「死ぬかと思った」
飛行機などが展示されている、ところで俺は一息をつく。
会場の一部が消し飛んでるのは皆さん気にしないように、
「なんで生きてるんだ?」
かおりが聞いてくる。
「さあ?」
それは、俺にもわかりませんよ。
「込んでますね」
「どうします?兄さん」
「和樹・・・・」
上から夕菜、雫、イヴの順で俺に訪ねねてくる。
あの後別行動をとりこうなっているが、何故この組み合わせ?神は俺に恨みでもあるのでしょうか?
「帆船を見たかったのですが、仕方がありません宝石でも見に行きましょう」
そう言って腕を組む雫、だから夕菜がいる前ではやめてくださいお願いですから(涙)
「雫さん!!何度言ったらわかるんですか!和樹さんと腕を組んでいいのは私だけだと」
口論が始まり俺はため息をつく、これっていじめ?
「大体・・・あれ?」
急に夕菜の様子が変わる。
「どうした?」
「いえ、菫さんを見かけたような・・」
「菫淳子か?」
「はい、でもいけなくなったから、代わりにってチケットをもらったんですけど」
「人違いじゃないですか?宮間さんは色んな意味で脳が疲れているようですし」
「どういう意味ですか!・・・でもそうですね聖職者の格好をした包帯ぐるぐる巻きのミイラを引きずっていたし」
「別人だろう。絶対!」
「そうですね」
「そういえば、夕菜のペンダントも宝石を使ってるな」
今俺達は宝石のコーナーにいる。
「魔力を感じるけど、そんなに強くないようですね」
夕菜のペンダントを見て雫が意見を言う。
「そうなんですか?これは昔引っ越しばかりしていたときにお母さんからお詫びにもらったものです。お母さんからの最後のプレゼントです」
「死んだのか?」
「ピンピンしてます。今はイタリアでブローカーをしています」
「変わったお母さんね」
「すごい」
雫とイヴが呆れている。だがな雫。うちの母には誰にも勝てんぞ。
「そういえば、和樹さんのお母様ってどういう人ですか」
「私の敵です!!まあ今は『この世界』にいませんけどね」
「あっ、そのごめんなさい」
夕菜が謝る。雫その言い方では誤解を招くぞ。正確にはゼル爺と二人で異世界放浪記を楽しんでいるため、いないだけなんだから。
俺も昔逃亡にいったことあったな・・・・・・ゼル爺俺も連れってて。
待ち合わせ場所につくとみんなそれぞれ何が良かったか話し出した。
「すいません、ちょっとトイレにいってきます」
夕菜が席を立ちトイレに向かった。
(妙だな・・)
おそらく俺ぐらいしかわからないが、此処の空気が変わった、あえて言うならば戦場の雰囲気に、
(まさか、こんなところで仕掛ける気か?)
「遅いな・・」
あれから十分近くたっている、いくらなんでも遅すぎる。
「きっと生理よ」
玖里子さんが下品な答えをする。あんたお嬢様だろ一応、
「だといいがな」
十分後・・
「いくらなんでも遅すぎるだろ」
「確かにいくらなんでも遅すぎるわね」
「・・・探してくる」
俺はそう言ってトイレのほうに向かう。
「ちょっと、兄さん」
「何処いったんだよ」
まったく居ても居なくても迷惑をかける女だ。
ドン!
「つっ」
俺は誰かにぶつかる。自分で言うのもなんだがらしくないな、
「すま・・・」
謝ろうとして硬直する、だって聖職者の服を着たミイラがカートを轢いているし、カートの中に見覚えのある赤い服が見える・・・
「おいあんた」
少し声質を落とし睨む。
「ふふふ、さっきはよくもやってくれたな、小僧」
「・・・誰あんた?」
はっきりいってこんなミイラ一度あったら忘れんわマジで。
「さっき物凄いダッシュで俺を轢いただろうが!!」
もしかしてこいつさっき○ーリーダッシュで間違って轢いちゃった人かな?
