「まってくれ・・・・!!!」
青年はひどくうなされている。
「消えるな、消えないでくれ・・!!」
その手は誰かを引きとめようとするかのごとく伸ばされている。
「ルシオラーーーーー!!!」
青年は突然叫び、跳ね起きた。
「はあ、はあ、・・・夢か、ちくしょう!」
青年は少しの間ぼんやりしていたが、
夢を見ていたことに気がつくと悪態をついた。
「あれから、一年近く経っているっていうのに・・・
吹っ切れることさえできないなんて、なんて弱いんだろうな俺は・・・」
自らを嘲るような笑みを浮かべのそのそと起き上がる。
「・・・そろそろあいつが来るころか。
切り替えねえとな。」
そういうと青年を覆っていた自虐的な雰囲気はなりを潜め
おそらくは本来の性質であろう明るい雰囲気にかわった。
そして、タイミングを計っていたがごとく
元気な少女と落ち着いた感じのする少女の声が聞こえてきた。
「先生〜散歩にいくでござるよ〜!」
「静かにしなさい!馬鹿犬!!」
「ん?今日はタマモも居んのか?」
青年が首をかしげていると銀色の髪をした少女―シロ―が
部屋に突進するように入ってきて叫ぶ。
「先生!散歩に「いい加減黙りなさい!」キャイン!!」
そして遅れて入ってきた少女―タマモ―に拳骨を食らわされた。
「あいかわらずやな〜おまえら」
その光景を見て青年は苦笑していた。
「で、今日は何でタマモまで居るんだ?」
「ちょっと横島に相談があって・・・」
「相談・・・?
美神さんやおキヌちゃんには相談できないようなことなのか?」
青年―横島―は自分の所属する事務所のメンバーを考えながら聞く。
「おキヌちゃんじゃ、わからないと思うし
美神は今日はまだ寝てたから。」
「なるほど
そういや昨日、かなり酒飲んでたからな〜。」
そのせいで被害に遭ったのか、どこか遠い目をしながら
美神が酒を飲んでいたことを思い出す横島。
「で、相談ってなん「それより散歩にいくでござる!!」・・・ええい!
わかったから静かにしてろ!!」
ガン!
「痛った〜〜〜〜!」
先に殴られた場所と同じ場所に食らったのか
痛みに泣きそうな顔をしながらシロが畳の上を転がる。
「たく。で、相談ってなんなんだ?」
「それが何かいやな予感がするのよ。
何か、とんでもないことに巻き込まれそうな・・・」
「いつもの美神さん関係とは違うんか?」
「ええ、何かもっと別の・・・!」
そのとき話しているタマモの体が光り始めた!
古き英知の・・・によって・・・
「なんなんだ、この声は!」
我が・・・異界より・・・
「体が・・・!!横島、シロ!!」
「「タマモ!!」」
新たなる・・・が命じる
横島とシロがタマモの手を掴む!
呼びかけに応えよ・・異界のものよ!!
キュウン!!
それから少し経ち
大きな音と強い光が収まったとき
ぼろアパートの一室には誰もいなかった・・・・・・
後書き
皆さん、初めましてラグナといいます。
此処に投稿されている方たちのすばらしい作品を読み
私も何か書いてみたいと思い、このような愚作を投稿してしまいました。
なにぶん小説を書くこと自体、初めてなので
指摘、感想などを頂けるとありがたいです。
お目汚しにならぬよう、がんばってみたいと思いますので
どうかよろしくお願いします。
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