃありませんよね?」
「・・この私の魂が、横島クンを欲しないなどありえんだろう」
それがどんな形であろうとも。
「・・ま、確かに」
・・争奪戦は続く様である。
元魔神にとっては、来世へと。
そして。
「全く・・仕方ないねぇ、ウチの『父さん』は」
ベスパは溜め息をついて、仕方なさそうに、ゆったりと──微笑った。
一方、やっとこさ魔鈴の自宅から通常空間へ帰還した某女傑は。
「ふふふ・・やってくれるわね、あのクソ魔王・・。だけどこれ以上は・・」
「そこまでだよ、美智恵」
「はっ!?」
突然の声に、慌てて振り返る美智恵。
そこにいたのは──
「あ、あなたっ!?」
夫、公彦。
「早く帰りなさい。君のするべき事は、もうここにはないんだから」
柔和な笑顔で、朗らかにそう言ってくる公彦に、何故か美智恵は蒼褪める。心なしか、身体も震えている様な気もする。
・・まぁ、若い子ゲットの為に暴走していたのだ。その後に間を置かず出てこられては動揺するだろうし、仕方が無い。
・・怯え方が尋常ではない気もするが。
「・・な、ななな何故アナタがここにっ!?」
声もひっくり返ってたり。
「・・五年前、嫌な予感がしたんだ。美智恵・・もう、君の思考を能力で読む事が出来なくてもね・・バレるんだよ?」
・・ここにいる美智恵は、五年前の美智恵である。
つまり、この後、五年前へと帰る訳であり・・。
美智恵はこんな事を言われた直後に五年前へと帰る事になり。
その時代の公彦は嫌な予感を持った為、美智恵に色々と尋き、観察する。
・・動揺していた美智恵と、長年美智恵の夫をしてきた公彦。
バレない筈も無い。
・・実際は、公彦のプレッシャーに負けて洗いざらい喋る事になったヘタレな美智恵が原因だったりするのだが。
・・この場合、公彦が強すぎたのだ。
その後。
「・・ふふ・・一人ですんだのが不思議なくらいだわ・・」
・・五年の間に何があったんだか、お腹の大きな美智恵さんが、トホホな涙を流しながら出てきたのは・・まぁ、気にする必要も無いだろう。
──どっかの空間にて。
「・・罵倒されんで良かったなー、ホンマに」
「・・本当、よく説教くらいませんでしたねぇ、あの時・・。まぁ、状況が状況でしたからね・・」
二人揃って溜め息を零して。
「で、どーします?調整やら何やら・・大変そうですけど・・」
「・・ま、しゃーないやろ。どーにかやらな。約束したんやし。・・もし反故にしたら・・」
沈黙。
「・・パワーバランスの方は結晶から力取り出して、そこらの誰かに与えるとかで大丈夫でしょうけどね・・」
「魔体に残っとる魔力も使えそーやしな。・・面倒なのは他やけどなぁ・・。アシュへの待遇やら何やら・・。本来なら一魔族降格と共に滅殺か魔神のままとしても記憶消去で魂の牢獄逆戻りやで?反発起こりそーやわー・・」
「・・それでもどーにかするしかありませんねー・・」
重く、深い溜め息をつく御二方。
軽く言ってた色々だったが、結構な破格待遇・・というか、処置だったらしい。
「けどそんなんやったら・・罵倒の嵐やったろーしなー、あの銀色魔王には」
「・・そして説教の嵐でしたでしょーねー・・」
たかが人間。されど人間。
ぶっちゃけ、アシュタロスの力が本来の状態に戻る事が無いというのも、嘘では無いのだから。
考えてみる。
もし、アシュタロスを──滅殺やら、魂の牢獄に戻していたなら。
銀一は勿論姫の(正確には魔神の)放置に対しての罵倒に始まり、アシュから聞いているであろうその『魂の牢獄』のシステムに対しての文句やら罵倒やら。
鬼道の方も似た様なモンだろうが、それらに加えて己の果たすべき責任やら神魔への対応やら人間界に対する干渉の仕方やらに対しての説教という所か。・・ダメ出しに近いかもしれない。
まぁ、それ位は必ずされただろう。
そして、多分──横島には泣かれた挙句、嫌われる。
「・・人間、恐ろしいなぁ・・いろんな意味で」
「・・そればっかりですね。でも──同感です」
そんな想像をして、遠い目をしながら御二方。
想像しただけでちょっぴりヘコんでみたり。
「・・しっかしあのハリセンの扱いっぷりは凄かったですねー。私達の神気や魔気、二人共普通に取り込んできっちり扱ってましたよ?でもそれらを人間の身で取り込んだ時点で、何かしらの変化はある筈なんですけど・・普通でしたねぇ」
「あの性格とかは元々やしなー。ま、より一層力は強まってた気はするけどなぁ・・ん?」
「何です?」
「・・いや・・もしかしてそこら・・姫護る方に全部回っとらんか?」
「・・有り得ますねー・・」
しかもハリセン通して、全部出たとか。
「・・人間て・・」
「・・もう解りましたよ・・」
疲れた様に御二方。
と、俯いていた片方──キーやんが、ゆらり、と顔を上げる。
「・・一つ、良いですか・・」
「な、何や、キーやん!?何か怖いで!?」
「・・あの二人・・死んだら私達の所・・来たりしませんよね・・?」
それぞれの神気と魔気を取り込み、間近で両最高指導者の波動を受けた者達である。
・・人間の肉体から出た後、神族になったり、魔族になったりするかもしれない。
特に魔王の方は危険だ。だって魔王だから!!
「・・・・・・・・・・アッハッハッハ。冗談キツイでー、キーやーん!!」
もう片方──サッちゃんが、どこか悲鳴じみた叫びを上げた。
「それにしても・・本当にメチャクチャでしたね・・」
「ハッハッハ。私はけっこー楽しかったぞ?」
「・・アシュ様ぁ・・」
疲れた様なベスパの声を聞きながら。
アシュタロスは思う。
──ああ、本当に。
結構、楽しかったぞ?
"普通"に。"当たり前"に。
誰かがいて、言葉を交わして、一緒に飯を喰って。
心地好かった日常。
願っていた。望んでいた、ぬくもり。
塔での日々。
そして、その後の大騒動。
ちら、と、ベスパに視線を移し、また思う。
居場所。
・・最後まで、世話になってしまったと。
既に在った温もりと、居場所。
自ら生み出し、顧みなかった──それでも慕ってくれていた、娘。
自分に付き合うと、言ってくれた、娘。
いつの間にか、気付いていた。
気付かせてくれた。
自分はもう、愛すべき者を、慕ってくれる者を。
大切な娘を、持っていた。
「・・お前もけっこー楽しそうだったぞ?」
「どこがですか!!」
「子供還りしたし」
間。
「・・・・・・・・」
ぽかぽかぽか
「・・いや、無言で殴られてもな?」
「・・・・・・・・・・・・」
ぽかぽかぽかぽか
「・・いや、悪かった悪かった」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ぽかぽかぽかぽかぽか
「・・また子供還りか?」
「〜〜〜〜〜!!!」
ぽかぽかぽかぽかぽか!!
「あたたたた」
そんなじゃれあいをしながら共に行く二人でした(爆)
次の後日談で終わります〜。
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