「で、何がしたいんだ」
「きまって「ガゴン!」ぶっ」
ミイラの台詞の途中に何処からか飛んできた何かに当たり倒れる哀れ。
「式森、宮間を連れて逃げろ」
かおりの声を聞き俺は、夕菜を抱えて走り出す、重いぞ夕菜。
ダララララララ!!!
俺とかおりは夕菜を降ろし展示品の物陰に隠れて銃弾の雨をしのぐ。
「戦争でも、始める気かあいつら?」
「宮間が狙いのはずなんだがな」
「どんな依頼を受けたんだお前は?」
かおりは夕菜や俺を守るため、誰かが依頼した護衛だ。
何せ、世界最強の魔術師の遺伝子を持つ俺や、歴史上マレを見る魔力と魔法回数二十一万回の夕菜。
はっきりいって、真祖や魔法使い、幾多の魔といった奴らを研究するよりは危険が少ない手ごろな実験材料のため、そういった連中から守るために派遣されたらしいが、
「式森と宮間を守れだ」
「それだけか?」
「いや、そういえばおかしなことを言ってたな、二人を守れただし『危険なめにあわせろ』変だろ」
「それが、ドイツ展に来た目的か」
「そういうこと」
俺の言葉にかおりがうなずく。
どういうことだ?護衛対象を危険にさらすなんて正気じゃないぞ。
「遺伝子や宮間の家じゃなく対象本人のなにかか?」
「だろうね。・・・・ところで式森このままじゃ拉致があかないがどうする?」
「倒すしかないだろう」
「そうかじゃあ『アレ』とってきてくれるか」
此処から少し離れた場所に展示されている、銃に向かってかおりは指を指す。
「・・・・お前はこの銃弾の雨をかいくぐり、あんな骨董品でマシンガンと対抗する気か?」
「うっ、じゃあどうするんだ、魔術でも使って対抗するのか」
「無理だろう、あいつらの着ているコートは対魔術処理がされてるからな」
俺はサングラスを少しずらしながら答える。
「式森?」
「もったいないが、こんなところで手間取っている場合じゃないからな。一気にけりをつける」
俺は一瞬の隙をつき男たちに邪眼をかける、すると男達は前かがみになり銃を落とす。
全員が壁を見ながら一歩も動かない。
「さて、かたずけるか」
俺は駆け出し男の一人に蹴りを入れる。そのまま近くに居た男の首に手刀を叩き込む残りは足元にあるマシンガンで行動不能にする。
「ほらもって来たぞ」
援軍が来る前にかおりのところに戻りマシンガンを渡す。
「相変わらず、便利だないったいどんな幻を見せたんだ?」
「美人のストリップショー」
「・・・・・いいのかそれで?」
言うな頼むから・・・・
ダダダダダ!!!
「もう到着かよ」
「式森此処は私に任せて、宮間をつれて」
「先に行くから後はよろしく〜♪」
「マテやこらあああああ!!!!!!」
俺はかおりの言葉を聴き終える前に夕菜を担いで走り出す。
さらばかおり、君の事は三秒ぐらいで忘れるよだから安らかに眠ってくれ。
ドガ!
通路をふさぐ男どもを蹴り飛ばしながら出口に向かって走る。
「居たぞ此処だ」
二人の男が現れ俺に向かって銃で撃とうとするが何処からか飛んできたマジックアローで倒される。
「大丈夫ですか兄さん」
「雫」
そこには雫とイヴ、玖里子さんの三人がいた。
「和樹事情は先生から念話で聞いたわ急いで逃げるわよ」
「逃がすと思うか」
ミイラが現れた。
男ABCが現れた。
「さあ覚悟しやがれ・・・」
男たちというよりミイラがイヴを見て固まる。
「み・・見つけた」
「「「「「「「「ハイ?」」」」」」」
ミイラ以外が口をそろえる。
「こんなところにいたんだね!!俺のマイ・エンジェルウうううううう!!!!!!!!!」
・・・・・・『変態が居る』多分此処に居るみんなの意見だろう。
「これこそまさに運命の出会い!お嬢ちゃん名前は?住所は?彼氏いる?」
「あ・・あ」
いつの間にかイヴに近づき本気で口説き始めるミイラ。
「あっいきなりはまずいよね、じゃあ友達から初めていいかな?」
「いいわけあるか、変態がああああああ!!!!!!!!」
どがああああああんん!!!!!
『スネーク・バイト』でミイラの頭をつかみそのまま地面に叩きつける。
男の頭が地面にめり込み、男を中心に5メートル位の範囲で地面が割れるがかまわない。
「イヴ大丈夫か?」
「うん、でも・・」
イヴが何か言いたそうだが、それより早く、硬直の解けた男達が俺たちに向かって銃を向ける。
「兄さん!」
雫が叫ぶと同時に物陰から凛ちゃんが現れ手に持った片手半剣のレプリカで男の一人を斬る。
「がは」
斬ると言っても刃をつぶしてあるので死ぬことはないだろう。
「この」
残った男達が凛ちゃんに銃口を向けるが、雫のマジックアローで倒される。
「凛ちゃん」
「早く行け!」
そう言いながら凛ちゃんは次から次に現れる男たちに向かって走り出す。
「わかりました、兄さんいきましょう」
「ああ」
俺達は出口に向かって走り出した。
「なっ?」
外にでた俺たちを待ち構えていたのは、男たちではなく無数の犬。
「何よこれ?」
玖里子さんが驚く、それはそうだろう多種多様の犬が俺たちを追い詰めるのだから不気味だ。
「犬だけではなさそうですよ兄さん」
空を見上げる雫が声を出す。そこには百以上いる鳥たちがこちらに向かってくる。
「明らかにこっちにむかっているわよね」
「和樹どうするの」
本気を出そうかと考えていると、犬の群れに向かって銃声が響く。
「かおり生きてたか」
「おかげさまでな、それよりこっちだ、C館に逃げるぞ」
「わかったみんな急げ」
「式森」
「凛ちゃん」
別れた凛ちゃんと合流する。
「式森、車のところに行くぞ。此処は抜け出したほうがいい」
かおりの台詞にみんなうなずく。今のところ敵はいない、どういうことだ?
まさか!
「みん」
俺が警告するより早くあたりが真っ白になり同時に魔法による衝撃でみんなの位置がわからなくなる。
くそやはり罠か連中初めから此処に誘い出すのが目的か。
ごおおお!!
俺に向かって次々と火球が飛んでくる。
俺はそれを何とかかわすがうっかり夕菜を落としてしまう。
「ん・・・ん・・」
落ちたショックか夕菜の眼が覚めようとしている。
「夕菜」
呼びかけると同時に強烈な殺気を感じそちらを向く、するとそこには灰色の二本の角を持つ巨大な獣『べヒーモス』が俺に向かって突っ込んできた・・
あとがき。
中篇です。私が未熟なためドイツ展の襲撃が三部作になってしまいました。
一応後編は和樹VS士度とディステルとの再会がメインです・・・多分。
レス返し>
イジー・ロース様>和樹君の心配ありがとうございます。
33様>確かにこの一言は和樹君にとってみれば大きな一言ですね(笑)
紫苑様>いろいろな質問ありがとうございます。とりあえずは、イヴは近いうち葵学園にいきます。
D様>「修羅場ワークス」と「ハーレムワークス」ですか、はっきり言って使えないでしょうその二つは、和樹君の心労を増やすだけですし。
武井雅考様>多分夕菜たちがいる限り一生胃薬の世話になるかと。
555様ありがとうございます。確かアドバンスソフトの地獄のスカルムーシュや邪眼封印などに出てきた技でしたね。友人がやっていたのを思い出して確認しました。